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ディーン・フジオカ“小比類巻”ら科学犯罪対策室チームが不可解な事件を最先端科学で解き明かす…本格サイエンスミステリー「パンドラの果実」Season1を振り返り

  • 2024.6.25
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「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」Season1より (C)中村啓・光文社/NTV・HJ ホールディングス
「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」Season1より (C)中村啓・光文社/NTV・HJ ホールディングス

【写真】真剣な表情で科学捜査をおこなう岸井ゆきの“最上”

ディーン・フジオカ演じる小比類巻祐一が、最先端科学にまつわる様々な事件を解決していく謎解きサイエンスミステリー「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」。人気シリーズの約2年ぶりの新作となる「最新章SP(スペシャル)」が6月16日に日本テレビ系で放送され、その後Hulu、TVerで見逃し配信中だ。さらに現在Huluでは、Season3を独占配信中(全5話/毎週日曜日に新エピソード更新)。そこで本記事では、好評配信中の「パンドラの果実」最新章SPとSeason3をより楽しむために、Season1のあらすじや見どころについて振り返っていく。(以下、一部ネタバレを含みます)

AIロボット、不老不死、蘇る遺体…怪事件を最先端科学で解き明かす!

本作は、頭脳明晰で科学への造詣が深い警視正・小比類巻(ディーン・フジオカ)が、若き天才科学者・最上(岸井ゆきの)、ベテラン捜査官の長谷部(ユースケ・サンタマリア)と協力しながら、一見あり得ないような不可解な事件の裏に隠された真実を最先端科学によって解き明かしていく、新感覚の謎解きサイエンスミステリー。

Season1では、小比類巻が警察庁内に「科学犯罪対策室」という新たな部署を設立したところから物語が始まる。彼がこの部署のメンバーに指名したのは、なぜか科学に疎い、元捜査一課のベテラン刑事・長谷部。そして不可解な怪事件の数々を解決するため、天才科学者・最上がアドバイザーとして参加することに。

第1話で科学犯罪対策室が扱う最初の事件は、最先端ロボット開発を手掛ける企業のCEO・安井が殺害され、、AIロボット「LEO」が“自分が殺した”と自供するという衝撃の展開から幕を開ける。安井は、社内でロボットの動作確認を行うシミュレーションルームという密閉された空間で、意図的に“呼吸困難”にさせられ、殺害されていた。科学犯罪対策室は被疑者として正式にLEOの出頭を要請し、前代未聞の「AIロボットへの取り調べ」が行われることになるのだが…。果たして、人間に危害を加えられないはずのロボットが、自らの意志で殺人をすることはあり得るのか?“AIロボットと人間との関係”を考えさせる内容になっている。

第2話では、プロeスポーツ選手が街で不良に絡まれて暴行を受け、まるで魂が抜けたように身体から煙を出して死亡する怪事件が発生。解剖の結果、遺体の頭部にはマイクロチップが埋め込まれていて、このチップが発火したことによるショック死が原因であることが判明。なぜ発火が起こったのか、誰がチップを埋め込んだのか…科学犯罪対策室チームは、その謎を解き明かしていく。

捜査を進めていく中で、科学の力で人間の進化を目指すある団体が関与している可能性が浮上。その団体に以前所属していた脳神経外科医・鮎川が、彼らの最終目標である“不老不死”の実現のために“マインドアップロード(精神転送)”の実験を行なっていたのだ。「人間の意識をデータ化して肉体からコンピューター上に転送する」というこの技術には、ある大きな欠陥があり――。

続いて第3話では、ある研究所の献体遺体安置所に動画配信者が不法侵入、そのカメラの前で“遺体が自ら歩いて行方不明になる”という奇妙な事件が起こる。まるで“ゾンビ”のようなその姿に、「あり得ないでしょ」と死者の蘇りを信じない最上と長谷部に対し、小比類巻は事件に強い興味を抱き、行方不明の遺体は家族との思い出の場所に向かったのではと推測。捜索していくと、その遺体は生前大切に持っていた絵と同じ風景の公園で、再び眠りについていた。

「心ってどこにあるんですかね」と最上に問いかける小比類巻。彼は臓器移植後に起こった性格や体質・嗜好が変わった事例を挙げて、「心は肉体にも宿ると思っている」と、“細胞記憶”の説を支持。一方最上は、そもそも「心」の存在自体が解明されていないとしながらも、あるとするならば「脳」ではないかと答え、「細胞に心はないと思う」と返す。この“死者の蘇り”は、偶然か奇跡か、はたまた最先端科学技術がもたらした進歩なのだろうか。

ウイルスによって人間が急激に老化…最上の過去も明らかに

第4話では、VRゲームのプレイヤーが次々と飛び降り自殺をする事件が発生。このゲームは、自分が選んだバディとVR空間内で「かくれんぼ」するゲームで、バディにしたい相手の写真や動画を取り込むと3Dアバターが作成されるという仕組み。このゲームには“故人AI”が使用されており、死者と会話できるという最新技術が使われていた。

そしてゲームの中には「空中にある数字が点滅しているうちに飛び降りれば、隠れてしまったバディを見つけることができる」という裏技があり、それを知っているプレイヤーが現実でも反射的に飛び降りてしまっていたのだ。

捜査を進めていくと、このゲームの開発者は“亡くなった幼馴染と遊びたい”という純粋な気持ちでこのゲームを生み出していたことが判明。現実と錯覚するほどの仮想空間の中で、亡くなった人にもう一度会える――。そんな夢のような体験がもたらした事件に、「科学の光」を信じる小比類巻と、「科学の闇」に触れた過去をもつ最上は果たしてどのように向き合うのか。

そして第5話では、サイエンスライターでかつて最上の共同研究者でもあった速水の身体が急激に老化して亡くなる事件が発生。それをきっかけに、最上の過去も明らかになった。最上と速水が研究・開発していたのは「プロメテウス・ウイルス」という老化を止める作用を持ったもので、将来的には人類に希望をもたらすと期待されていた。

人間にも応用できるようにするため、実験用の猿にウイルスを投与し、経過観察をする日々が続いた。そしてついに1匹だけ感染させることに成功。実験はさらに進むかと思いきや、ウイルスに感染した個体が他の個体を食べ尽くすという猟奇的なことが起きてしまう…。実はウイルスに感染すると、老化を止める代償に、生命活動を維持するため大量のエネルギーが必要になってしまうのだった。危険を感じた最上は研究を中止、ウイルスを封印したものの、諦めきれない速水は1本だけ隠し持っており、その結果プロメテウス・ウイルスに感染…。エネルギーを使い果たした速水は、急激に老化してしまったのだ。意気消沈する最上だったが、一方で、科学への想いが静かに再燃する様子も垣間見えた。

またそれ以降のエピソードでも、心霊現象やナノマシン、エルマー遺伝子、バイオテロなど様々なテーマで事件や謎が巻き起こり、小比類巻たちがそれらを解明していく様子が描かれる。

科学が絡んだ“小比類巻の家族”に関する秘密にも注目

本シリーズでは、物語が進むごとに少しずつ明かされていく、“小比類巻の家族の秘密”も見どころの一つだ。妻の亜美(本仮屋ユイカ)を亡くし、娘の星来(鈴木凜子)と暮らす小比類巻だが、彼は亜美への想いが強すぎるあまり、なんと彼女の遺体を冷凍保存しているのだった。星来を出産後に意識不明になり、亡くなってしまった亜美。命と引き換えに生んだ娘を一度もその手に抱くことができなかった妻と、母親と一度も会ったことがない娘を会わせたいという想いから、科学の未来に望みを託しながら葛藤する小比類巻の姿が描かれる。

また第8話以降では、亜美の出生の秘密や娘の星来、そして小比類巻自身に迫る危機についても色濃く描かれている。

異色コンビが織りなす捜査…科学の未来と人類の価値とは

不可解な現象から科学的なトリックとその裏に隠された人間模様を描いた本作。最先端科学の進歩による便利な日常を持ち出しつつ、それに疑問を投げかけるような形で“科学による人間への影響や人間そのものの価値”も同時に描いているため、より深みのある作品に仕上がっている。

その中でも本作でタッグを組む小比類巻と最上は、一見良いコンビだが、実は根本的な考えは相反する部分が随所に見られた。小比類巻は死別した妻をいつか科学の力で生き返らせようとしている。実際に第3話でも、遺体が蘇生し歩いたことで“死者の蘇りは可能かもしれない”と科学の進歩に期待を抱く描写があった。

一方の最上は、過去に危険なウイルスを生成してしまったことから、「科学者は、悪意がなくてもパンドラの箱を開けてしまうことがある。一度開けた箱は二度と閉められない」と、その進歩に疑問を呈する様子が描かれている。

最先端科学に関する事実や精巧なトリックだけではなく、この2人がコンビを組むことで考え方の違いが浮き彫りになり、科学の進歩と人の価値について考えるきっかけを与える作品となっているのだ。

最先端科学の裏に様々な人間ドラマが垣間見える「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」Season1・Season2は、Huluにて全話配信中。

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