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しんどい家事をするのは自分だけ? 家族全員で動く「チーム家事」のススメ

  • 2024.6.28
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ダ・ヴィンチWeb
『日本唯一の家事シェア専門家が導き出した 家族全員自分で動く チーム家事』(三木智有/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

子育て世帯や共働き家庭を悩ませる膨大な家事。家庭内の男女格差をなくす努力は各方面で進んでいるものの、妻に家事の負荷が偏っているケースはまだ多い。一方で夫側にも、仕事が忙しい中、できることはやっているのに妻は不機嫌でモヤモヤ、なんて不満を抱える人もいるだろう。仕事も家のこともふたりで必死にがんばっているのに、しんどさから抜け出せない……そんな日々を送る人にとって必読なのが、本書『日本唯一の家事シェア専門家が導き出した 家族全員自分で動く チーム家事』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。

著者は、家庭をよりよい場所にするため、講演やメディア発信、子育て家庭の支援等の活動で「家事シェア」を広げる三木智有氏。本書では、主に共働き家庭で、家事に苦しむ人々の生活を改善する方法を、家族全員で主体的に家事をする「チーム家事」という切り口から伝えている。

はじめに著者は、各家庭の家事スタイルに合ったチーム家事の運用や改善策が有効だと示す。中心的に家事を担う人が指示を出して運営する「シュフ型」、各自が担当の家事に責任を持つ「担当型」、シュフ型をベースに一部を担当分けする「ハイブリッド型」、気づいた人が動く「自律型」の4つのスタイルごとに、運用の注意点やコツを具体的に伝えている。たとえば、「自律型」の落とし穴は、「先に気付いたほうが負け」状態になり、偏りが生じがちなこと。夫婦間で、「この家事をやらなくちゃ」と感じる発動ポイントをすり合わせるなどの工夫が大切だという。

仕事や生活に関するノウハウ本を読んでも、アドバイスが自分の事情と合わず参考にならなかったという経験はないだろうか。しかし本書は、読者の現状に応じた方法を示してくれるため、おちいりがちな失敗には深く共感できるし、改善策もイメージがしやすく、行動につながりそうだ。

さらに本書では、チーム家事を困難にする4つの課題=「溝」を指摘。それらを解消するというアプローチで、チーム家事実現への道を示す。たとえば、家事の偏りを生む夫婦内の情報格差は、スケジュールアプリの活用や、収納の工夫で解消できる。あるいは、妻にとって家事は苦手でも時間がなくてもやるべき「必須科目」であるのに対し、夫は家事を「選択科目」と認識しているから連携がうまくいかない。こうした時間感覚の相違をなくし、お互いがフェアに時間をやりくりしているという感覚を持つための、「チーム家事フローシート」を使った段取り方法などを紹介している。

チーム家事に欠かせない夫婦間のコミュニケーションについても丁寧に解説。そこには家庭生活全体を豊かにするためのヒントも満載だ。子どもを戦力化するだけでなく、本人の生きる力も養える「子どもをチームの一員にする」というアイデアも学びが多く、子育て世代に響く。そんな本書は、忙しいとつい忘れがちな「理想の夫婦像は?」「幸せな家庭って?」といった、自分の家族観の原点に立ち返らせてくれる。家事ハックだけでなく、ポジティブな気持ちで家庭生活に向き合うきっかけも得られる1冊だ。

文=川辺美希

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