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アンダーカバー、分断された人々の一体感を表現【2025年 春夏メンズ】

  • 2024.6.28
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「日本人も含め民族のカテゴリーはいろいろあるけれど、それをボーダーレスにしたかった。世界では今さまざまな対立があるが、自分が描くファッションの世界の中ではそういったものをなくしていきたい」。そう話すのは、6月19日(現地時間)にパリ・メンズ ・ファッションウイークでは4年半ぶりとなる、アンダーカバーUNDERCOVER)2025年春夏メンズ・コレクションのショーを開催した高橋盾。そんな彼の思いが反映された今季のコレクションは、“分断された人々の一体感”を表現したものであり、ボーダーレスな架空の民族をイメージさせるものだった。

Undercover - Runway - Spring/Summer 2025 Paris Men Fashion Week

高橋盾がYouTube上で発見したオーストラリアの3ピースバンド、グラス ビームスが、宝石の仮面をつけて演奏する映像から今回のショーはスタート。同バンドの中心メンバーで、インドにルーツを持つラジャン・シルヴァが奏でる音色は、サイケデリックな世界観で浮遊感があり、ショーとコレクションの背景にあるテーマを連想させた。

アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。

そんな中で最初に登場したルックは、高橋盾がアーティストのためのユニフォームとして制作した、スカイブルーやピンク、オフホワイトのグラデーションが施されたリネンのジャケットパンツセットアップ。ゆったりとしたシルエットで、ジャケットにはストラップが取り付けられ、肘や袖部分には通気口となるスリットが付属。また、これらのセットアップには、高橋自身が描いた雲や煙、さらにアルフレッド・ヒッチコックが監督した映画『サイコ』に登場する家のようなイラストがプリントされていた。そして、ラストに出てきたルックにも高橋盾のペイティングがプリントされ、エイリアンのような空想上の生き物は「私のクリーチャー」とのこと。

アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。

その他にも、フルレングスのローブやサリー風のトレーンスカート、ウィンドウペンチェックのスカート、つば広のハットとフィッシュネットのベール、金色のヘッドピースなど、「ウィメンズ寄りのメンズを作りたかった」というデザイナーの思いが反映されたアイテムが数多く登場する。

ンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
ンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。

そして、コレクションの中で一線を画していたのは、イタリア人画家のロバート・ボシシオによるぼやけた肖像画をのせたスポーティーなロング丈のパーカと、ドロップショルダーのチャンピオン(CHANMPION)とのコラボによるスエットシャツであろう。

アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。
アンダーカバー 2025年春夏メンズコレクションより。

世界中から集められたエスニックなディテールや素材を融合させ、架空の民族衣装を表現したアンダーカバー2025年春夏メンズ・コレクションを見ていると、グラス ビームスが奏でる音色のように、人々を隔てるボーダーを無くすひとつの音楽がそこには存在していた。

※アンダーカバー2025年春夏メンズコレクションをすべて見る。

Photos: Gorunway.com Text: Luke Leitch Adaptation: Atsutaro Ito, Saori Yoshida

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