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〈梅雨シーズンの自律神経コントロール法〉交感神経と副交感神経、それぞれを整える呼吸とポーズ

  • 2024.6.28
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自律神経はバランスが大切

自立神経のうち、交感神経は心臓や肺の働きを活性化し、脳や筋肉などに血液や酸素をたくさん送り、身体の器官を活動させるために働き、副交感神経は心身を休息させるための働きがあり、消化吸収を活発にします。

自律神経はバランスが大事で、交感神経が高すぎると、カラダがこわばる、消化力が落ちる、寝付けないなどの症状が出てしまいますし、逆に副交感神経が高すぎる状態は、だるさややる気の低下のほか、ひどくなるとうつ病などの精神疾患につながることも。また、両方とも働きが低下していると、エネルギー不足でとても疲れやすい状態になってしまいます。

スマホなどの光の刺激から、現代人は交感神経が優位になりやすい状況にあります。自律神経は交感神経よりも副交感神経がやや高い(1:1.5)くらいまでであれば副交感神経の方が高めでも不調が出ない範囲とされていることと、年齢を重ねていくと副交感神経の働きが落ちやすくなるため、大人になればなるほど休息がとれているかは注意する必要があります。

自律神経
イラストAC

交感神経が高ぶっていて過剰に働いている状態が続くと筋肉は硬くなります。「以前より身体の柔軟性が落ちた」「最近身体がガチガチ」という方は交感神経のスイッチが入りっぱなしかもしれません。放っておくと寝付けない、眠りが浅いなどの睡眠障害にも繋がります。

運動が苦手な方や雨が続く今の季節は、逆に副交感神経が過剰になってしまう場合も多いので、汗ばむ程度のきつくない運動も意識的に行いたいですね。

自律神経を整えるためにできること1|まずは背骨周辺の柔軟性を高めよう

交感神経と副交感神経の出発点がある、背骨周辺の柔軟性を高めることは、自律神経を整える前提をつくる上で、とても大切です。
背骨がやさしいS字カーブを描けていて、骨盤が前傾も後傾もしていない良い姿勢は、背骨周辺の柔軟性がある程度保たれていないととれないため、自律神経の乱れにくい姿勢と言えます。

猫背などの不良姿勢は、背骨を走る交感神経を圧迫するのはもちろん、内臓を下垂させたり骨盤周辺や消化器系臓器などに負担がかかり、副交感神経の働きを低下させやすくなる要因にも。背骨のS字カーブを描ける姿勢作りは自律神経を整える上で重要です。まずは背骨周辺をゆるめることからはじめてみましょう、

背骨の柔軟性を高めるポーズは基本的にはどれもおすすめですが、誰にでも実践しやすく、呼吸とも連動しやすいのでまずはじめにおすすめしたいポーズはキャット&カウです

テーブル
photo by Mika Nihei

やり方

1 手は肩幅、脚は腰幅に開いた状態で、肩の下に手を、腰の下にひざをつきます。

2 みぞおち(へそから指3,4本上)に意識を向け、6秒程かけて息を吐きながら天井方向にみぞおちを持ち上げます。みぞおちをもちあげていくと自然と背中が丸くなり、骨盤が後傾方向(しっぽをたくし込む方向)に動きます。

3 次に3秒程かけて息を吸いながら床方向にみぞおちをたらします。みぞおちをさげていくと自然と胸が開き、骨盤が先ほどとは逆に前傾方向に傾きます。

4 5呼吸ほど繰り返しましょう。

自律神経を整えるためにできること2|症状にあわせて呼吸の中心をコントロール

唯一、意識的に自律神経を整えることができる方法が呼吸です。呼吸を使って働きがよくない方の自律神経にスイッチをいれてみましょう。

寝る前や交感神経が働きすぎているときにおすすめ 副交感神経オンのプレワークと呼吸法

カラダのこわばりを感じるとき、気持ちが高ぶってイライラしやすい時、寝付けない時など交感神経が高ぶっているときは、お腹を中心に呼吸をしてみましょう。

プレワーク 腰椎5番ゆらしワーク

交感神経が高ぶっているときは、さきほど紹介したキャット&カウを実践後、意識するポイントを変えたパターンも実践してみましょう。

1 肩の下に手を、腰の下にひざをついたら、仙骨のすぐ上(腰椎5番あたり)を中心に上下に腰をゆらします。先ほど行ったキャット&カウのように背骨全体を動かす感覚ではなく腰を前傾後傾させる程度の動きです。

2 仙骨のすぐ上に意識を向け、骨盤を後傾方向(しっぽをたくし込む感じ)に傾け、ゆっくり6~8秒かけて吐く

3 次に前傾方向に腰を傾けながら3秒かけて吸います。

4 5呼吸ほど繰り返しましょう。

今回はキャット&カウの流れで行えるワークを紹介しましたが、椅子にすわって腰を呼吸に合わせて前後にゆらしてもOKです。

副交感神経のスイッチオン へそ下丹田を中心に腹式呼吸

1 安楽座になり、坐骨を座面にたてて、下腹部の中心に風船があるようにイメージします(安楽座が苦手な方は足を腰幅に開いていすに座っておこなってもOK)。

2 息を吸ったときにお腹がふくらみ、吐いたときにお腹がへこむ呼吸を、吸う息1:吐く息2のスピードで行います。

(寝る前などは吸う息3:吐く息8と、やや吐く息のスピードをゆっくりにしてみてもOK)

おなかの前だけが膨らむのではなく、脇腹や腰に手を手て横や後ろ側もふくらんでいくのを感じながら行うと姿勢が保ちやすいです。

朝イチがおすすめ|副交感神経が働きすぎているときに行う交感神経オンのプレワークと呼吸法

うつうつとして何をやるにもおっくう、だるくて仕方なく常に眠いなど副交感神経が働きすぎている症状のときには、胸を使って行う胸式呼吸を行います。
起きてから目が覚めず、ぼーっとしてしまうときにも〇

◇プレワーク 伸びをする猫のように胸をひらくポーズ

胸を開く
photo by Mika Nihei

1 肩の下に手を、腰の下にひざをついたら、手を前に少しずつ動かしておでこをつく

2 3秒程で息を吸い、6秒程かけて吐くを5呼吸繰り返す

苦しくなく、気持ちよく行えればあごをついてキープしてもOK

〇交感神経のスイッチオンのために胸式呼吸

1 坐骨を座面にたてて、胸の中心に風船があるイメージをします(いすに座っておこなってもOK ヨガマットに場合は安楽座など楽な座位で )。

こちらも吸う息1:吐く息2のスピードで行います。息を吸うときは胸の風船が膨らみ、吐くときに風船が小さくなるイメージで繰り返します。

胸式呼吸をしようとすると、肩があがりやすくなるので注意しましょう。 どうしても肩があがってしまう方は、肋骨の下側側面に手を当てて吸ったときに肋骨が横に広がり、吐いたときに戻るという動きを確認しながら行ってみましょう。

簡単なワークや呼吸法をお伝えしましたが、自律神経のバランスを整えるための前提作りには、規則正しい生活も大切。できるだけ夜更かしをしない、夜はできるだけ灯りを暗くする、よく噛んで食べる、適度な運動をするなども自律神経を整える一助になります。できるところからはじめて、身体とこころのバランスをとり、うつうつとしやすい梅雨の季節も健やかに過ごしましょう。

仁平美香

WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。

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