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【夫はADHD】「イライラしてしまう…」「やさしくできない」私が夫の発達障害を受け入れるまで

  • 2025.1.2

沖縄県出身のだいすけさんはフォトグラファー・ビデオグラファー。岐阜県出身のちゃんまりさんはヘアメイク・着付師。病院で重度のADHDと診断されているだいすけさんと奥さんのちゃんまりさんは、2017年に結婚し、現在沖縄で2人暮らし。YouTubeチャンネル「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」では、そんな2人の暮らしを動画でご紹介しています。

「ADHDの旦那さんにやさしくできなくて困っている人や、どうやってうまく付き合えるようになったのか知りたい」と言う声が多く、少しでも悩んでいる人の役に立てば良いなと、この動画を作成したというナカモトフウフ。

同棲を始めたころは、毎日涙を流し、カサンドラ症候群になりかけたちゃんまりさんが「だいすけさんのADHDを、本当に受け入れられるようになるまでの出来事」をご紹介します。

ADHDのだいすけさんってこんな人

まずは、だいすけさんの特性について簡単にご紹介します。

①自分が興味あることへのこだわりが強過ぎる

②基本、電気は消し忘れる

③片づけができない

④圧倒的な物無くし力

⑤何かに集中しているときは、何も耳に入らない

⑥欲しい物は、後先考えずに衝動買い

⑦自分の物差しで考え方を押し付ける

同棲してみてわかった6つの大変なこと

ちゃんまりさんがだいすけさんのADHDを知ったのは、交際スタートのタイミングですが、同棲前までは交際していても困ることはありませんでした。

その後、だいすけさんの地元である沖縄に移住し、同棲をスタートさせた2人。そのころから、大変さに気づき始めました。

①片づけができない

②ゴミを散らかす

③物をなくす・忘れる

④電気を付けっぱなし

⑤ドア・引き出しを開けっ放し

⑥トイレを流し忘れる

「なぜ、成人男性の子守りをしなければいけないのか」と悩んだ、ちゃんまりさん。移住先で頼れるのはだいすけさんしかいないのに、1番のストレスの元でもありました。

ですが、掃除などの物理的な困りごとは仕事だと思い、耐えることができました。そんな2人にある事件が……!

2人の転機となった、ワイパー事件

ある日、車に乗っているときに「ワイパーがボロボロだから、替えなきゃね」とちゃんまりさんが言うと、だいすけさんも「そうだね」と答えました。

後日、また同じやり取りがありました。

さらに数日後、だいすけさんが「ワイパーがボロボロだね。気づかなかったの?」とちゃんまりさんに言いました。

だいすけさんの言葉を聞き、「私が言ったつもりになっていただけ!?」と自分の言葉や記憶を信用できなくなってしまった、ちゃんまりさん。

「自分に落ち度があるのでは?」と思い、発達障害などについて調べました。自分で発達障害のチェックを試してみましたが、どれも当てはまりません。しかし、現状は変わらないことに戸惑ってしまい、感情のコントロールができなくなり、急に泣き出してしまうこともありました。

一方、泣いているちゃんまりさんを見て、「やばい」と思っただいすけさん。

自分がADHDということは知っていましたが、他人と住むことで「こんなにも人に迷惑をかけてしまうんだ」ということを知り、病院を再度受診(セカンド・サードオピニオン)へ。

だいすけさんは初めて自分を客観視することができて、「自分はこんな簡単なやり取りも覚えていないのか?」と気づき、衝撃を受けました。

彼を理解する中で知った「カサンドラ症候群」

だいすけさんが病院に行き出したころ、ちゃんまりさんはADHDについて自分自身がよく知らないことに気づき、調べてみることに。


知識として深く知ることで、だいすけさんの行動を理解できるようになりました。

行動が理解できると、不安やイライラはとてもラクになったそうです。

その中で知ったのが「カサンドラ症候群」でした。

※カサンドラ症候群:相手が発達障害のためにうまく関係を構築できず、身近にいる人が不安や抑うつなどの心身の不調が出る状態のこと。正式な医学用語や診断名ではありません。

特性にイライラ…しかし2人で乗り越えていこうと決意

ちゃんまりさんは、だいすけさんの好きなところと嫌いなところを書き出してみて、嫌な点はADHDの特性に当てはまる部分が多く、仕方がないと思えるようになったそう。

それと同時に、ADHDで困っているのはだいすけさんだけではなく、自分だけでもない。2人が困っていることだから、2人で乗り越えようと思いました。

ちゃんまりさんが気をつけている伝え方は?

発達障害の旦那さんを持っている方へのアドバイスは、「感情的に伝えてはいけない」ということ。

だいすけさんは、口がうまくて頭の回転が早いため、理詰めで論破されてしまうことがあります。なので「あなたにこういったメリットがあるよ」と、根拠と理論をもとに前向きに話をするように心がけているそうです。

この伝え方をしても結局できるようにはなりませんが、次に指摘したときに素直に動いてもらいやすくなるそうです。

ちゃんまりさん曰く、相手の失敗に対するイライラの大半は「注意を素直に聞き入れてもらえないこと」。
素直に聞いてくれるようになるだけでイライラは大幅に減る、とのことです。

今は幸せいっぱい!

いろいろなことを乗り越えて「今は幸せいっぱい」と語るちゃんまりさん。

「だいすけさん自身が障害について理解し、人一倍努力する、尊敬できる夫だから、ここまで頑張ることができた。

1つの成功例として、参考にしてみてください」と語るちゃんまりさん。

この動画には、ADHDの旦那さんを持つ方から、「今、まさに急に泣いたり怒ったり情緒不安定な状態の時期で、誰にも言えずに孤独を感じていました」と共感の声や、「ちゃんまりさんの考え方は、子育てや仕事にも参考になる」と実際に参考になるとの声も届いていました。

今回は旦那さんへの対応の仕方でしたが、ADHDのお子さんを持つママさんにも参考になりそうですね。

画像提供・協力/ナカモトフウフのOkinawa Life Vlogさん


著者:ライター 廣瀬尚子


監修者・著者:助産師 松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

ベビーカレンダー編集部

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