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「私は育児に不向きな人間」と思っていた…「わらってるママがかわいいよ」6歳の誕生日を迎えた息子・こうちゃんの言葉で大切なことに気づいた日【室谷香菜子のいっくじ日記#5】

  • 2024.6.26
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HBCアナウンサーの室谷香菜子(むろや・かなこ)が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、小学校入学までの1年間を”一句”(育)児日記につづります!

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

6月、息子・こうちゃんが6歳のお誕生日を迎えました!

「もう6歳か・・」

初めて鳴らすクラッカーに大興奮する姿を眺めながら、大きくなったなぁとしみじみ。

先日こんな出来事がありました。

私がテレビでドキュメンタリーコーナーを見ていたときのこと。
こうちゃんは隣でお絵描きをしていました。

Sitakke

何気なく見ていたそのドキュメンタリーの内容は子育てに関するもので、終盤、私は出演されていたお母さんの言葉ひとつひとつに胸を打たれ、気が付くとボロボロと大粒の涙を流していました。

何も知らずお絵描き中だったこうちゃんは、ふと顔をあげて、私が涙を流しているのに気が付きびっくり。
漫画のような二度見をしていました。

なんて言ってくるかな?

なんとも言えない空気が数秒流れたのちに…

なんと…

見なかったフリをしました…!

え~~~~!!!!ちょっと悲しいな…。

そう思いながらも一度出始めた涙はなかなか止まらず、相変わらず泣いている私。

すると、こうちゃんは、「ママ、泣いてるね。大丈夫?悲しいの?よしよし…」そう声をかけてくれました。

見なかったフリをしたのではなく、なんて声をかけようか戸惑っていたのかな?
息子の優しい心と、思慮深さが育まれていて良かった、と安堵しました。

「立場逆転」。

この6年間、慰める役割はいつも私の方だったのに・・・

Sitakke
壮絶だったイヤイヤ期もありました…

6歳になったこうちゃん。
息子の誕生日は、私の母親としての節目でもあります。

「母7年目に突入!」

あの頃の私に教えてあげたいです。
大丈夫。今、その子はあなたの生きる希望になっているよ、と。

眠れない…家に帰ったらうまくいくと思ったけど

Sitakke

6年前の今くらいの時期、私はしめ切った部屋の中でただただオロオロしながら泣いていました。

「出産直後はアドレナリンが大量に出て、朝まで眠れなかったよ!」という話は友人から聞いていましたが、翌日朝になっても昼になっても眠れないのです。
24時間以上起きているのに…

病室の中で何度も我が子の呼吸を確認して、おむつが濡れていないか確認して、「よし、眠っている今のうちに私も仮眠しよう!」と思ってもまったく眠れない。

体は疲れ切っているのに、頭には次々と色々な不安が浮かんできて眠りにつけないのです。

ふにゃふにゃ泣く我が子を抱っこしても全く泣き止まないし、授乳もうまく出来ず、「授乳の仕方」が載っているタブレットをチラチラ見ながら抱き方を変えてみても思うようにいかない。

極度の睡眠不足で意識が朦朧として、自分が今起きているのか、夢の中にいるのはわからないような状態で退院。
青森の実家でこうちゃんとの生活が始まりました。

「家に帰ったらきっと子育てはうまくいくはず」

でも、私の場合はそう簡単には進みませんでした。

Sitakke

実家の居間は以前とは全く違う光景で、子ども用の布団に、おむつやおしりふき、おくるみ、肌着などが並んで「さあ!準備はOK!!赤ちゃんを待ってました!」という空間。

これは出産前、”プレママのための雑誌“を読んで、大きなお腹で私自身がワクワクしながら買ってきた物たち。

たった1週間前まで過ごしていた部屋に着いて、めまいがしました。

“産後の女性ホルモンの分泌量は急激に変化するため、それに伴って様々な体調の変化が起こります”

私が産前読んでいた雑誌にもきっと書いていたであろうこと、まさか自分の身にこんなにも激しく現れるとは夢にも思っていませんでした。

だから、きっと書いていたことについての、その備えはまったくしていませんでした。

家族のちょっとした一言に過度にイライラしたり、傷ついたり、急に悲しくなって涙が止まらなくなったり…。

ふにゃふにゃ泣いているこうちゃんを見ていると、責められているような気持ちになってまた涙が止まらなくなる。

それでも「私は母親になったのだから」「一人で何でもできるようにならないと」とムキになって、気が付くと笑顔を失っていました。

「一時的な産後うつ症状」と言われ…「やっぱりな」

Sitakke

産婦人科から紹介されたメンタルクリニックで医師に言われたのは「女性ホルモンの影響による一時的な産後うつ症状です」という言葉。

「あ~、やっぱりな」と思ったのを覚えています。

自分でも、今の自分は普通の状態ではないと感じていたので、納得しました。

病院を出ると真夏のような日差しが照り付けていて、まぶしくてクラクラして…。
漠然と「このまま消えてしまいたいな」と思いました。

それでも、「早く帰らないと、お世話しないと」と歩き始めると、私の目に飛び込んできたのは、若いお母さん。

私よりもずっと若そうなそのお母さんは、2人の子どもを連れて歩いていました。

「どうして私にはうまくできないんだろう。私は母親業を全うできていない」

「私は育児に不向きな人間」

こんなにも自分の無力さを痛感したのは初めてで、それまでの自分が小さく小さくなって、消えてしまいそうと感じていました。

秋になって札幌の自宅に戻ったころには、心身の状態はかなり良くなっていました。

それでもやっぱり「私は育児が苦手」という思いはぬぐえないまま、悪戦苦闘する日々。

そんな中で、自宅訪問してくれた保健師さんに言われたことがあります。

助けてもらって、一緒に育ててきた

Sitakke

「もっと楽に育児した方がいい。子どもは一人で育てるものじゃない。この子は“社会の子”。周りをもっと頼ってね」

「ほら、この子も“お母さん泣かないで”って言っているよ」

自宅訪問で来てくれた保健師さんは、そういってテーブルに乗りきらないほどたくさんの子育て支援などのパンフレットを置いていってくれました。

育休が明けて仕事をしながら子育てをする中で、その言葉を思い出しながら、これまで本当にたくさんの人やサービスに助けてもらいながらやってきました。

そんなときいつも、「すみません」と言うのではなく、 「ありがとうございます、助かりました」 と伝えることにしています。

子育て環境は家庭ごとにバラバラ、子どもの成育のスピードももちろんバラバラ。
本当に色々なケースがあると思います。

その産まれてきた子どもの命を守ろうと親は必死になり、幸せで豊かに育ってほしいと頑張ります。

でも、それと同時に、親も幸せであるために、時に守ってもらってもいいと思うのです。

Sitakke

そんな環境がもっと広がっていって、今よりもっと楽に育児ができるような世界になったらいいなと、感じています。

Sitakke

ちなみに、先日のお絵描き中、こうちゃんが「ほら!ママ!」と似顔絵を書いてくれました。

「ママ、笑っているね」と言うと「うん、にっこりわらってるママがかわいいよ!」と。

たまに泣いたり、鬼の形相にもなりますが(笑)、それもひっくるめてすべて私。

助けてもらうたくさんの人に、たくさんの「ありがとう」を伝えながら、「にっこりわらってる」幸せな私の姿をこうちゃんにもみてもらえればと思います。

こうちゃんの母7年目も、濃い毎日になりそうです!

ここで一句!

「ママの顔 にっこり笑うと かわいいよ」

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

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文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

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