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「ずっと彼に片思いしている気持ちでした」映画『言えない秘密』古川琴音インタビュー。初挑戦となったラブストーリーへの思い

  • 2024.6.26
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古川琴音 写真:宮城夏子

SixTONESの京本大我単独初主演作『言えない秘密』でヒロインの雪乃を演じている古川琴音。近年、映画、ドラマなど活躍の場が増えている古川にとって、本作は初のラブストーリーのヒロイン役。そんな彼女が雪乃役をどう作り上げたのか、京本大我との共演や現場の裏話について、たっぷりとお話を伺った。(取材・文:斎藤香)

写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――古川さんは恋愛映画のヒロイン役は初めてとのことですが、まずオファーがあったときのことを教えてください。出演の決め手となったのは何だったのでしょうか?

「やはり『言えない秘密』のストーリーが美しいと思ったことが大きいです。雪乃が抱える秘密が明らかになるところは衝撃的でしたし、そこから高まっていく主人公の湊人(京本大我)と雪乃の情熱にも心打たれました」

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――確かに、湊人と雪乃がピアノを通してお互い惹かれ合っていくプロセスは流れるように自然で、人を好きになることの美しさが描かれた作品ですよね。雪乃は複雑な事情を抱える人物ですが、河合勇人監督からの演出はどのようなものだったのでしょうか?

「河合監督は、雪乃の人生のバックボーンを撮影のときに語ってくださったんです。例えば、雪乃は自分が出るはずの音楽コンクールに、ある事情で出られなくなりますが、彼女のコンクールに懸ける思い、チャンスを失ったときにどう思ったかなど、丁寧に説明してくださったので、その言葉を軸にイマジネーションを膨らませていきました」

―――古川さん自身は、雪乃という役について、どう解釈していましたか?

「よく雪乃はミステリアスなキャラクターだねと言われるのですが、確かに浮世離れしているというか、掴みどころがない人という印象はありました。でも私はあえて掴みどころがない女性として演じようとは思わず、彼女が秘密を抱えつつも、どういう生き方を選択したのか、彼女の気持ちを大切に、雪乃の魂を心に宿そうと思いました」

写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――雪乃の事情はこの映画全体の見方をガラリと変える大きな要素なので、演じるのは相当難しかったのではないかと思うのですが。

「そうですね。母親(西田尚美)とのシーンも辛かったですし、湊人とのシーンも、彼と仲良くなればなるほど、辛いみたいな…。秘密を抱えているから、湊人との楽しい時間も『これから起こることは考えないようにしよう』と心に蓋をして彼と過ごさなければならないのが苦しかったです。

雪乃が湊人を思って苦しんだり、彼のためにやったりしていることを湊人は知らないんだろうな…と思うと寂しくて。ずっと彼に片思いをしているような気持ちでしたね」

―――雪乃役が古川さんにピッタリで雪乃と重なってしまうのですが、役との共通点はありましたか?

「こうと決めたら猪突猛進するところが似ているかなと思います。私は決めたらやり抜かないと気がすまないところがあって、例えば、観たいと思った連続ドラマは最終話まで一気に見ちゃうとか(笑)もちろん雪乃が抱えていることに比べたら、全然浅いかもしれないけど、多分雪乃もそういうタイプだと思うんです」

―――古川さんは撮影でピアノを弾かれていますが、以前、習っていたと聞いています。この映画のためにあらためてレッスンしたのでしょうか?

「私がピアノを習っていたのは幼稚園から小学生にかけて5年間くらいなので、15年間くらいブランクがあるんです。だから撮影が始まる1ヶ月前から本格的にレッスンを始めました。

撮影中も、ロケ先の学校にピアノがあったり、現場に電子ピアノを用意してくださったりしたので、レッスン以外にも常にピアノが側にある環境の中、しっかり練習ができたと思います」

―――大変ではなかったですか?

「意外と思ったより早く感覚が戻りました。楽譜を覚えて弾くまでは大変だったけど、楽譜を覚えたら、ピアノを弾くのが楽しくて。でも京本くんは大変だったと思います。この映画のためにすごく頑張っていました」

写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――京本さんとは初共演ですが、一緒にお仕事されていかがでしたか?

「ピアノという共通点があったので、最初からそれほど距離を感じずにお芝居できたのはありがたかったです。お仕事をする前は、漠然とクールな王子様的な方なのかなと思っていたのですが、撮影するうちにお茶目だったり、いたずらっぽい一面も見えてきたりして、チャーミングな方だなと思いました」

―――共演をするにあたり、お互いに呼び名を決めたそうですね。

「京本くんに『お互いに京本さん、古川さんじゃなく、呼び名を決めよう。なんて呼ばれている?』と聞かれたので、私は小さい頃の呼び名の『こっちゃん』、京本くんはファンの方に呼ばれている『きょも』という呼び名に決まり、撮影中はそう呼び合っていました。でも撮影から1年経って会ったら、また京本くんに戻ってしまいました(笑)」

―――俳優・京本大我さんの魅力は何だと思いますか?

「完成した映画を観て感じたことなのですが、京本くんは舞台経験も豊富で、SixTONESとして歌とダンスもされているから、体に感情を込めるのがすごく上手なんです。湊人が雪乃を探したり、追いかけたり、ピアノを弾いたりするときの動きは、セリフがなくても伝わってくるものがありました。それは一緒に演技しているときには気づけなかったことです」

写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――本作は、湊人と雪乃が自転車で2人乗りをしたり、海で遊んだり、連弾したりという胸キュンシーンが多いですが、古川さんのお気に入りの胸キュンシーンはありますか?

「ベタですが、クリスマスパーティの後のふたりのピアノ連弾シーンですね。手が映るカットにグッときました。2人の距離がじわじわと縮まっていく様に、ドキドキしました。

お芝居していて楽しかったのは、自転車2人乗りのシーンです。後ろに私を乗せているから重みで自転車がガタガタして、最初は少し怖かったんですが、京本くんもだんだん慣れてきてスムーズに進むようになりました。

スタート地点から監督がカットをかけるまで2人乗りで進んで、撮り直すときは、スタート地点まで後ろに乗せて戻ってくれたりして、優しい一面も見せてくれました」

―――海で遊ぶシーンも可愛かったです。とても自然で、もしかしてアドリブ? と思うほどでした。

「京本くんも私も、海のシーンに限らず、ちょこちょこアドリブを入れていたんです。湊人って呼びたくなったら呼んでいたし、お互いにすり合わせをすることなく、自然な流れでアドリブの芝居も入れていきました。だから、どのシーンのセリフがアドリブなのか覚えていないくらいです」

古川琴音 写真:宮城夏子
写真宮城夏子

―――古川さんを以前取材させていただいたとき、お芝居をしているとスタッフとキャストの意識が高まり一体化する瞬間が芝居の醍醐味だとおっしゃっていたのですが、『言えない秘密』ではその瞬間はありましたか?

「ありました。雪乃が湊人に『音楽室から、湊人と会う中庭のベンチまでの108歩は、私にはとても大切なんだ』ということを扉越しに心で語りかけるシーン。あそこは思った以上に感情が溢れました。

そのとき、カメラ越しに見ている河合監督も雪乃と同じ気持ちになっていると肌感でわかったんです。撮り終わって監督の顔を見たら、雪乃を演じているときの私と同じ顔をしている…。感情がこもったシーンだったのですが、スタッフと俳優が一体になったと感じられるシーンでした」

―――湊人の知らない雪乃の大切な気持ちが表現された感動的なシーンの裏側で奇跡が起こっていたんですね! では最後に完成した映画をご覧になった感想と注目してほしいポイントを教えてください。

「自分が恋愛しているのを見るのは少し恥ずかしい気持ちもあったのですが、雪乃と湊人がお互いを思い合って、一生懸命生きていることが伝わる作品になっていると思いました。この物語の持つ美しさや素晴らしさがちゃんとスクリーンに映し出されて、大切な時間を閉じ込めた映画になったことがうれしかったです。

注目ポイントは…とにかく音楽も素晴らしいので映画館のいい音響の中で観ていただけたら『言えない秘密』の世界により深く入っていけると思います。それから、皆さんの感想を知りたいので、ぜひ映画の感想をSNSなどで発信していただけたらうれしいです」

(取材・文:斎藤香)

【作品情報】
『言えない秘密』
2024年6月28日(金)より全国ロードショー
監督:河合勇人
出演:京本大我 古川琴音
横田真悠 三浦獠太 坂口涼太郎 / 皆川猿時 西田尚美 尾美としのり
脚本:松田沙也
音楽:富貴晴美
配給:ギャガ
Ⓒ2024「言えない秘密」製作委員会

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