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JIN除隊、デビュー11周年…ARMYライターが「BTS RETROSPECTIVE in Cinema 2024」で改めて感じたBTSメンバーの“尊さ”

  • 2024.6.27
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現在映画館ではBTSのドキュメンタリー映画『BRING THE SOUL: THE MOVIE』(19)、『BREAK THE SILENCE:THE MOVIE』(20)、『BTS: Yet To Come in Cinemas』(23)の3作品が「BTS RETROSPECTIVE in Cinema 2024」 としてリバイバル上映されている。そんななか、BTSファン=ARMYにとって、2024年6月12日は忘れられない日となった。最年長メンバーであるJINが、ついに18ヶ月間の兵役を終えて帰ってきたのだ。この日は、兵役中の他のメンバーも休暇を取ってJINのもとへ集結。RMの高らかなサックス演奏をBGMに、久しぶりにメンバーたちがハグし合い笑顔を見せている様子を見ることができた。18ヶ月ぶりのJINの笑顔、RMの予想外のサックス演奏に主人公のJINを置いてけぼりにしてハグしあう弟メンバー達など…そこにあったのは、我々の知るいつもどおりのフリーダムなBTSだった。

【写真を見る】2025年にメンバー7人全員が除隊予定。『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』のようなワールドツアーを期待したい

そして6月13日にデビュー11周年を迎えたBTS。ARMY(BTSのファンネーム)である筆者はこの日、JINのハグ会…ではなく、映画館に足を運び『BRING THE SOUL: THE MOVIE』の応援上映会に参加してきた。JINが戻ってきて久しぶりに7人が集結した喜びと感動に包まれた状態で鑑賞した『BRING THE SOUL: THE MOVIE』は、さらに特別なものとなった。

『BRING THE SOUL: THE MOVIE』とは、2018年に行われた「BTS WORLD TOUR‘LOVE YOURSELF’」を振り返ったBTSのドキュメンタリー映画だ。2019年8月に劇場公開されると、世界112の国と地域で255万人以上を動員し大ヒットを記録した。ツアーの裏側や彼らのオフの様子までBTSの日常を赤裸々に映し出した、ARMYのための映画である。しかし、たとえBTSのことをよく知らなかったとしても、この作品を観れば7人がそれぞれどんなキャラクターなのか、BTSがなぜこんなにも世界的人気を誇っているのか、彼らの魅力を存分に知ることのできる内容となっている。

「BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF’」に密着した『BRING THE SOUL THE MOVIE』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
「BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF’」に密着した『BRING THE SOUL THE MOVIE』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

ヨーロッパツアー最終日、フランス・パリで7人がささやかな打ち上げパーティーを催すところから映画は始まる。楽しそうに会話をしている彼らを見ているだけで思わず泣きそうになった。「きっと来年(全員除隊後)にはまた、こんなふうに集まってワイワイ話している姿を見られるようになるんだろうな」と、考えただけで感極まってしまう。7人はパリでワインを飲みながら、それぞれツアーを振り返っていく。本稿では今作で感じたひとりひとりの魅力について、メンバーごとに改めて紹介していきたい。

入隊中の今だからこそ、メンバーたちの言葉が胸に刺さる

最年長のJINは、別のドキュメンタリー作品で「ARMYが僕たちの幸せや喜びを共有してくれるのと同じくらい、苦しみや悲しみも共感してくれると知ってからは、できるだけそういう場面を見せたくないと思っている」と話していたが、今作でも弱っている姿や悩んでいる姿を一切見せない。かわりに、ツアー移動中の機内でRJのぬいぐるみを大事そうに抱えながら眠るかわいすぎる姿や、海外の街行く人に「You know BTS?」と聞いてみたり、ツアーの合間に公園を散歩したりと平和なシーンが続く。ライブ終了後、楽屋でピザを食べ続けてなかなか帰ろうとしない年下メンバーたちに「早く帰ろうよ〜!」と呆れているシーンも、いつもの長男VS弟たちの構図で思わず笑ってしまった。また、「僕もソロでダンス曲をやってみたい」と話しているシーンがあるのだが、この数年後に発表されたJINのソロ曲「スーパーツナ」のことを思い浮かべたARMYも多いのではないだろうか。彼の希望が実現して良かった! しかしこんな平和でかわいらしい姿ばかり見せてくれる長男が、実は人一倍BTSを思い、ARMYを思い、支えてくれているのを我々は知っている。

全10都市を巡るワールドツアーの様子を記録した『BREAK THE SILENCE THE MOVIE』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
全10都市を巡るワールドツアーの様子を記録した『BREAK THE SILENCE THE MOVIE』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

JINとは対照的にリーダーのRMは、今どんなことを思っているのか、何に苦しんでいるのか、もちろん全てではないだろうが、楽曲の歌詞やSNSなどで赤裸々に明かしてくれる人だと思う。そんな対照的な2人が奇跡的なバランスを保ち大きな支柱でいてくれるからこそ、BTSは何年も愛されるグループとして成り立っているのではないだろうか。RMは、ツアーの移動中に“兵役中の友達”について話すシーンが印象的だった。「友達が彼女を置いて入隊することになったんだけど…」と話し始めるRM。「待つことしかできない人と、待たせることしかできない人。どちらのほうがつらいという問題ではない」と語る。そこからBTSとARMYの関係に繋げ、「だから僕はARMYに、待っていてくれてありがとうという気持ちを表現したい」と話すのだ。RMが今まさに入隊中だからこそ、公開当時よりも今のほうが、この言葉にとても胸を打たれた。また、ライブ中のMCでARMYに向かって「自分を愛するためにBTSを利用してください」と伝えるシーンは、涙なしでは見られなかった。ファンにこんな素敵な言葉を贈ってくれるグループ、最高すぎやしないか。

シネマティック専用カメラ14台を総動員し、多彩なアングルで撮影された『BTS Yet to Come in Cinemas』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
シネマティック専用カメラ14台を総動員し、多彩なアングルで撮影された『BTS Yet to Come in Cinemas』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

SUGAは相変わらず、ツアー中でも“いつでもどこでも音楽を作る人”で、惚れ直した。そんなどこまでもストイックな彼が、筋トレをしながら「マッチョになっちゃうよ。キャプテンコリア!」と茶目っ気たっぷりに言うシーンは微笑ましくて、そのギャップにやられる。ライブでミスをしてしまい落ち込むJUNG KOOKに「100点中102点だったよ?」と優しい言葉をかけたり、JUNG KOOKが怪我をしてしまった時は「すぐに病院行ったほうがいい」と心配したりと、メンバー想いな一面も。また、ソロ曲「Seesaw」のライブパフォーマンスを見たARMYの反応が良かったことを、メンバーたちにうれしそうに報告する姿が大変可愛らしかった。先日のソロツアーで披露してくれたアコースティックバージョンも最高だったが、いつかまた「Seesaw」のダンスパフォーマンスが見たい。

ダンスリーダーのJ-HOPEは、自分たちのライブ映像を真剣な表情で、誰よりも厳しくチェックし、公演中の体力調整をするようメンバーに注意したりと頼もしい姿が度々見られた。そんな彼が風邪をひいてしまい、リフレッシュのためにドイツ・ベルリンを散歩するシーンも印象的。「こうして外出するとRMやVが出かけたがる気持ちがよくわかる。こうやってメンバーの気持ちを知っていくんだ」と柔らかな表情でつぶやく姿に、メンバーを家族のように大切に思っている彼の心を感じとってまた泣きそうになってしまう。また、「街に出たらBTSのTシャツを着ている人たちがいてびっくりした」と嬉しそうにメンバーに報告する場面も。今となってはBTSグッズを着ている人なんて珍しくもないだろうが、当時の彼らにとっては衝撃だったのだと思うと、本当にここ数年で爆発的に世界中で人気になったんだなあ…と感慨深い。

7人のこれからの人生が穏やかで幸せなものであってほしいと心から思う

【写真を見る】2025年にメンバー7人全員が除隊予定。『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』のようなワールドツアーを期待したい [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
【写真を見る】2025年にメンバー7人全員が除隊予定。『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』のようなワールドツアーを期待したい [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

JIMINはライブで足を痛めてしまってつらそうに寝転んだりと、自分だって身体を酷使していてしんどいはずなのに、常にメンバーに優しく寄り添う姿が印象的だった。とくにVとJUNG KOOKの年下メンバー(実際はVと同い年だが、JIMINのほうが誕生日が早い)がつらい状況の時、そばには必ずJIMINがいた。JIMINの優しさに、一体メンバーはどれだけ救われているのだろうか。また、メンバーがライブ中に英語で挨拶をするJIMINの真似をしたら、Vが「違う、もっとこんな感じ」と完璧にモノマネをしていて、“クオズ”(VとJIMINのコンビ名)の強く深い絆を感じることができた。先日のJINの除隊の時も、熱くハグしあうクオズが本当に尊かった。また余談だが、JIMINは“BTSの天使”と言われるほど常に可愛らしいのだが、実はものすごく酒豪という最高すぎるギャップの持ち主。パリでの会食中も、優雅にワインを飲む姿が非常にかっこいい。

ツアー中に喉の調子が悪くなってしまい、思うように歌えなくなってしまったV。本番前までなんとか歌いたいと必死で声を出し続けるが、どうしても高音パートが出ない。結局、ライブ本番ではボーカルライン(JIN・JIMIN・V・JUNG KOOK)の楽曲「The truth untold」の自身のパートが歌えず、もどかしい表情のままステージに立つことに…。しかしそのパートをなんとARMYが、まるでBTSの一員になったかのように熱唱して彼を支えてくれる。そのARMYの歌声がとても美しく感動的だ。舞台を降りた直後、悔しさのあまり座り込んで号泣するVに、思わずもらい泣きしてしまった。BTSは過酷なスケジュールの中、心も体も疲弊して、それでもARMYのためにステージに立ってくれている。それが一体どれだけ大変なことなのか…。また、自分のパートを熱唱してくれたARMYにVは、「昨日よりもっと、明日より少なく、愛します」と素敵すぎる言葉を贈った。Vは本当に、綺麗な言葉を生む天才だ。ARMYにとってはおなじみの“ボラへ”も、Vが生み出した造語である。

「BTS<Yet To Come> in BUSAN」の模様を捉える『BTS Yet to Come in Cinemas』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
「BTS<Yet To Come> in BUSAN」の模様を捉える『BTS Yet to Come in Cinemas』 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

末っ子のJUNG KOOKはソウル公演終了後、ソロステージがうまくいかず涙を流す。そんなJUNG KOOKをヒョン(韓国語で「兄」の意味)たちが「上出来だったよ!」「泣かないで」と励ます姿が愛おしい。JUNG KOOKは誰よりも自分に厳しく、少しのミスも許せないタイプだとARMYはご存知だと思うが、本当にライブに全身全霊で挑んでいるのだなと、改めて尊敬せずにはいられない。ロンドン公演では足首を怪我してしまい踊ることができず、座った状態でライブに参加することに…。劇中でRMが「JUNG KOOKのメンタルが心配だ」と話していたが、これほどまでにライブに命を懸けている彼が、怪我で踊れなかったあの日々はどれだけ辛かっただろうか。ライブ中、踊っているメンバーたちに手を伸ばす姿が切なかった。しかしパリでの打ち上げではすっかり元気を取り戻し、もりもりと美味しそうに大好きなごはんを食べまくっていて微笑ましかった。

映画のラスト、RMが「僕たちは特別な経験をしているけど、大勢の若者がしている経験ができていない」というような話をする。BTSは紛れもなく世界的スーパースターだけど、それと同時に私たちと同じ人間であって、普通に悩み苦しみ、そして多くのことを犠牲にしながらもステージに立ってくれていたのだ。そんな彼らの努力や葛藤を知れば知るほど、ただただ、7人のこれからの人生が穏やかで幸せなものであってほしいと心から思う。それでもSUGAが「20年、30年経ってもステージに立つ」と宣言していたように、きっとこれからもBTSは、世界中のARMYのためにステージに立ち続けてくれるのだろう。私たちARMYはそんな7人を応援することしかできないが、せめて彼らが誇りに思えるようなファンであり続けたい。

新宿バルト9で実施された『BTS Yet to Come in Cinemas』ARMY BOMBライト連動応援上映会の模様 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.
新宿バルト9で実施された『BTS Yet to Come in Cinemas』ARMY BOMBライト連動応援上映会の模様 [c]BIGHIT MUSIC & HYBE. All Rights Reserved.

本作以外の『BREAK THE SILENCE:THE MOVIE』『BTS: Yet To Come in Cinemas』の2作品でも「声出しOK!ARMY BOMBライト連動応援上映会」が開催中だ。改めてドキュメンタリーを観てBTSメンバーに思いを馳せながら、全員が兵役から帰ってくる姿を心待ちにしたい。

文/紺野真利子

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