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【篠原ともえ連載Vol.24】ニューヨークADC賞受賞!間伐材でバッグをつくる。

  • 2024.6.27

八王子芸術祭に出品した高尾の間伐材で作ったバッグ「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」が国際的な広告賞である第103回ニューヨークADC賞「The ADC Annual Awards」にてMeritを受賞しました。 

この作品は森を豊かに育むため定期的に実施され生み出される間伐材を活用し、高尾の杉を手すき和紙の製法で紙へと再生。それら一つ一つを手作業で縫製し、トラッシュバッグを完成させ高尾山山頂で無料配布した作品です。

八王子市のデザイン科のある高校へ通っていた私に、2023年初開催された「八王子芸術祭 Journey-自然に潜む美しさを探る旅」へ参加の声がかかり、この地域から感受したインスピレーションを元に、今の私だからこそ提案できるプロジェクトを、STUDEOデザインチームと共に一生懸命考案しました。

健やかな緑を保つために定期的に実施される間伐。しかし処理に手間がかかるなどの理由から、森にそのまま放置されることも少なくないことを知り「貴重な木々を再生させ還元する」という考えを元に、地域の林業の方々にご協力いただき間伐された高尾の杉を入手するところから制作がスタートしました。

手すき和紙の製法で紙へと再生させ、パターンは余りが出ないよう四角いトラッシュバッグ型にデザインしています。開催した高尾山は、地域団体の呼びかけでゴミ箱撤去を最初にはじめた山ということもあり、美しい景観を守り続ける献身的な地元の方々の活動に敬意を込め「クリーンな登山が、美しい高尾山を守る」というメッセージを印刷しました。

バッグには英表記のタグも縫い付け、世界中から年間およそ250万人の登山者が訪れる高尾山で、長きにわたり課題となっているゴミの持ち帰りの啓蒙を「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」で呼びかけました。ものづくりにおいてSDGsが謳われる昨今、日本の林業と工芸をつなげるきっかけになればと挑戦したアートプロジェクトです。

主催である公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団からは、この度の受賞を受けとても温かいメッセージもいただきました。「メッセージを乗せた『持ち帰れるアートピース』という発想は、篠原さんならではの自由で愉しい、優しいお人柄そのもの。沢山の人が共感を寄せ、高尾山に登ってくれたのも嬉しい反響でした。高尾の「お山」「自然」を大切に守って来られた地元の方々の思いに寄り添い、向き合い、共に考えてくださった結果です。この度、世界への発信力でグローバルとローカルを繋ぐ素敵な形に結実しましたこと、心より御礼とお慶びを申し上げます。」

作品制作の実現にあたっては、八王子市の地元林業の方にも多大なご賛同とご協力をいただきました。ものを形にするだけでなく、こうしたかけがえのない伝統の橋渡しをすることも、私達デザイナーの責務だと改めて感じたプロジェクトでした。今後もデザインやアートの力を信じ、世界へさまざまな魅力をお届けできるようこれからも精進していきます。

篠原ともえ「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」

The ADC 103rd Annual Awards(第103回ニューヨークADC賞)

「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」

Promotional Apparel部門 Merit入賞

https://www.oneclub.org/awards/adcawards/-award/50968/clean-hikes-green-peaks-bag

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