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ショーン・ペン、ポリティカル・コレクトネスに警鐘「今ならハーヴェイ・ミルクを演じることはできない」

  • 2024.6.26
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『ミルク』(2008)より。
MILK - Sean Penn, 2008. 『ミルク』(2008)より。

2度もアカデミー賞主演男優賞に輝いたショーン・ペンが、行き過ぎたポリティカル・コレクトネスに警鐘を鳴らした。2008年に公開されたガス・ヴァン・サント監督作『ミルク』で、ゲイを公表している活動家で政治家のハーヴェイ・ミルクを演じ、高い評価を得た彼だが、撮影現場で良い時間を過ごしたのはそれが最後だったという。

「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューで、「以来、悲惨な15年を過ごした」とショーンは語る。ストレートの俳優がクイアの役柄を演じることをめぐり、あまりにも熱く議論されている今のハリウッドだったら主演することはできなかっただろうと指摘する。「今だったら不可能だ」「過剰反応により弊害が出ている。人間の想像力を軽んじる、芸術性に欠けた方針だ」

悲惨な15年を過ごす中で彼は、主演俳優、ギャラの良い有名俳優とは、映画でリーダーのポジションにあり、エネルギーを漲らせて現場入りし、ある意味で監督のボディガードの役割を果たすものだと感じるようになったそうだ。「そのように自分を偽ってきたけれど、疲れ果ててしまった。『何時だ? 帰れるのはいつだ?』とばかり考えるようになった……もう十分だと理解していても、ほかに自由に旅をするような生活を維持する方法がわからなかった」と振り返る。

この後、クリスティー・ホール監督・脚本の『Daddio(原題)』が公開されるショーンだが、友人でもあるダコタ・ジョンソンから同作の脚本を渡されたとき、久しぶりに気持ちが高揚したそうだ。「喜びに満ちた体験になるかもしれないと感じた。今の俺には、もしかしたらこれまで以上にこれが大切だった」

ショーンとダコタが2人芝居を見せる本作では、JFK空港からニューヨーク市内に向かう狭いタクシーの車内を舞台に、若い女性と哲学者であるNY・へルズキッチン出身の運転手の交流が描かれる。『Daddio(原題)』は6月28日からアメリカで劇場公開される。

Text: Tae Terai

Photo_ Samir Hussein/WireImage
Photo_ Focus Features /Everett Collection/amanaimages
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