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Lemino「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルにて短編映画が無料配信中! 柴咲コウ、志尊淳の初監督作品などの紹介コメント到着

  • 2024.6.28
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『MIRRORLIAR FILMS Season2』 (C)2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT width=
『MIRRORLIAR FILMS Season2』 (C)2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト「ミラーライアーフィルムズ」の最新シーズン公開にあわせ、ドコモの映像配信サービスLemino(旧dTV)内に「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルが開設。“毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。”として、Season1~Season4のオリジナル作品・関連作品などが配信中だ。またシリーズ最新作となるSeason5も、劇場公開日から約1カ月後という異例のスピードで、7月5日から順次配信開始することが決定。竹中直人監督作『たてこもり』や、漫画家・大橋裕之の初監督作『変哲の竜』など、過去シリーズ同様に注目すべき監督の短編が並び、出演者にはお笑い芸人・小説家の又吉直樹や、山田孝之、横浜流星、伊藤沙莉、山下幸輝など超豪華布陣が集結した。

【写真】志尊淳が監督初挑戦! 板谷由夏主演『愛を、撒き散らせ』ポスタービジュアル

今回、Leminoですでに配信開始されているSeason2より、柴咲コウ監督・脚本・出演『巫.KANNAGI』、志尊淳監督『愛を、撒き散らせ』ほか、4つの作品について映画ライターによる見どころ紹介コメントが届いた。いずれの作品も全て無料で視聴することができるので、ライターコメントを読んだ後に本編をチェックしてみてほしい。

■配信作品(13)『巫.KANNAGI』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

社会からこぼれそうな命をすくい上げるには。 『巫.KANNAGI』

貧困問題は現代も続いており、社会からこぼれてしまう子ども達の救済は切実な問題だ。ここに焦点を当てファンタジーという角度から描くことで、より映画的な作品として観客の心に刻まれることもある。

そんなアプローチから物語を構築しようと原案を担当したのは、『スカイハイ』(2003)の監督・北村龍平。まさに『スカイハイ』の主人公イズコさながらの存在感を放つ“メッセンジャー”に柴咲コウが扮し、出演、初監督を務めたのが本作『巫』だ。どこにでもある母と娘の仲睦まじい光景が、彼女の登場により、一気に色合いを変えていくのだ。母の記憶から浮き上がる二人の生活はセピア色の世界で描かれ、更に寂しさを纏っていく。

家という箱の中で繰り広げられる母と娘の日常の激変。それを短時間で表現するには俳優の演技力が求められる。本作では『カメラを止めるな!』(2018)でも知られるしゅはまはるみが、最大限の愛で娘を包もう守ろうと必死に奮闘する姿に打ちのめされる。背負い過ぎた母親の行く末と、母の為に夢を見続けようとする娘を演じる矢部俐帆の渾身の演技にも目頭が熱くなる。

きっと柴咲監督が本作に込めた思いとは、ラストのアナウンサーの言葉そのものだろう。「救える命」に気づくこと、他者に関心を持つことだ。もう一点、本作と共に北村龍平監督作『天間荘の三姉妹』(2022)を観るのもいいだろう。それは「スカイハイ」のスピンオフ作であり、柴咲コウがイズコを演じているのだから。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

4年前に父親を亡くした少女さなは、母親と慎ましくも幸せに暮らしていたが、ある日、2人の前に突然“メッセンジャー”が現れる。なぜ彼女は現れたのか・・・。貧困や孤立など現代社会に潜む闇が徐々に映し出されていく。
監督:柴咲コウ 原案:北村龍平 脚本原案:畠中沙紀 脚本:柴咲コウ、畠中沙紀、林青維 出演:矢部俐帆、しゅはまはるみ、山崎樹範、柴咲コウ / 時間:16分

■配信作品(14)『愛を、撒き散らせ』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

全身で世界を感じれば「生命の色」に気づくだろう~『愛を、撒き散らせ』

「あの子は大丈夫だろうか」
そんな声が聞こえてきそうな踏切でのカット。冒頭、板谷由夏扮する女性が、誰かと電話で話しているのだが、その会話だけで彼女が善人だと分かる。その後、踏切ですれ違う少年の姿を見送る表情から、とても敏感で、他者に目を向けながら生きている人だと確信する。

生死のギリギリのラインに立つ顔の見えない相手に向かい、冷静なそぶりで対応する女性の目をクローズアップで捉えることで、彼女は電話越しの相手を真っ直ぐに見つめているのだと分かる。受話器から聞こえてくるのは心を震わす不安定な生存確認。その時の両者の感情をメロディでつづるなんておこがましいと言わんばかりの、生活音のみで展開される密室の映像。その理由は、電話の向こう側の全ての音を聞き漏らさないよう、耳を澄ませて相手の生命線を掴もうとする女性への敬意からだろう。

他人だから心を開けることもある。顔を合わせないから全てをさらけ出せることもある。志尊淳監督はきっとそれに気づいて、このテーマを描くことにしたのだろう。今の世の中、携帯電話には情報が溢れ、イヤホンで外部の音も遮断出来るので、他者の様子に気づかずに過ごしている人も多い。だからこそ、一旦、全ての情報を手放して、空の色が青だけではないことに気づいてほしい、それだけで生きていることを実感するから。そう映画は伝えているようだった。(文:伊藤さとり 映画パーソナリティ)

・作品情報&配信情報

若手実力派俳優・志尊淳が描く、無縁社会に生きながらも“つながり”を求めてもがく人々の物語。主人公は、さまざまな悩みを抱える人たちの孤独に寄り添い続ける女性。ある夜、一本の電話をきっかけに、彼女は自らの過去とも向き合うことになる…。
監督:志尊淳 脚本:林青維 出演:板谷由夏 / 時間:17分

■配信作品(15)『King&Queen』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

ロメロもビックリ! 家族総出で作った半径一メートル半の斬新すぎるゾンビ映画『King&Queen』

モダンゾンビの始祖ジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を生み出したのが1968年。そこから遥か時と場を超えて、ここ日本で半径1メートル半の家族総出の傑作ゾンビ映画が誕生するとは。ロメロも驚いて墓から這い出てきそうだ。

脚本・撮影・録音・編集・プロデュースと八面六臂の活躍で駒谷揚監督が手掛けた『King&Queen』は、ゾンビがはびこる終末世界の実家を舞台にしたブラックコメディ。“夫殺し”をテーマに、出演俳優の全員が駒谷監督の親族という正真正銘のファミリームービーだ。

寝ている隙に夫(監督の兄)を殺害しようとする妊娠中の妻(監督の義姉)とその母(監督の実母)。でも自分の手を汚したら、お腹に宿る新しい命たる息子・孫に迷惑がかかる。ならば外にうじゃうじゃいるゾンビに食い殺してもらおうか。妻と母はゾンビ化した町内会長(監督の実父)を自宅に招き入れるのだが、予想外の事実が判明。なんと町内会長は元々足が悪く、夫が眠る二階までの階段を上ることが出来ないのだ。

家族総出という、まさに誰もが映画を撮れる時代を象徴した一作。しかし駒谷監督が生み出すウィットに富んだセリフとテンポ感、素人とは思えぬ駒谷家の面々のとぼけた熱演によって、単なる内輪受けの低予算自主映画の枠組みから離脱することに成功している。

時代を超えて評価を得ているゾンビ映画のほとんどが、物語の根底に強烈なメッセージを潜ませているが、本作もその例に漏れていない。妻と母のバックボーンとしてあるのは、脈々と続く抑圧という負のスパイラル。それをヘヴィさ皆無にさらっと仄めかす描き方が巧みだ。

ゾンビ映画としても社会風刺映画としても花丸。ちなみに本作製作を通して駒谷監督は家族と一層仲良くなったというのだから、ファミリームービーとしても合格点。ロメロ監督も草葉の陰から喜んでくれるはずだ。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

2020年のステイホーム期間中に家族総動員で撮りあげた初期衝動あふれる作品。夫の殺害を企む妻。殺害方法に悩む彼女の元に、とんでもないニュースが飛び込んでくる。世界各地でゾンビが大量発生したというのだ!
監督・脚本:駒谷揚 出演:駒谷由香里、駒谷友子、駒谷秀一、駒谷海 / 時間:7分

■配信作品(16)『適度なふたり』(「MIRRORLIAR FILMS Season2」収録作品)

同居あるあるをハートフルに ヨーロッパ企画・永野宗典&藤谷理子共演の『適度なふたり』

「長編映画として観てみたい!」と鑑賞後に思わせる。それが良質な短編映画の条件だろう。ヨーロッパ企画の永野宗典と藤谷理子が共演した『適度なふたり』はその条件にピッタリ当てはまる、ハートフルなロマンスコメディだ。

遠距離で暮らしていた新婚夫婦が念願叶って初めての同居生活をスタートさせる。だが引っ越し初日から問題発生。夫は極端な暑がりの汗っかきだった。冬場にも関わらず、冷房を16℃に設定。寒すぎて同じ部屋にいられない妻は、夫とは別の部屋に閉じこもってしまう。

夫婦のちょっとした価値観のズレから生まれる超絶ハートフルな物語。それを体現する永野と藤谷のキャラ設定とセリフ回しが秀逸で、暑がりの汗っかきながらも常に一生懸命な不器用な夫を演じた永野の「こういう人いるよね」的憎めない感の表現は職人レベルに達している。もはや演じているというか、永野自身が本質的に持っているユーモラスな人間味が滲み出ていると言った方が早い。そんな夫を戸惑いつつも静かに受け入れる妻を演じた藤谷も、お見事なまでにつつましさを表出する。

クーラーの適温を巡る擦れ違いから始まったストーリーは、回想形式でこれまでの夫婦の歩みエピソードを挿入しながら進行。その回想で語られるエピソードがホッコリのツボをしっかりと押さえていて微笑ましさ100%だ。いつしかこの二人が現実と地続きの実在の人物のように思えてきて、愛しさを抱かせてくるのだから恐れ入る。

最後のオチも思わず「まさか!」と吹き出してしまうもの。きっと二人の不慣れな同居生活には適温以外にも様々な壁が立ちはだかるだろう。それをどのように乗り越えていくのか? 同居生活の悲喜交々を見守りたくなる、映画が終わってからも続いていく物語。長編化を期待したい。(文:石井隼人)

・作品情報&配信情報

価値観の違い、そして夫婦とは何かを、ヨーロッパ企画の永野宗典、藤谷理子共演でユーモラスに描いたハートフルコメディ。今まで遠距離で暮らしていた新婚夫婦。初めての共同生活に期待が膨らんでいたが…。
監督・脚本:柴田有麿 出演:永野宗典、藤谷理子 / 時間:6分

【配信概要】
『毎週金曜は、ミラーライアーフィルムズ短編映画の日。』として、ドコモの映像配信サービスLemino 「ミラーライアーフィルムズ」チャンネルから、Season1~Season4、Season5以降の新作・オリジナル作品・関連作品などが順次配信される予定。


【「ミラーライアーフィルムズ」概要】
ミラーライアーフィルムズは、映画プロデューサーの伊藤主税、俳優の阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする、クリエイターの発掘・育成を行う短編映画制作プロジェクト。2021~22年公開のSeason1~4では公募作品を含む、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなどが監督した36本の短編映画を発表した。短編映画だから、短編映画ならば挑戦してみたいと、映画未経験者や普段映画に関わらない異なるバックグラウンドのクリエイターが集まり、新しい視点やアイデアが生まれる場となっている。

Season1~4 参加監督(五十音順)
Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫彩/池田エライザ/枝優花/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷揚/齊藤工/志尊淳/柴咲コウ/柴田有麿/武正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田陵/林隆行/針生悠伺/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田佳奈/山田孝之/李闘士男/渡辺大知

7月5日(金)配信開始となるSeason5には、竹中直人、大橋裕之、榊原有佑、ピウス・マチュルスキス、巖川虎太郎、十川雅司、Season6には小栗旬、浅野忠信、Season7には加藤浩次、加藤シゲアキの参加が決定した。

【『MIRRORLIAR FILMS Seaosn5』配信スケジュール】
7月5日(金) 『変哲の竜』
7月12日(金) 『たてこもり』
7月19日(金) 『NAIKU』
7月26日(金) 『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』
8月2日(金) 『駆け抜けたら、海。』
8月16日(金) 『MIMI』
8月9日(金) 『参画屋の仔羊たち』(MLF秋田 地域特別制作作品)

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