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「学校に行きたくない」不登校で悩み、葛藤したある親子の3年間。悩みぬいた先で見つけた結論とは

  • 2024.6.27

《インタビューの最後にマンガの試し読みができます!》4月は入園や入学のシーズン。新しい環境や人間関係でのスタートを切る方も多いのではないでしょうか。希望や期待に胸を膨らませると当時に、新しい生活に不安を感じたり、馴染めずに疲弊しやすい時期でもあると言えます。「もっちん(息子さん)が初めて登校を渋ったのは小1の5月、運動会の練習の頃でした」そう教えてくれたのは、Instagramを中心に不登校についての発信をしている今じんこさん。今現在、じんこさんの発信は子どもの不登校や行き渋りに悩む、多くの親御さんの共感を集めています。そんなじんこさんも息子さんが不登校になった当初は学校に行かせようと必死になったし、長い葛藤があったと言います。当時の話を伺いました。

はじまりは小1の5月

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「まだ小学校が始まったばかりで慣れない環境だし、最初はよくある行き渋りだと思っていました。当時は学校に行かせることしか頭になかったんです」 運動会の練習が嫌だと登校を拒否するようになったのは5月の頃。 毎朝、なんとか息子さんをなだめすかして校門まで手を引いていくと、そこには同じように涙を浮かべる子供たちの姿が。 「我が子だけじゃない、一時的なことだとその時はそう思いました。」

何気ない周囲の言葉がプレッシャーに

その後、周囲の声かけもあり運動会は半日だけ参加。「午後は無理」という息子さんの気持ちを尊重し、途中で帰宅したそう。 「運動会が終わってももっちんは『学校に行きたくない』と言い続けました。保育園の時には見たこともないような大声で泣くんです。」 周囲からの何気ない一言、 「行けそうなら行ってみる?」「とりあえず朝は学校に連れてきてみては」「きっといつかは自然と学校に行けるようになるよ」 こうした言葉がじわじわとプレッシャーに感じられ「先生も頑張ってくれてるんだから」という部分で学校に行かせなきゃ、と焦りがあったと言います。 「子どもの言いなりになっている甘い親、と周りから思われてるんじゃないかというのも気にしたりしてましたね。」

「学校に行けてすごい」の圧力

「完全に学校に行かなくなる2年生の冬頃までは、付き添い登校をしたりしながら、給食だけとか行けそうな時には学校に行くようにしていました。 自分が学校に行けたらお母さんが喜ぶから、困らせないから、頑張ろうとしていたんです。 2年生の春には休まずに学校に行けたりして。私も先生も「毎日学校に行けてすごいね。頑張ってるね」って声をかけてたんです。 その声に応えるように、もっちんは「頑張りたい」と言って学校に行ってました。」 行けたり行けなかったりに親子で一喜一憂する日々。この頃までは学校を休むのは、いつか自然に学校に行けるようになるための一時的な「応急処置」だったとじんこさんは振り返ります。 「学校に行けてすごいね、と褒めればもっちんは嬉しそうにさらに頑張ろうとしていました。でも、本人自身は学校に行くことを望んでいたわけではないんですよね。 「学校に行けてすごい」「頑張ってる」という言葉の裏には「学校に行けない子はすごくない」「頑張っていない」とメッセージを送っていたのと同然なのかもしれません。」 息子さんは次第に活気を失い表情に乏しくなっていきました。

荒れていく息子、自身も鬱に

学校に行けたり行けなかったりする中、じんこさんにも異変が起こります。 「付き添い登校で学校に行くと私の心臓がバクバクしてしまうんです」 以前はよく先生に言われていた「学校来てしまえば楽しそうにしていますよ」という言葉も聞かなくなっていたそう。 このままでは親子共倒れになると思ったじんこさんはメンタルクリニックを受診、軽度の鬱と診断されました。

居場所探し、戻れなくなる不安

しばらくは休もうと決めた二人。 学校に変わる「居場所」を探し始めました。しかしそれも難航します。 学校からは「長く休むと戻りにくくなるから」と給食だけなど、部分的にだけでも学校に来るよう勧められるものの、その言葉にも苦しみます。 このままでは行けなくなくなるかもしれない、という焦りやプレッシャーが二人を追い詰めました。

「学校へ行くこと」を手放した今

手を変え品を変え、何度も学校に行こう、行かせようとしていた二人は今、学校に行くことを完全に止めています。 「こんなにしてまで学校に行く意味ってなんだろう…と考えたんです。 以前は学校へ行くことを止めても課題くらいは…と思っていたんですが、それも止めました。 おうちで時間割を作って学校みたいにしていたこともありましたがそれも止めて。やりたいことを自由にさせています。 ただ《ホームスクールやホームエデュケーションとはこういうものですよ》というような具体的な発信は極力しないようにしています。それが「正解」に思われたら、またそこに「こうしなきゃいけない」が生まれてしまうからです」

不登校と戦った3年間を一冊の本に

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▲クリックするとAmazonページに飛べます。『学校に行かない君が教えてくれたこと~親子で不登校の鎧を脱ぐまで~』¥1210/オーバーラップ息子さんと今じんこさんが経験した不登校の3年間がこの4月に1冊の本となって出版されます。Amazonでは、予約の段階で本の総合売れ筋ランキング最高位4位、人気度ランキング最高位1位、いじめ・不登校ランキング1位獲得。発売前から大きな注目を集めた一冊となっています。きっかけは息子さんからの「かーちゃんは本出さないの?」という一言。かーちゃんの描きたいものを描けばいいと応援してくれる息子さんの言葉に背中を押されたそうです。「不登校に関する本は大きく分けて2つあります。一つは『学校に行かせるための本』と『学校に行かない道を書いた本」です。前者の本だと、親もがんじがらめになり、目の前の子どもの気持ちを見失う場合があります。多様な生き方の視野が広がるような、後者の本が増えていくといいなと思ってます。」じんこさんの描いたコミックエッセイもまた後者の本。でもそれだけではなく、そこに至るまでの親子の葛藤が鮮明に描かれています。著書の紹介の中でじんこさんは「なんで学校が合わないことくらいで、日本中の親子が泣いたり苦しんだり病気になったり自己否定したり自分らしさを殺したり命をおとしたりしてるんだろう?もうそういう時代は終わりにしない?⁡って気持ちで一心不乱に描きました。不登校がテーマのコミックエッセイということになりますが、私としてはある親子のひとつの生き方の本だと思っています。」と綴っています。

義務教育=学校に行くことではない

小中は義務教育、だから「親は子どもを学校に行かせる義務がある」そう聞いたことはありませんか?しかしこれは事実ではありません。義務教育とは「子どもが教育を受ける機会」を、保護者の怠慢などで損なわれないようにするためのもの。例えば、「家の手伝いをさせるために学校へ行かせない」「子どもを虐待して学校へ行かせない」などがこれに当てはまり、こうした場合において親には「保護者の就学義務不履行の処罰」として10万円以下の罰金を科すとしています。学校に行くのも、行かせるのも義務ではありません。不登校の子どもを無理やり学校に行かせる必要はないのです。せめてこの義務教育という言葉に苦しむ人が少しでも減ってくれたらと思います。

不登校もまた「型」にはめないで

不登校というと「こうであるべき」という思い込みが多いとじんこさんは指摘します。「例えば不登校になったら親が仕事を辞めて家で寄り添ってあげるべき」という思い込みが世間的に根強くて危機感を抱いています。不登校児の母親の半数以上が仕事をしています。子どもの状況によりやむを得ず退職や休職をする方も、働き方を変える人もいるし、状況が落ち着いてから職場復帰される方もいます。みなさんがそれぞれ、その立場になった時に状況を見て葛藤しながら覚悟を決めて選択しています。その選択を世間は責めないでほしいです。親御さんにも罪悪感を持ってほしくないです。」不登校に限らず、学び方においても多様性が認められつつある今、不登校の解決策は学校に行くことの一択ではないと思っている方も増えているはず。「私がこの本を出して目指しているのは、不登校という言葉や概念自体がなくなる世界です」お子さんの行き渋りや登園・登校拒否に悩む親御さんはもちろん、言語化が難しい子どもとのズレを感じてる全ての方にこの本を手に取ってもらいたいと思います。2人が経験した3年間の葛藤や思いには親と子が理解し合うヒントがたくさん詰まっています。・・・・・・・・・・・インタビュー:今じんこInstagram、ライブドアブログを中心にクスッとなる日常の一コマを発信長男もっちんの不登校について綴った投稿が共感を集めるフォロワー数5.5万人の人気インフルエンサー。著書「学校に行かない君が教えてくれたこと~親子で不登校の鎧を脱ぐまで~」オーバラップ(はちみつコミックエッセイ)2023年4月15日発売Instagram:@imagineko

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  • (amazon)『学校に行かない君が教えてくれたこと~親子で不登校の鎧を脱ぐまで~』9歳 5歳の男の子二児の母。Instagram(@ma.me.ne.ko)にて、体験談のマンガ化が反響を呼ぶ。フォロワー数10万人。マイノリティーの悩みから子育て、社会問題に至るまで幅広いテーマを描く。FRaU、ダ・ヴィンチweb、ベビーカレンダー等のオンラインメディアにて不定期連載。Yahooクリエイター、napbiz公式ブロガーとしても活動中。ブログ:まめねこノート
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