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「目に見えるものが全てじゃない」伊原六花、新作ミュージカルにこめた想いを語る

  • 2024.6.25
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ELLEgirlが注目する、次世代スターの魅力に迫る人気連載「今月の推し」。vol.29は朝ドラ『ブギウギ』などで知られる俳優の伊原六花さんが登場。2024年7月3日(水)から出演するミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』への想いや好きなファッション、前向きなパワーの秘密に接近!

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INTERVIEW with RIKKA IHARA

”次に挑戦したいのは、メンズライクなファッション"

Q. 普段、好きなファッションや最近買ったものは?

最近はキレイめなファッションが好きです。ジャケットもよく着ていますし、襟のついているシャツはいっぱい持っています。ラフにも着られるし、きちんとした時に着ると気分がシャキっとするんです。

最近購入したのは、「フェラガモ」のシルバーのイヤリング。デザインはシンプルなのですが大きさがあるので、Tシャツにデニムとか、ひとつ付けるだけで締まる気がしています。サラッとしたきれいめのワンピースにも合うので、すごく気に入っています!

Q. 次に挑戦してみたいファッションは?

カジュアルでメンズライクなファッション。もともとヴィンテージやメンズライクな服をよく着ていたんですよね。髪もちょっとメンズっぽく切ってもらっているので、キレイめな日もありつつメンズライクな日もたまにあるのが理想です。

Q. 元気をくれる“癒しアイテム”は?

植物です。もともと「家をジャングルにしたい!」という夢があって、観葉植物はたくさんあったのですが、最近はお花を飾ることが増えてきて。お花って儚いので私にはまだ早いかなと思っていたのですが、花屋さんの役を演じて、季節をお花で感じる良さに気づいたんです。

お花を選ぶときに参考にするのは、花言葉。花言葉って素敵なんですよね。今、家にはキク科の花が咲いているんですが、花言葉は“可愛い恋人”! それを聞いて、「何それ、可愛い」って、興奮しました(笑)。毎日、たくさん咲いている小さな花を見て癒されています。

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"新作ミュージカルでは、歌の力で観る人を巻き込めれば"

Q. ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』は、奇妙な流行り病によって心と体の美醜が入れ替わり、醜い容姿となった“カビ人間”(七五三掛龍也)と、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった“おさえ”(伊原六花)、物語の世界に迷い込む聡(吉澤閑也)と真奈美(加藤梨里香)の2組の恋物語を軸に描くファンタジー。何度も上演を重ねてきた名作舞台に出演が決まった心境は?

ミュージカルが大好きなので、まず久しぶりに出演ができると思って嬉しかったです!その後、これまで上演された舞台をDVDで見て、脚本がめちゃくちゃ面白いなと思いました。一つの作品にコメディやファンタジー、人間の集団心理や泣けるところ、いろんな要素が全部詰まっているんです。特に今回はミュージカルなので、歌の力で観る方をまきこみたいなと思います。

Q. “おさえ”は、自分の気持ちと正反対の言葉を言ってしまう奇病にかかっている女性。役作りはいかがですか?

おさえの魅力は、大切だと思ったことには勇気をもって一歩踏み出そうとするところ。醜い容姿のせいで村人から疎まれているカビ人間に対しても、きちんと相手を見て話そうとする姿勢はかっこいいなと思います。ただ、本当の意味を思いながら正反対のセリフを発するのは、やっぱり難しいですね。気持ちが入れば入るほど、本当のことを言ってしまう。だから普段、友達とご飯に行くときも、訓練で“おさえごっこ”をするんです。でもそうすると会話がなくなってしまうんですよね、難しくて……(笑)。

Q. “カビ人間”役を演じる七五三掛さんとの共演はいかがですか ?

テレビ等で拝見していて、柔らかい雰囲気の方なんだろうなと思っていました。ただ、稽古場の七五三掛さんは柔らかいイメージはそのままですが、いい意味で自分の意見をしっかりもっている方でした。「これどうですか?」と聞くと、受け身でもなく、一方的でもなく、コミュニケーションをすごく大切にしてくださる。作品を良くするためには稽古に手を抜かないところも、信頼できる役者さんだなと思います。

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"目に見えることが全てじゃない、と教えてくれる作品"

Q. いち押しのシーンは?

カビ人間とおさえが「ピクニックに行きたくなるような大雨」という楽曲を歌うシーンがあるんです。ふたりが心を通わす幸せなシーンなのですが、おさえが本当の気持ちと正反対のことを言うので、言葉としては「これからもずっと地獄に堕ちましょう!」とかになってしまって(笑)。でも、そんな歌詞がすごくキュートで笑えて、そこが幸せであればあるほど後半に効いてくるので、思い切りハッピーにやりたいです。

Q. ミュージカルの舞台で、特に好きな作品は?

『ウエスト・サイド・ストーリー』ですね。色褪せないバーンスタインの音楽、オープニングのかっこいい振付、普遍的なテーマ……。長く愛されている理由がわかりますし、どの時代にもあてはまるようないろんな愛のカタチもあって、「語り継がれていく作品ってこういうものなんだろうな」と思って、大好きです 。

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Q. 伊原さんが今年、挑戦したいことは?

いつかやってみたいとずっと思っているのは、声のお仕事です。ただ先日、たまたま占いをしてもらったら、「いろんなことが起こる“おもちゃ箱”みたいな一年です」と言われて、素敵だなって。だから今年はできるかできないかは考えずに、いただいたお仕事をすべて丁寧に、全力で打ち返していきたいなと思います。

Q.最後にミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』を観る人たちにメッセージを!

観る方によって、感じ方が様々な作品だと思うのですが、私自身はこの作品から「目に見えることが全てじゃない」というメッセージを受け取りました。それはおさえの反対言葉もそうですし、外見は醜いけど心は純粋なカビ人間もそう。(物語の中に出てくる)奇病にかかったから見えてくるものもあります。稽古場では奇病にかかって良かったと思える瞬間について、みんなで話しあったりもしました。この舞台を観る方がたくさんの魅力を受け取って、持って帰っていただけたらと思います。

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PARCO&CUBE produce 2024

ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』

これまで何度も上演を重ねてきたダークファンタジーの名作が、この夏、ミュージカルとして蘇る。物語の舞台は、中世アイルランドを思わせる不思議な土地。街に蔓延する奇妙な病によって、心と体の美醜が入れ替わり、醜い容姿となったカビ人間(七五三掛龍也)は、孤独に鐘をついて暮らしている。ある日、思っていることの反対の言葉しか話せなくなったおさえ(伊原六花)と出会い、二人は互いに惹かれていくが……。Travis Japanの七五三掛龍也と吉澤閑也がW主演し、脚色・演出をウォーリー木下、音楽・音楽監督を中村大史が務める。2024年7月3日~10日、東京国際フォーラム ホールCで上演。7月20日から大阪公演あり。(企画・製作 パルコ・キューブ)

公式サイトはこちら

伊原六花(いはらりっか)/1999年6月2日生まれ、大阪府出身。2017年に当時キャプテンを務めていた「登美丘高校ダンス部選手権」で発表した “バブリーダンス”が有名になり、2018年に女優デビュー。以降、映画『明治東亰恋伽』主演を経て、2023年にNHK連続テレビ小説『ブギウギ』に出演。今年は4月期のドラマ『肝臓を奪われた妻』で主演を務める。

text:Naomi Yumiyama photo : Risako Sueyoshi stylist : Hirotaka Kajiwara / OTA OFFICE hair&make-up : RIKA FUJIWARA

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