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暑さに慣れきっていない梅雨時期も要注意! 「熱中症」を医師が解説

  • 2024.6.27
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熱中症

働く女性が気になる症状や疾患について解説。今回は、これから夏にかけてさらに注意が必要な「熱中症」をひも解きます。

出典:シティリビングWeb

教えてくれたのは…泉澤里帆さん

日本気象協会「熱中症ゼロへ」リーダー。2017年に一般財団法人日本気象協会に入社し、メディア・コンシューマ事業部にて「熱中症ゼロへ」プロジェクトのリーダーを担当。熱中症予防指導員

Q.熱中症の原因は?

気温や湿度などの「環境」、体調不良や脱水状態などの「体」、水分補給や屋外作業などの「行動」が絡み合います。高温多湿の環境で体がうまく熱を逃がせず、体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。体の機能が正常に働かなくなり、めまい、顔のほてり、体のだるさや吐き気、汗のかき方がおかしい、けいれんなどの症状が現れます。熱中症になりにくくするためには、暑熱順化(しょねつじゅんか)がポイントです。

Q.暑熱順化って何ですか?

体が暑さに慣れることを指します。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れ、暑さに強くなります。体温が上昇しにくくなるポイントの一つは発汗。発汗量が増えることで体内の熱を外に放出しやすくなります。暑熱順化は数日から2週間かかることが多く、気温が上がる前から適度な運動やストレッチ、入浴でじんわり汗をかく習慣をつけておくことが大切です。

Q.熱中症になったときの対処は

自分が熱中症になった場合、まずは涼しい場所に移動し、衣服を緩めて体を冷やします。水分と塩分を少しずつこまめに補給しましょう。他人が熱中症になった場合も同様に、涼しい場所へ移動させ、体を冷やしながら水分を補給させます。意識がないなど重症の場合は、すぐに医療機関へ連絡を。応急処置として、水や冷たいタオル、うちわやハンディファンなどで、大きな血管が通る首、脇、太ももの付け根などを冷やすことも効果的です。

Q.なりやすい人の特徴は?

水分補給が不十分な人や、暑さに慣れていない人はリスクが高まります。高齢者や小さな子ども、日ごろから運動不足の人も注意が必要です。また、キッチンによく立つ人は要注意。この時季はレンジや炊飯器などでできるメニューにするなど、火のそばにいる時間をなるべく少なくするようにしましょう。

Q.日頃からできる対策は

こまめな水分補給を心がけましょう。喉が渇く前に水を飲むことが大切です。塩分補給も忘れずに。睡眠環境を整えることも重要です。就寝中にも熱中症の危険があるため、寝具やエアコンを見直してみましょう。暑くなる前から適度な運動で汗をかく習慣をつけ、暑さに負けない体づくりを進めておくこともポイント。さらに、適切な衣服の選択やエアコンの使用で、常に快適な環境を維持することも有効です。

2024年の夏も暑くなることが予想されています。「これくらいなら自分は大丈夫」と思い込むのは危険。屋外はもちろん、室内でも熱中症のリスクが高まります。こまめな水分補給や涼しい服装、エアコンの適切な使用などを心がけ、熱中症にならないよう備えましょう。

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