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イサム・ノグチの照明、ナチュラルワイン…皮から手作りの「水餃子」がマストの台湾料理店が登場

  • 2024.6.27

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『燕 en』の水餃子とナチュラルワインです。

台湾料理のお店と言えば、屋台ライクでビールが似合う賑やかなイメージが主流に思うけれど、西荻窪の『燕』の世界観はずいぶん離れたところにある。イサム・ノグチの照明にアンティークの家具。木や石のテーブルに映えるのは真っ白な器たち。料理に合わせるのはナチュラルワインと紹興酒。このテイスト、日本の台湾料理屋さんでは出会えなかったやつ……! と胸が高鳴る。

「誰かの家に招かれるような空間で、ワインと台湾料理を楽しんでもらえたら」と、店主の高野愛実さん。マストオーダーは皮から手作りの水餃子だ。豚肉、発酵白菜&腐乳、海老&黄ニラ。湯気と共に現れる3種の水餃子の、しっとり艶やかなことよ。「皮にはほんのり餅粉をいれます。ムチッとプリッとした食感が好みで。具材は、小籠包まではいかないけれどちょっと肉汁が出るのが理想。豚肉は肉の粗さも試行錯誤して、現在は1センチ挽きにしています」。語り出すとこだわりが止まらない高野さん。彼女はとにかく水餃子が大好きで、台湾料理を志したのもきっかけは水餃子愛だったという。都内の台湾料理店で5年ほど経験を積み、現地へも何度も足を運ぶうち気づいたのは、台湾料理は「シンプルで優しくて滋味深いこと」。心まで癒されるような小菜と水餃子とワインを楽しむ夜は、いつもより時間がゆったり柔らかく流れていく。

西荻窪の人気フレンチレストラン『ドゥイエ』の姉妹店として、物件が見つかるまでの間『ドゥイエのおにかい』の名で1年半ほどの営業を経て、今年5月に『燕』をオープン。「お料理おまかせプラン」(9品3000円)から、小菜の「細切り干豆腐とパクチー」(単品600円)、「ピータンウフマヨ」(単品600円)、「酔っ払い海老」(単品900円)、水餃子は3種類の味のミックス(単品6個1200円※写真は2人前)、デザートに台湾パイナップル豆花(単品900円)。グラスワイン(1000円~)と紹興酒(1000円~)。

燕 en 東京都杉並区西荻北3‐19‐12 西商ビル2F TEL:080・7522・2442 17:00~23:00(最終入店21:00) 月・火曜休

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。

※『anan』2024年7月3日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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