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※web限定カット【高畑充希】「楽しそうなことへの嗅覚や行動力に突き動かされてきたが、最近はその上で『こだわりを持つこと』を大切に」

  • 2024.6.26

6月14日に配信スタートしたドラマ「1122 いいふうふ」が話題の高畑充希さん。InRedのカバー初登場で語ってくれた仕事やプライベートについての考え方をお送りします

自分のペースを守りながら今、生活することが楽しい

現在、32歳。持ち前の凛としながらもユニークな人柄に、たおやかな色合いが垣間見えた。それは現在の高畑さんの心のありようを映しているようでもある。

「つきものみたいなものが落ちたんですよね。20代はガツガツと仕事をしていたけれど、30代を迎えてから緩急はありながらも、以前よりは緩やかに自分らしいペースで取り組めるようになりました。休みなく働くことが心や体に刷り込まれているせいか、特に予定も入れず、ゴハンを作って食べて、好きなタイミングでやりたいことをやって、たっぷり睡眠をとる……という普通の生活をしていると、こんなにのんびりしていていいのかな?と不安がよぎるときもあります。『激流のエンタメ業界でちゃんと生きていけるかしら?』『ま、なるようになるか!』とせめぎ合いつつも、30代にしてやっと“生活すること”を丸ごと楽しんでいます。日々新たな発見が多くて、すごく新鮮です。自分のペースを保っていくことも大切なことなので。自分の体に対しても、以前なら役にフィットできる状態ならそれでよかったけれど、年相応に肌も体も曲がり角を実感。マシンピラティスに通うようになりました。私にはおしゃれすぎて気恥ずかしさがあったけれど、体や筋肉の仕組みを理解しながらのトレーニングは面白いし、ストレッチも兼ねているので縮こまった体がスッキリするのも気持ちいい。少しでも興味がわいたらすぐ挑戦してみるタイプなので、ピラティスもすごく軽い気持ちで挑戦しましたが、面白くて思いがけず長続きしています。合わなければすぐやめちゃうんですけど(笑)、まだまだ下手っぴですが楽しんで取り組めています」

思い立ったら即行動の人とのことで、長めのオフがあるとパッと海外にも出かける。

「去年は母のリクエストでスペインを回って、今年の年明けでいえば、ぽかっとスケジュールが空いていたのでフィリピンに語学留学をしてきました。ただ、あまりにも授業と課題でスケジュールがびっしりで、観光を楽しむとか友達をつくる余裕もなくて、しんどかったです(笑)。行くと決めたらすぐさま自分で全部手配するので、名前を名乗るとびっくりされることもあります。今年も今取り組んでいる作品の撮影が終わったらまたどこかに行きたいなと思っています」

選択肢の多い世の中だからこそ、先を見据えながら生きていく

楽しそうなことへの嗅覚や行動力に突き動かされてきたが、ここ最近は、その上で「こだわりを持つこと」にフォーカスする。

「こんな仕事をしたい、こんな役を演じてみたいというような意志はあっても、自分自身のイメージに対してはわりと無頓着だったんですね。役者としてどうありたいか?をあまり考えてこなかったというか。面白そうだから全力で取り組んで、いい作品をつくる。それが終わればまた次の作品へ向かっていく。結果的にはすべて地続きであっても、私の中では“点”と“点”だった。けれど、現状をみるとコンテンツが多岐に渡っていて、ドラマや映画は特に顕著。選択肢が多い分、ここらで一度自分がどうなりたいかを考えて、先を見据えながら選択していきたいって。性格的に面白そうなことに飛びつきがちなので、衝動だけで動かないというのが課題です。私の性格に向いているのは多分ポップでコメディなエンタメ作品なのですが、向いているものだけじゃなくて、苦手意識のある役を自分に課していきたいと思ってるんです。この数年、ありがたいことに内面を丁寧に描くような重厚な作品に声をかけていただく機会も増えているので、その世界に馴染めるような本質のある役者になりたい。憧れと怖さを抱えながら人間ドラマに取り組んでいます。出自がミュージカルという不思議なルートをたどってきているからこそ、お芝居でも全く違ったジャンルに飛び込むことで、まだまだだなと思い知らされる。それさえも楽しみながら」

すり減ったり、満たされたりを繰り返しながら着実に。そんな高畑さんの日々に、癒やしをもたらす相棒がいるそう。

「ある日、飲み屋さんで常連のおじさんと話していたら、愛媛から猫を引き取ったそうで兄弟猫の引き取り先を探してるとのこと。ずっと猫を飼いたいと思い続けていたので、『あれ? もしかして今じゃない?』と手を挙げました。縁があって我が家に来てくれたんですが、本当に可愛いコで性格もおもろいんですよ。あのコと出逢えたことは本当に運がよかった。家に帰ると、『ゴハンをくれ!』とにゃーにゃー騒ぐ小さな生命体がいるので、どれだけ撮影で混沌とした気持ちになろうが瞬時に心がほどけるし、すごく救われています」

MODEL:高畑充希 PHOTOGRAPH:野田若葉(TRON) STYLING:菅沼 愛(TRON) HAIR & MAKE-UP:PAKU☆CHANINTERVIEW&TEXT:長嶺葉月

※InRed2024年7月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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