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デザインが可愛いだけじゃない!ストイックすぎるエシカルさの「VEJA」【今月のウェルビーブランド】

  • 2024.6.26

編集室長・水澤が毎月気になるウェルビーブランドに注目して、その成り立ちや背景、理念までリサーチする連載。今回は素材から流通はもちろん、会社のガバナンスまでストイックに取り組んでいることで知られるブランド「VEJA」のPR細川さんにインタビュー。

今月のウェルビーブランドは…「VEJA」

デザインから取り組みまでフェアなマインド香る一足に
上から、ウルグアイの100%認定有機農場からのO.T(Organic Traced)レザーを使用。「V-90」¥29,700ブラジル南部の農場由来のレザーは、クロムや重金属、危険な酸を一切使用しないなめし加工を施し、水の使用量を約40%、塩の使用量80を%削減可能に。「CAMPO」¥27,500クロムフリーの革となめし牛革が使われ柔らかく軽量です。「V-10」¥29,700(すべてシードコーポレーション)

【VEJA】
2004年に創業して以来、社会事業・経済的公正性・エコロジカルな課題に取り組みながら独自にスニーカーを開発。キャンバスや靴紐はブラジルやペルー産のオーガニックコットン、ソールはアマゾンの天然ゴム、さらに再生ポリエステルなど革新的な原材料を使用。広告活動をしないブランディングも注目。

「VEJA」のPR細川さんにインタビュー

水澤:この連載でフェアトレードについて伺う機会が今までありませんでした。なんとなくは理解しているつもりですが、VEJAではどんな取り組みを行っていますか?
細川:フェアトレードはVEJAにとってブランドのベースとなる取り組みのひとつ。2003年に当時ファイナンス企業に勤めていた創業者が、仕事で各国を飛び回る中で、中国で目の当たりにした労働環境の悪さに驚き、うまくそれを整えてお金を循環させるシステムを作りたいというのがVEJA創業のきっかけです。フェアトレードとは生産者と直接やり取りし、中間業者を排除することにより、お互いの利益率をフェアにすることです。そこでブラジルの食品を扱う企業をモデルにしながら、フェアトレードによる公平な取引をなんとかスニーカー作りにも応用できないかと考えました。そしてVEJAで扱うコットンとラバーはブラジルとペルーの生産者から直接購入することに。さらにブランドと生産者とで市場で販売する上代価格を相談して決めていて、それについての契約書も交わしています。
水澤:生産地にブラジルを選んだのは何か理由があるんですか?
細川:ブラジルは資源が豊富な国であり、スニーカーを製造する全ての原材料が手に入るうえ、さらに製造もできること。そしてなにより創業者がブラジルという国と人々のことが大好きであることが理由です。
水澤:最近はCO2削減についても力を入れているのだとか…?
細川:製造元のブラジルからスニーカーを送る際、空輸より船便を多く使うようになりました。2019年にVEJAのブランド運営にどのくらいの量のCO2を排出しているか、正確な数字を出したことがきっかけの一つです。ほとんどの企業はCO2排出に関して漠然とした知識しかなく、かつ具体的に数値化していないのが現状です。レザーを使うことから、パリのオフィス、スタッフの出張、倉庫、そしてスニーカーの輸出により1年間に排出されるCO2までを計算して、流通網の中で多くの排出を占めていた空輸を減らしたんです。現在はさらにレザーを使うことによって排出されるCO2の数字を正確に認識し、レザーの原材料について改良の余地がないか、研究しているところです。
水澤:今後の目標について教えてください。
細川:VEJAのブランド理念に共感してくれる定番から気鋭まで様々なブランドとのコラボレーションを今後も予定しています。またVEJAは広告費がゼロだったり、投資家も入れてない珍しいブランドです。原材料と製造ラインに力を入れてきており、それが日本の消費者の方々にも支持されてきているのだと考えています。あまり先のことは考えすぎないようにしていますが、現在様々な新しいプロジェクトの提案が上がっていて、丁寧に検討して進めていきますので、楽しみにしていてください。

【VEJA】エシカル商品の特徴

森林そのものから生産者、経済的価値まで考慮した取引
VEJAのスニーカーの主な原材料がアマゾンの野生ゴム。2004年以来、2600トン以上のゴムを市場価格の5倍で買い取り経済価値も高めています。生産者との契約内容を公開する徹底ぶり。

CO2排出量削減のために航空貨物を減らし貨物船を優先
2019年度のVEJAの全輸送の19%を占める空輸が、流通網のCO2総排出量の95%を占めていることが判明。そこで航空貨物を減らし、なるべく貨物船を優先するように改善されました。

阪急うめだ本店「GREEN AGE」の店舗は、什器までサステナブル
日本初出店として注目されミニマル&クリーンな内装が印象的だったこちらの店舗。木製の什器は元々別の場所で使用していたものを塗り直すなど、リサイクル品で作られています。

撮影/五十嵐 洋 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc

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