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「レオさま、おめでとう!」と素直に言えなくて......第88回アカデミー賞授賞式を観て。【前編】

  • 2016.3.3
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ⒸGettyImages

2016年2月28日(日本時間29日)に行われた、第88回アカデミー賞授賞式。

現地からレポート! と見栄を張りたいところですが都内にあるWOWWOW本社のラウンジにて、ライブビューイングを鑑賞。
注目されるメインの賞だけではなく、アカデミー賞というエンタメで感じたことを、編集KIMが個人的にレポートします。

東京のWOWWOWのスタジオでは、フィガロジャポン2015年9月号でも感嘆するほどの映画愛を見せてくれた俳優の斎藤 工、『モテキ』などでヒットを飛ばす映画監督・大根 仁、アメリカ在住映画評論家の町山智浩がナビゲーターとして登場。各人のコメントも、アカデミー賞授賞式を愉しませてくれるティップです。


目に豊かな時間――レッドカーペット。

まずは、授賞式スタート前のレッドカーペットでの女優のドレス披露。やはり主演・助演にノミネートされた女優は、ドレス姿も素晴らしい。特に今回は、若手や脂ののった40代など美しい女優たちが賞レースの中心にいるとあって、その点からも注目度大。大根監督も女優ファッションチェックをしていました!

ⒸLOUIS VUITTON助演女優賞を獲得したアリシア・ヴィキャンデル。フィガロの2016年3月号113ページでも、今年を賑わせる話題の女優として紹介した彼女。2015年は『コードネーム U.N.C.L.E.』公開で日本の観客にも印象づけたはず。今回の受賞は『リリーのすべて』の主人公の妻役。着用したのはルイ・ヴィトンの特注ドレス。イエローのシルクタフタにシルバーと透明のビーズ、ミラーとクリスタルが施された1着。同じく特注のシルバーのサンダル。最近、ジュエリー界でも注目のヴィトン、ファインジュエリーのイヤリングとリングで、全身ルイ・ヴィトン!

© Getty Image主演女優賞は個人的な予想がばっちりあたったブリー・ラーソン。映画『ルーム』での受賞。彼女も2016年3月号112ページにてライジング女優として紹介していました。グッチがオリジナルでデザインしたシルクオーガンジーのイブニングドレス。胸元に透けたレース、スカート部分のプリーツとラッフルで艶やかなブルー1色でシンプリシティを漂わせながら、ビジューを刺しゅうしたベルトをきりりと締め、足元にオープントウのプラットフォームハイヒールを履くというモダンな着こなし。そうありながら、ヘアスタイルが少女らしさも漂わせていて、すごく巧みな着こなしでした。ちなみにグッチは、現在モード界でいまもっとも注目されるブランド。デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレも授賞式に出席していた模様。

ⒸGIORGIO ARMANI

主演でノミネートされていた他の女優で美しいドレス姿を披露したのは、『キャロル』(現在公開中)のケイト・ブランシェットのアクアブルーと3Dフラワーの装飾が素晴らしいアルマーニ プリヴェ。同じくアルマーニ プリヴェを纏ったのは、『さざなみ』(フィガロ2016年6月号にて紹介予定)のシャーロット・ランプリング。知性派の大人の女性には、アルマーニ プリヴェ、というのが赤絨毯のスタンダードになりそう。ちなみにアルマーニ プリヴェは、ジョルジオ・アルマーニのオートクチュールラインです。

ⒸGIVENCHY BY RICCARDO TISCI

こちらは、『キャロル』で助演女優賞にノミネートされたルーニー・マーラ。ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシの白い透け感のあるドレスは清楚ながらエロティック。そして、真っ赤でマットな質感のリップと、『スター・ウォーズ』にオマージュを捧げるような、ノットがたくさんある黒髪アレンジヘアまでもが個性的で秀逸!

ⒸDIOR

ノミネートにはいたらなかったものの、今回、アカデミー賞はエンタメ大作のエントリーが話題だった。その中で、最注目株の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』主演のフェリオサを演じたシャーリーズ・セロンへの熱い視線は当然のこと。背中も胸元もばかっと開いたディオールの真っ赤なドレスを赤絨毯にぶつけてくるところは、晴れの日の着こなしの勝手知ったる女優ならでは。Vネックの胸元に添わせるようにつけたダイヤのネックレスもさすが。

ⒸCHANEL

まぎれもなく2015年のシンデレラガールのひとり、デイジー・リドリー。2016年のシャネル春夏オートクチュールコレクションの、透ける素材にフラワーモチーフの刺繍が全面にほどこされたドレスを着用。最優秀ドキュメンタリー賞のプレゼンターを務めた。18Kホワイトゴールドとダイヤモンドの「シグネチャー シュルピケ」イヤリング、「プリュム ドゥ シャネル」のブレスレットとリングをコーディネート。メークアップもシャネルで。

今回、男性陣の着こなしでも、オールブラックで現れたクリスチャン・ベイル(『マネーショート』)とケヴィン・ハントが「いかしてる!」と思った。ホワイトシャツ、ブラックボウタイ、黒タキシードという、スタンダードをあえてはずして、全身黒って、すごくクールでセクシー。シンプルにスリムにまとめたベイル、ブラッククリスタルでトリミングされたジャケットを纏ったハント、対照的だけれど、ともに素敵。


レッドカーペットでのコメントが印象的だったのは、『クリード チャンプを継ぐ男』で助演男優賞にノミネートされ、最有力候補と言われながら受賞を逃したシルベスター・スタローン。日本クルーのショートインタビューに答えて、「ロッキー・バルボアという人間像は、学歴などなくてもハートがあれば強く生きられるということを示している」。タキシードも、あのパンプアップしたボディにサンローランを着こなすというチャレンジャーであった。
1976年のアカデミー賞作品賞・監督賞・編集賞を得た『ロッキー』。故・淀川長治さんが、日曜洋画劇場にて『ロッキー』の放映がされた時、「男は何かを成し遂げた時、ああいう風に愛する女の名前を叫ぶんです」というようなコメントをして、それが強く心に残ったことを思い出した。

他にも、ケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが2ショット撮影されたり。プレ授賞式のレッドカーペット、90分の時間を割くだけの意味があるなあ、とため息。

実際の授賞式の様子は、後編にて!

まだ観るチャンスあり!「第88回アカデミー賞授賞式ダイジェスト」
WOWWOWにて3月5日(土)夜8:00~〔字幕版〕

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