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子どもが生まれても何も変わらない夫やワンオペ育児の悩み… 父親になれない夫に絶望

  • 2024.6.26
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子どもが生まれても父親になれない男性もいる。妊娠中に自覚が芽生えなかっただけでなく、いつまでも自分優先で妻や子どもを蔑ろにする人もいるのだ。『今日から別居します 産んだら夫を嫌いになりました』(おかめ/KADOKAWA)では、そんな父親になれない夫に絶望するリアルな妻の姿が描かれている。育児中の女性はもちろん、子を持つ男性にもマネしてはいけない夫の言動を描いた教科書としておすすめしたい作品だ。

主人公のさくらは夫のたくやと愛し合って結婚し、長男のゆうとが生まれて幸せの絶頂にいた。しかし、昔気質の会社に勤める夫は子どもが生まれても飲み会を減らすことはなく、ワンオペの家事と育児でさくらは限界を迎えてしまう。頑張って保育園に入れようと保活をするも全て落ちてしまい、ずっとひとりで育児している孤独感に襲われていた。

そんな辛さを素直に夫に伝え、育児を手伝ってくれるように訴えるも「俺がいてもあんまり変わらなくない?」と流されてしまう。SOSを伝えているのに最も近くにいる夫に助けてもらえない絶望は、想像を絶する辛さだろう。

育児に協力してくれないばかりか、勝手に人を家に上げて飲み会の2次会を開く夫。それだけには留まらず、飲みすぎて朝帰りまでするようになっていく。

自分勝手な言動はますます加速していく。残業だと嘘を吐いてキャバクラ通いにパチンコ、飲み会とお金を使い込み、借金まで作ってくる夫。「節約しろといわれたくない」「キャバ嬢との連絡を浮気だと騒がれたくない」「仕事のストレスもある」から好きに発散していたというのだ。

どれだけ自分勝手で父親の自覚がなくても残業をがんばってくれていると信じていたのに、信用も信頼も全てぶち壊してしまった。こんな夫との離婚を考えるのは当然のことだろう。だが、子どものいる家庭での離婚は決して簡単なことではない。さくらはひとりで子どもを育てていく未来を想像するも、「父親と引き離すことなんてできない」と子どものために我慢することを選ぶ。

しかし、どんな人間にも我慢の限界はある。お金を使い込んだことで、もう飲み会には行かないと約束したはずなのに、夫は上司に誘われたからと平気で飲み会に行ってしまった。帰って来た夫は反省していないどころか、自分ばかり我慢する生活はもう嫌だというのだ。お小遣いを減らされ、自由に飲み会に行けない生活は限界だと主張する夫。そんな夫に心から絶望したさくらは、ついに「私たち別居しよう」と伝え、夫との別居生活に突入する。

さくらにとって夫との別居生活はとても快適だった。夜中にうるさく帰ってきて起こされることもないし、子どもが寝た後は好きなことをして過ごせる。そんな生活を楽しむ一方で、毎日の預け先がなく仕事を休職せざるを得ない現実により、ひとりで子どもを育てる大変さにも直面していた。夫と離婚したいと思っている人なら、さくらの葛藤をまるで自分のことのように感じるだろう。こんなに苦しんできたのに、感情だけでは離婚を選べない現実の難しさを実感させられる。

そして、離婚してシングルマザーになった人の話を聞いたことで、さくらはこのまま別居を続けるべきなのかどうかを考えはじめ——。

本作は、とにかくリアルな家庭の悩みが描かれていることが魅力の作品だ。さくらと同じ立場の女性にとって、共感できるシーンがたくさんあるだろう。また、「こうなってはいけない」という反面教師のような夫の姿が描かれているので、ぜひ子どもを持つ男性にも読んでほしい作品だ。

一度は別居を選んださくらは、子どものために自分のためにこれからどんな選択をするのだろうか。さくらが幸せになることを祈りながら、さまざまな葛藤の末に選んだ結末を見届けてもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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