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観光ついでに芝居でも? 今年の「豊岡演劇祭」見どころまとめ

  • 2024.6.29
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城崎温泉を有する兵庫県豊岡市をメインに、但馬地域一帯で開催されるステージ・パフォーマンスの祭典『豊岡演劇祭2024』。今年も9月6~23日に開催されることが決定し、各プログラムの詳細が明らかになった。そのなかから、特に要注目の演目を中心に紹介していきたい。

『豊岡演劇祭2024』メインプログラムより、『城崎発演劇列車vol.4 JR西日本観光列車「うみやまむすび」×芸術文化観光専門職大学 「うみやまむすび夢十夜 こんなゆめをみた!!の旅」リターンズ 〜TAJIMA発☆奇々怪々方面、ヘンテコ!?夢うつつ行き。ぶらりとご乗車くださいませ〜』(写真提供:豊岡演劇祭実行委員会)

◆ 最注目は「野球場」を使った野外劇

上演される演目は、公式プログラム(招待作品)16本と、フリンジ(自由参加)54件。そのなかでも今年の目玉と言えるのが、八嶋智人や「男性ブランコ」の平井まさあきが出演する、スリーピルバーグス『リバーサイド名球会』(9/20~22)だろう。豊岡市内の野球場を舞台に、俳優たちが球場内のあちこちをめぐりながら繰り広げる野外劇で、作・演出の福島充則いわく「たった1つの好きなものを通して、世界中を肯定する物語」になるそうだ。

『豊岡演劇祭2024』メインプログラムより、スリーピルバーグス第2回野外公演 in スタジアム!『リバーサイド名球会』(写真提供:豊岡演劇祭実行委員会)

◆ 毎年人気「観光列車の旅」もあります

また、過去に好評だった演目やアーティストを、再び招へいすることが多いのも豊岡演劇祭の特徴のひとつ。これはフェスティバルディレクター・平田オリザの「劇場や演劇祭は、未来への遺産となるレパートリーを作るのが責務」という考えに基づくものだ。

なかでもダンサー・岩下徹とミュージシャン・梅津和時という、世界レベルの2人の即興を目撃できる『みみをすます』(9/16・21・23)、芝居の世界に巻き込まれる観光列車の旅『うみやまむすび夢十夜 こんなゆめをみた!! の旅』(9/12・13、18~20)は、毎年多くの人を集める、鉄板の演目となっている。

『豊岡演劇祭2024』メインプログラムより、岩下徹(dance)× 梅津和時(sax./cl.)即興セッション『みみをすます(谷川俊太郎同名詩より)』(photo by bozzo/写真提供:豊岡演劇祭実行委員会)

なかにはフリンジで参加した演目が高評価され、公式プログラムに認定される例も。ドラマ『パーセント』(NHK)にも出演した、障害者ダンサー・森田かずよのダンスカンパニー「Mi-Mi-Bi(みみび)」は、フリンジで目撃した関係者の熱いリクエストで、新作『島ゞノ舞ゝゝ(しまじまのまいまいまい)』(9/21・22)を発表。

また、俳優・小菅紘史×チェリスト・中川裕貴の一人芝居『山月記』(9/7・8)は、動員600名を記録した伝説の野外芝居。9/7公演は、今年から開催エリアの一つとなった宝塚市でおこなわれるので、京阪神からも足を運びやすいはずだ。

◆ 観光感覚でフラッと訪れても「楽しみのある演劇祭」

かようにプログラムが充実しているのに加えて、このエリアは城崎温泉や神鍋高原、城崎マリンワールドや竹野浜海岸など、各種観光施設やアクティビティも充実している。

前述の福島は「『旅行をしに来たら、芝居をいっぱいやってるから見てみよう』という、観光優先で来ていいと思う」と言い切り、平田も「世界中の国際演劇祭に参加したけど、これほどいろんな(演劇以外の)楽しみのある演劇祭はそんなにない。今年は今まで以上に、その良さを押し出したいと思っています」と、観光やグルメの楽しみも増やすことを約束していた。

『豊岡演劇祭2024』会長・高宮浩之(左)、フェスティバルディレクター・平田オリザ(右)(写真提供:豊岡演劇祭実行委員会)

もちろんこれ以外の演目も、厳選された作品やパフォーマーぞろい。公式サイトで内容をチェックしたうえで、周囲のイベントやお店の情報と照らし合わせながら、旅のスケジュールを組んでみてほしい。

チケットは無料~5000円(演目により異なる)で、18歳以下は無料(一部演目をのぞく)。19歳以上25歳以下&各種学生証を持っている人は、残席があれば当日券は無料となる。チケットは、但馬エリアの地域先行発売は7月19日、全国発売は7月22日から開始。

取材・文/吉永美和子

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