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【エモすぎる銭湯カフェ】古きよき銭湯の歴史をつなぐ「rébon kaisaiyu<レボン快哉湯>」で昭和にタイムスリップ!

  • 2024.6.29

東京都台東区・入谷で、明治末期に創業した銭湯「快哉湯」。惜しまれながらも2016年に営業を終了しましたが、現在は自家焙煎コーヒーやこだわりの手作りアイスクリームを楽しむことができるカフェ「rébon kaisaiyu(レボンかいさいゆ)」として生まれ変わっています。1928年竣工という歴史ある建築は可能な限り保存され、訪れるだけでタイムスリップしたかのような感覚を味わえる空間に。古き良き銭湯そのままの、レトロな魅力あふれる様子をご紹介します。

築96年の銭湯「快哉湯」をカフェにリノベーション

東京メトロ日比谷線の「入谷」駅からほど近く、下町風情が残る住宅街。

入母屋造りで瓦葺きの玄関、そして背景には浴場の高い建物が構える、まさに日本人が思い浮かべる「銭湯といえば」というイメージを体現する建物が見えてきます。

こちらが明治末期に創業した銭湯「快哉湯」。関東大震災の後、1928(昭和3)年に新潟の宮大工が手掛けた竣工当時の姿が、ほとんどそのままに残ります。

"まちの銭湯"として、世代を超えて愛されてきた快哉湯でしたが、2016年11月をもって、惜しまれながらも営業が終了。

その際、「人々の記憶が詰まったこの建物を未来に残したい」というオーナーさんの思いを受け継ぎ、建物を保存するプロジェクトがスタートしました。

現在は、古き良き銭湯の歴史を感じられる造りはそのままに、カフェ「rébon kaisaiyu(レボンかいさいゆ)」として営業しています。

「レボン快哉湯」を訪問

昭和の銭湯をそのまま保存!レトロな空間が広がる

タイムスリップしたかのような玄関

玄関から趣深さが溢れる快哉湯の建物。レボン快哉湯と看板は出ていますが、カフェに来たとは思えない、というより、タイムスリップして一昔前の銭湯にやってきた気分です。

履物をしまうのは、鍵が木札の下駄箱。年季を感じます。そして向かって右側、かつての女湯の扉を開けて店内へ。

かつての脱衣所がカフェに

脱衣所として使用されていたスペースは、明るくきれいなカフェになっています!

温かみを感じる飴色のフローリングや格子状の高い天井、男女を区切っていた全身鏡はそのまま残されています。現代的な照明やカウンターとの対比が新鮮ですね。

建物だけでなくところどころのディテールにもぜひ注目を! 「とられぬ前の御用心」と書かれた注意書きや……

長い時を刻んできたのであろう、「快哉湯」と記された振り子時計も(残念ながら今は止まっています)。

ほかにも、荷物かごや入り口横の体重計、建具の模様付きすりガラスなど、ところどころから当時の面影が伝わります。

展示スペースも併設

男湯の側は、カフェとしての利用以外に、展示スペースとしても貸し出しているとのこと。筆者訪問時には、手作りアロハシャツの作家さんが展示・販売を行っていました。

番台はフォトスポットに

そして、銭湯ならではの番台もしっかり現存。なんとこちらには実際に登って座ることが可能で、人気のフォトスポットになっていますよ!

筆者も登らせてもらいましたが、中は掘りごたつのようになっており、案外快適。高さは1.3m程度で、フロアが一望できました。

現代の価値観で考えると、いくらお店の人でもお風呂を一望できるのは考え物でしょうか……? なんにせよ、とても貴重な体験でした!

浴室はオフィスに!富士山の絵は必見

店舗の奥、かつて浴場だったスペースは、建物のリノベーションを手がけた株式会社ヤマムラのオフィスになっています。

こちらも中に入っての見学や写真撮影が可能です! もちろんお仕事中の方がいらっしゃいますので、迷惑にならないようにご配慮くださいね。

浴場に入ると、脱衣所よりもさらに高い7m超という天井の大空間に、窓からの光が差し込んでいて壮観。

銭湯には欠かせない富士山の絵も保存されています。

鮮やかで迫力あるペンキ画を描いたのは、早川利光氏。東京で最も多くの銭湯絵を制作した、著名な絵師なのだそう。2009年に亡くなり、現存している画はどんどん希少になっています。

ペンキ画の下には、カラフルなタイル張りの浴槽も。中に入って富士山を仰ぎ見れば、まさに当時そのままのお風呂気分ですね。

さすがに男女の仕切り壁は解体されていますが、その名残である瓦は、当時の位置そのままに保存されています。

オフィスの中には木組みでできたブース状の部屋も設置されていますが、これは中から構造を補強する役割もあるのだそう。歴史的な銭湯建築をなるべく損ねずに保存する工夫なんです。

こんなオフィスだったら、仕事も楽しくなりそう! レトロ好きの筆者からすると、うらやましい限りでした。

手作りアイス×自家焙煎コーヒーのマリアージュが絶品!

銭湯建築の魅力を満喫したところで、カフェも利用していざ実食。こちらがメニュー表になります。

お店の看板メニューは「マリアージュプレート」。自家焙煎したコーヒーと、お店手作りのアイスクリームを楽しめるセットです。(価格は各種980円)

コーヒーの産地・種類とアイスクリームの味の組み合わせのセレクトは、試行錯誤を重ね、素材の個性と相性を活かしたものを開発しているそう!

今回は、その中でも特に人気という「ブルーベリー&雲南」を注文しました!

中国・雲南省産のコーヒーはまだまだ珍しく、最近になってコーヒー専門店にも登場するようになった品種。筆者もいただくのはこれが初めてです。

苦味・酸味ともに控え目ながら、フルーティーなコクを感じられるお味です。この豊潤さは、ファーメンテーション(発酵)を経たコーヒー豆ならではなのだそう。

そしてアイスが絶品! ブルーベリー本来の柔らかな果実味がいっぱいに広がり、自然で優しい甘さ。後味は少しの酸味でさっぱりします。少しジェラート感のあるシャリっとした口当たりながら、口溶けはまろやかなのも独特です。

コーヒーとアイスクリームを交互にいただいて、ふわりと広がる風味の調和を楽しめました!

マリアージュプレートのラインナップでは、ほかにも「チョコレート&ブラジル」も人気で、「ミルク&エチオピア」は2024年4月からの新発売。こちらも気になるところです!

さらに、シーズナルで期間限定のものも展開。夏に向けての新メニューには「ココナッツ&エルサルバドル」が予定されていますよ。

そしてこちらはお店に鎮座する大きなコーヒー焙煎機!

気に入ったコーヒーと出会ったら、豆やドリップパックでの購入も可能になっています。

営業時間や混雑状況をチェック

平日は主に地元の方、休日は遠方からのお出かけの方が中心になるのだそう。日本ならではの空間が魅力のカフェですので、外国からの方も多くいらっしゃるそうです。

平日はゆっくり過ごすことができますが、休日は昼過ぎのカフェタイムが混雑のピークで、待ち時間が発生することも。混雑時はお席が時間制になる場合もあります。

また展示スペース以外にも、快哉湯全体を使用したイベントが開催されることも。過去には落語の寄席が行われたり、演奏会の会場になったりしています。

中でも現役の活動写真弁士(無音映画に声をあてる方)の解説で100年前の映画を見るイベント「カツベンのゆ」は定期開催中とのこと(要予約)。

営業時間は基本的に10時~18時ですが、不定休かつ上記のようなイベントもありますので、スケジュールはお店のInstagramをご確認ください。

記憶をつなぐカフェでほっとする時間

「記憶をつなぐカフェ」をコンセプトに、再生の意味を持つ英単語"reborn(リボーン)"が店名の由来となったという、「レボン快哉湯」。

その名前の通り、銭湯からカフェに変わっても、建物や人を通して「快哉湯」の記憶がつながれているように思いました。

初めて訪れたのに、どこか懐かしくほっとする。シブくもエモーショナルな空間で、素敵なカフェタイムはいかがでしょうか。

 

rébon kaisaiyu

所在地:東京都台東区下谷2-17-11

営業時間:10:00-18:00 不定休

 

 

[Photos by ぶんめい]

※価格はすべて税込です

※時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

 

 

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