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女性起業家に投資と支援を! HearstLab(ハーストラボ)キックオフイベントを開催し本格始動

  • 2024.6.25
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「HearstLab (ハーストラボ)」のキックオフレセプションが2024年6月5日、都内で開催された。これまでメディアとして女性をエンパワーしてきたハースト婦人画報社がアメリカ本社ハーストと共同で女性起業家へ投資・支援する。ジェンダー格差の著しい日本社会において、ただ投資をするだけではなく、さまざまなリソースを提供しながら、女性起業家にとって成功までの道のりを一緒に歩むパートナーになることを目指している。

当日の会場は各方面で活躍する日本の女性起業家同士の出会いや励ましの言葉で温かい雰囲気に包まれた。なかでもHearstLab設立初期に投資を受けたリンジー・ジューリスト・ロズナーさんからシェアされた経験や応援メッセージは、出席した女性起業家に勇気を与えてくれるものだった。

立ちはだかる“2%の壁”を超えるために

日本のベンチャー業界で女性起業家が直面する課題は、しばしば“2%の壁”と表現される。日本では女性起業家が率いる企業が手にした資金調達額は全体の2%、また、新規上場企業に占める女性社長比率も2%しかない(※)。このようなジェンダー格差は日本だけではない。世界的に見ても、女性主導のベンチャー企業のほうが男性主導よりもリターンが高いという実績がでているのにもかかわらず、女性起業家への機会は限定的なものになっている。

そこでアメリカ本社ハーストでは2016年からHearstLabを同国で立ち上げて以降、女性起業家への投資と支援を行い、さらにオランダ、イギリス、スペインと活動規模を世界に広げてきた。今回の日本での始動は、ハーストグループとして保有する国内外のネットワークや専門性を集結し、HearstLabの理念に合致する日本の女性起業家を募集、そして直接エンパワーする段階に進んだことを象徴している。※「スタートアップエコシステムのジェンダーダイバーシティ課題解決に向けた提案」(2022年・金融庁)

ハートウォーミングな雰囲気に包まれた会場

キックオフレセプション当日の会場は、参加した女性起業家、投資家、そして女性活躍を応援する各種団体や個人の熱気に包まれていた。参加者は総勢150名。アメリカ本社ハーストの上級副社長イヴ・バートンによる女性起業家へのアドバイスや、起業家・声楽家・大学教授などマルチに活躍している武井涼子さんからのエールは、どれもこれまでの経験に基づいた説得力のある内容で、女性起業家の背中を優しく押してくれる応援メッセージだった。ネットワーキングの時間も、参加者同士で名刺交換後、すぐに熱く語り合う様子もみられるなどの盛況ぶり。それぞれに独自の取り組みや課題意識を共有しながら、お互いに労い、また称えあう雰囲気をつくり出していた。そのなかでも参加する女性起業家から共感を最も集めたのは、HearstLab設立初期の投資先Wellthy(ウェルシー) のCEO、リンジーさんの経験だった。

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ジェンダー格差に直面した経験、そしてHearstLabとの出会い

Wellthyは病気や高齢の大切な家族を持つ人のためにテクノロジーを駆使した介護コンシェルジュサービスを提供するベンチャー企業。そのサービスの内容は、専任のケアコーディネーターの紹介、被介護者の処方箋の管理、介護施設への移動や利用手続きなど多岐にわたる。このようなサービスの提供をとおして、企業は介護による従業員の離職率や休職期間を低減し、業務の生産性を損なうことがないよう、従業員をサポートすることができる。クライアントにはメタ(フェイスブック)やヒルトンなどの大手有名企業も含まれている。

2023年に2,000万米ドル以上の収益を達成したWellthyだが、2014年の設立当初から順風満帆だったわけではなかったとリンジーさんは語った。「わたしには当初から明確なビジョンがありました。28年間、母を介護した経験から、表立ってそのニーズが叫ばれないだけで、病気や高齢の大切な人を持つ家族のヘルスケアのニーズを他の人も持っていることを実感していました。ただ、資金調達は投資家との相性の問題でもあります。それは結婚のようなもので、出会った投資家と毎回100%マッチングするわけではありません。それでも不確実な状況にひるまず、自分のビジョンをしっかりと伝えるパッション、そしてやり抜くことは大切だと学びました」アーリーステージの女性起業家が投資を得ることが難しいのは確かで、男性中心の投資家のなかに入り、彼らの共感を得ることには苦労したと言う。「Wellthyが現在注力している介護回りの危機は、どちらかというと女性の問題と認識されています。そのような社会課題に対する共感をプレゼン相手である男性投資家から得るために、彼らが重要視していることを正確に把握することに時間をかけました。ですが、彼らにこの課題を自分ごととして考えてもらうことは、とても難しかったです」

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そのような苦労をしてきたリンジーさんにとっては、いかにWellthyの事業が多くの人々のニーズに応えるのか理解してくれたHearstLabは本当に特別な存在であったと話した。「HearstLabと歩んできた過程は、まるで温かいハグをしてもらっているような感覚でした。支援をしてくれた2016年当時のWellthyは、かなりアーリーステージでしたが、いろいろなアドバイスを提供してくれましたし、クライアントや専門家も紹介してくれました。紹介先の人たちもみんな優しかったんです。とても感謝しています」

HearstLabが日本の女性起業家に提供するのは、他の投資家やVCとは異なり、資金的なサポートだけではない。ハーストグループは新聞や雑誌、そしてTVなどメディアとしてスタートしてから過去125年、テクノロジーやソフトウェアなどに焦点をおいて事業の多様化を推進してきた。その結果、現在ではアメリカ本社だけでも375以上の事業部門を有している。HearstLabはこれらの多様なネットワークを活用し、女性起業家たちに適切な他企業との協働をサポートしたり、専門的知識を提供したりし、彼女たちと伴走するパートナーになることを目指している。

「ハーストのマガジンでもWellthyの特集を組んでもらったり、法務部の人に法務アドバイスももらったりすることもありました。本当にさまざまな専門分野でソリューションをご提案いただきました。ただ投資をする/受けるという取引関係ではなく、有機的な関係が構築されていました。財務的なリタ―ンももちろん重要ですが、“本当の成功”とはなにか、と考える道を一緒に歩んできた感覚です。それがとても素晴らしかったです」

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「あなたはもう準備できている。門をたたいてみて」

女性は女性ならではの社会課題の解決ができると強く信じているとリンジーさんは言う。「男性からの共感を得ることが難しかった設立当初の周囲の環境も変わり、HearstLabの支援を得て事業利益が見えてくると、男性投資家からも理解を得られるようになってきたと感じています。いまではクライアントに大手企業も入ったことで、かつてのわたしのように介護中に課題や孤独を抱える多くの人々に手を差し伸べ、サポートすることができるようになりました」

ジェンダーの壁にぶつかりながら孤軍奮闘している女性起業家にとって、本キックオフレセプションはともに戦っていく仲間を見つける場でもあり、リンジーさんから勇気をもらう場になったはずだ。最後のメッセージとして、リンジーさんは次のように話した。「わたしのキャリアの起源が母の長い介護経験にあるように、みなさん個々人にとって大事なことに取りかかってほしいと思います。そして、あきらめずに頑張ってほしいと伝えたい。わたしもかつてはそうだったけど、完璧を目指す必要はないのです。準備ができていないのでは、と時間をかけすぎないで。あなたはもう準備できている。成功までの道のりをHearstLabが支えてくれるはずだから、門をたたいてみて」

Hearstlabの投資基準・申し込み窓口

<投資基準>

女性CEO、女性創業者によるスタートアップ。

テクノロジーを活用したビジネスで、プロダクトをマーケット展開している、または初期の検証を実証済み。

物理的な製品の製造・販売を行っていない、バランスシート上に在庫がないB2BまたはB2B2Cビジネス。

ハースト本社が展開する事業と親和性がある(例:エンタープライズ・テクノロジー、データ分析、フィンテック、ヘルスケア、物流事業、メディア)。

申し込みフォーム

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<HearstLabについて>

HearstLabは女性が主導する、フィンテック、データ分析、ヘルスケア、物流事業、エンタープライズ・テクノロジー、メディアなどの分野で革新的なアーリーステージのスタートアップ企業に資金投資とサービスを提供しています。女性創業者たちへ、持続可能で拡張性の高いビジネスを構築する手助けをすることで、VC資金調達における男女間格差を埋めることを使命としています。360以上のビジネスを展開するハーストの知見を活用し、HearstLabは、プライバシーとセキュリティ、ソフトウェア開発、法務サービス、財務分析、マーケティングとデザインのサポートなどを投資先の女性起業家に行います。

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