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祝誕生日、井川遥“癒やし系の女王”から“芯の強い女性”ハマる俳優へ「拾われた男」では本人役で葛藤表現

  • 2024.6.29
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 ※画像は井川遥がディレクターを務めるファッションブランド「loin.(ロワン)」の公式Instagram(loin.official)より
※画像は井川遥がディレクターを務めるファッションブランド「loin.(ロワン)」の公式Instagram(loin.official)より
井川遥 ※2015年ザテレビジョン撮影
井川遥 ※2015年ザテレビジョン撮影

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かつて“癒やし系タレント”の代表格としてモデル、グラビア、CMなど一世を風靡(ふうび)した井川遥。6月29日に48歳の誕生日を迎えたが、透明感ある美しさは変わらないどころか、ますます磨きがかかっているようだ。近年はファッションブランドのディレクターとして活躍する一方、ドラマや映画で主人公の妻や母役を担い、存在感を放っている。そんな井川の俳優としての軌跡を振り返ってみたい。(以下、出演作のネタバレを含みます)

癒やし系でブレーク後、映画やドラマなどに進出

1976年6月29日生まれの井川遥は、1999年に「東洋紡水着サマーキャンペーンガール」に選ばれ、本格的に芸能界デビュー。身長167cmで抜群のプロポーションに加え、大きな瞳とぷっくりとした唇のキュートな顔立ちと柔らかい雰囲気で「癒やし系」と称されてブレークした。

俳優としては、2002年に「空から降る一億の星」(フジテレビ系)、「私立探偵 濱マイク」(日本テレビ系)、初主演を果たした映画「目下の恋人」など立て続けに出演し、目覚ましい活躍を見せていく。

艶やかな色気をまとい、演技の幅を広げる

2006年前期の連続テレビ小説「純情きらり」(NHK総合ほか)では、三姉妹だったヒロインの次姉で困っている人を放っておけない心優しい性格の人物を好演。以降、連続テレビ小説には「半分、青い。」(2018年前期)、「おちょやん」(2020年後期)と計3度出演している。

2013年に連続ドラマ初主演となった「ガラスの家」(NHK総合)では、結婚相手の息子と禁断の恋に落ちる難役に挑戦。また、大河ドラマ「花燃ゆ」(2015年、NHK総合ほか)では、井上真央演じる主人公・杉文の兄・吉田松陰(伊勢谷友介)が投獄された野山獄で出会う美しき女囚・高須久子を、同じ年の「流星ワゴン」(TBS系)では心に闇を抱えた主人公の妻に扮(ふん)した。

ちょうどこのころ、サントリー「角ハイボール」のCMキャラクターに起用され、艶やかさのある女性店主役が話題に。癒やし系から、大人の色香が漂う役も似合うという演技の幅を広げていった。

本人役で“癒やし系”の葛藤を表現

そんな中、“本人役”で出演したNHK BSプレミアムで放送された「拾われた男」(2022年、ディズニープラスで配信)でドキッとさせられる場面があった。

仲野太賀が主演を務める同ドラマは、俳優・松尾諭が自らの波乱万丈なサクセスストーリーを描いたエッセーが原作。松尾は芸能事務所の社長に“拾われ”、下積み時代に事務所の売れっ子だった井川の運転手をしており、ドラマでもそのエピソードが盛り込まれた。

そこで仲野演じる松戸諭は、井川が演技でも“癒やし系”を求められて葛藤する姿を目の当たりにするのだ。自分なりに役を捉えた感情表現をしたくても、監督に「何見ても癒やされたい時代だから、ホラーでも」と言われてしまったり、首を45度にかわいく傾けるのを求められたり。

同ドラマの出演者発表の際、井川は「実際のところかなり寄せているところとフィクションが入り混ざり…」とコメントを出しており、どこまでがフィクションなのかは定かではないが、劇中では本当はプロレス好きな“白熱系”。癒やし系というイメージから、走ったりするだけで「意外」と言われることが「意外」とも明かしていた。

この作品で描かれたのは、まさに“癒やし系の女王”と称されていた時代。癒やし系という称号はおそらく外からつけられたもの。「誰も興味ないんだよね~、本当の私のことなんか」というせりふにズキっとする。

だが、「私の代わりなんていくらでもいるしさ」という続けてのせりふは、現在の活躍を見れば“そんなことはない”と断言できるのだ。

芯の強さがある女性の役がぴったり

2023年は、2本のドラマで主人公の妻を演じた。「罠の戦争」(フジテレビ系)は、草なぎ剛演じる衆議院議員秘書が息子を瀕死の重体に追いやった犯人探しと、それを隠蔽しようとした議員に復讐(ふくしゅう)する物語。井川は復讐の危害が及ばないように離婚しようとする夫を支えると決意する妻役だ。息子を思うつらさや悲しみの中で、夫を懸命に支える優しさを見せつつ、最終回では、あるきっかけから自ら立ち上がる強さをキリっとした雰囲気で見せた。

「下剋上球児」(TBS系)では、鈴木亮平演じる弱小高校野球部監督・南雲脩司の妻・美香役で、“姉さん女房”のしっかりとしたところを出していた。

どちらも、夫を支え、いざとなればの芯の強さがある役どころがぴったりとハマっていた。癒やし系からの脱却というのも少し違うかもしれない。優しい笑顔は変わらず相手役や見る者を癒やしながらも、母や妻として、また女性として芯の強い役をこなしていける演技力にこれからも期待したい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記

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