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【Chloé】ブランドの革新性をデザインと機能で体現する【今月のウェルビーブランド】

  • 2024.6.26

編集室長・水澤が毎月気になるウェルビーブランドをピックアップして、その成り立ちや背景、理念までリサーチする連載。今月はラグジュアリーブランドとして、いち早くサステナブルな取り組みを開始したクロエのコミュニケーションディレクター・桂さんにインタビュー。

今月のウェルビーブランドは…「Chloé」

ブランドの革新性をデザインと機能で体現する「Nama」
従来品のスニーカーに比べ水の使用量を80%、温室効果ガスの排出量を35%削減。スニーカー¥111,100サンダル¥106,700(クロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)

【Chloé】
1952年パリに創業し、プレタポルテ(既製服)市場の草分け的存在に。創業時から一貫して「女性の支援」をブランド理念として、様々な活動を支援している。昨年登場した「Nama」シリーズが話題に。さらにこの春は業界ではじめて「インスタントリセール」により、完全な循環を生み出す「バーティカル・プロジェクト」を発表

Chloé(クロエ)桂さんにインタビュー

水澤:ヨーロッパのブランドはSDGsへの取り組みが日本よりも早いイメージがありますが、クロエはいつ頃からサステナブルに取り組んでいるんですか?
桂:クロエは創業70周年を迎えましたが、当初から創立者ギャビー・アギョンのポリシーで女性の支援や地位向上への貢献を続けてきました。現在もユニセフとパートナーシップを組んだり、各国のNGOや団体に売り上げの一部を寄付する活動も行っています。
水澤:自分の購買行動が社会貢献に繋がるのはいいですね。さらにB Corp認証が話題ですが、取得が非常に難しいんだとか…。
桂:クロエはラグジュアリーメゾンとして初の認証を受けました。ガバナンス、労働者、コミュニティ、環境への影響などに関する300以上の質問があり、認証基準が高いのですが、世界中のチームで取り組んだ結果です。
水澤:環境に配慮したスニーカーを発表しましたが、詳しく教えていただけますか?
桂:この「Nama」スニーカーは全素材が地球環境に低負荷であり、40%がリサイクル素材。クロエらしいカラーリングが楽しめるデザインに仕上がっています。
水澤:展示会ではタグをスマホで読み込むという画期的なシステムにも驚きました!
桂:「バーティカル・プロジェクト」は、タグに埋め込まれたQRコードから専用ページで、原料の生産地から製造工程、原料の生産地からサプライヤー情報までアクセスできますから、ブランド側も嘘がつけません。
水澤:一つの製品にこんなにも多くの国や生産者が関わっているなんて驚きました。さらにこのID情報が本物の証明にもなるので、リセール問題にも一石を投じますね。
桂:ラグジュアリーブランドが今まで踏み入れなかった中古品やリセールの領域にあえて向き合うことで、クロエの魅力を深めていただけると確信しています。着なくなったら捨てるのではなく、次の方へ譲る…そうやって商品のライフスパンを伸ばしつつ、循環できるシステムを整えています。また新デザイナーのガブリエラ・ハーストのポリシーもあり、クロエが実施するイベントでは、切り花も使いませんしステージの装飾や椅子も廃棄せずに各国のショールームで再利用されます。
水澤:そういった活動の積み重ねがブランドのイメージに繋がりますね。商品を所有することで“ポリシーのある女性”に自分も加われる…そんな特別感もこれからはブランドを選ぶ理由になっていきそうですね。

【Chloé】エシカル商品の特徴

デジタルID導入で製品の素材や製造工程までを可視化できる
’23年春夏のコレクションとともに発表された「クロエ・バーティカル・プロジェクト」は、商品タグのQRコードをスキャンすることで製造工程が追跡可能に。直接再販のための所有権証明書やリペア情報へのアクセスもできて製品の透明性・説明責任・循環性を意識した購買を促しながら、循環型モデルの構築と製品のライフスパンの拡大を実現します。’25年までに全製品に導入予定だそう。

撮影/五十嵐 洋 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc

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