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人生を映画化したい日本のカリスマ歌手は? 妄想キャスト予想(4)波瀾万丈の半生…ロックスターの真実とは?

  • 2024.6.25
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左から柳楽優弥、矢沢永吉【Getty Images】

昭和、平成、令和と、世代を超えて伝説となっている日本のミュージシャン。楽曲やパフォーマンス、ビジュアルはもちろん、その人たちの波乱万丈な人生を、もし伝記映画するなら、どんな配役がふさわしいだろうか…? 今回は、勝手に脚本を考えながら、演じてほしい俳優まで選出し、なるべくリアルにシミュレーションする。第4回。(文・ZAKKY)

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●矢沢永吉
演じるなら、この人!
~柳楽優弥~

「I LOVE YOU, OK この世界に」そんな往年の名曲が流れる。

自宅なのか、どこかのホテルからなのか、窓の外を後ろ姿で見つめ、ウイスキーをたしなめる哀愁漂う、70代の男の後ろ姿が映し出される。

かつて、広島で生まれ育った、非常に聡明だがやさぐれた青年がいた。彼は、幼き日に母親の蒸発、戦争による父親との死別を迎え、親戚中をたらい回しにされた。周囲からはいじめを受けたが、少年は「いつかビッグになってやる」という野望をこの時から思い描く。

それが、矢沢栄吉の「成りあがり伝説」の始まりであった。

中学生時代には、ビートルズやザ・ベンチャーズに憧れ、ロックスターになることを夢見るが、周囲には、馬鹿にされる。

しかし、矢沢の「ビッグなる」という気持は収まらず、高校卒業と共に上京。後の名曲『PURE GOLD』にも綴られているまさに「トランクとギターだけ」の状態で、何のツテもないまま、単身、横浜へと乗りこむのであった。

意気揚々としていた矢沢は自作曲を、レコード会社に持ち込むが、よき反応は得られなかった。

その後、楽器店などにメンバー募集告知の張り紙をし、それを見て集まったメンバーで結成されたのが、ジョニー大倉などを有する伝説のバンド「CAROL キャロル」である。

革ジャン・革パン・サングラス姿のザ・ロックンローラースタイルの彼らは、センセーショナルにデビュー。瞬く間に若者たちの人気を博していった。

しかし、音楽性の違い、ギャラの取り分などの問題がメンバー間で勃発。わずか、2年半で解散してしまう。

矢沢はこのころから、当時、ロックミュージシャンのイメージ形成としては御法度と言われていたミュージックビジネスに関心を示し、印税や金銭面に関し熱心に勉強をしていた。

そして、1975年に「矢沢栄吉」としてソロデビュー。アルバム『I LOVE YOU, OK』の制作費はキャロルで得た印税を全て注ぎ込んだ。

「永ちゃん」の通称で名を馳せ、不良少年たちを中心にその信者たちは、ますます拡大。瞬く間に時代の寵児、名実共にロックスターとなってゆく矢沢であった。

そんな順風満帆なミュージシャン人生を送る中、1990年代半ば、大事件が巻き起こる。オーストラリア・ゴールドコーストにて、世界へ発信できる音楽スタジオや音楽学校を作る計画していたところ、当時の側近である経理部長に銀行から借りた34億円もの資金を横領されてしまったのだ。

しかし、矢沢は不屈の闘志で這い上がり、実に十数年かけて横領された負債金額を返済したのである。現在、我々が知る「永ちゃん」の裏側には、スーパースターであるがゆえの苦悩と悲しみを秘めていたのだった。

そんな、スーパースター矢沢永吉を誰が演じるのか、問題は当然のごとく浮上する。実は、スペシャルドラマ『成りあがり』(2002)にて、松岡昌宏が、その大役を成し遂げていた。

男気溢れる永ちゃんを、松岡昌宏は語り口調なども非常に研究し、永ちゃんファンも納得の好演を果たしていたのだ。

そんな「永ちゃん」、役を演じてほしい現代。20~30代の永ちゃんをイメージすると、スタイリッシュでニヒルな雰囲気の柳楽優弥を、推薦したい。

子役時代から培われた卓越された演技力、目力に期待したいということが、まずは、選抜の第一の理由。さらに一時期、俳優業を辞め、一般の仕事に就いていたが、再び表舞台に復活。そんな自身の経験を何がなんでもスーパースターになりたいと思った矢沢永吉役を演じるに当たり、活かしてほしいのだ。

また、柳楽優弥は、18歳当時、相当太っており、中村勘三郎氏に「君は見栄えが悪いから俳優辞めなさい」と言われたことで、ダイエットに勤しんだという。

永ちゃんにはそのような経緯があるわけではないが、常にストイックさや体型維持を意識している。自身の苦い思い出を投影する上で、矢沢永吉役はまさに打ってつけではないだろうか。

エンドロールでは、バチバチに絞り上げた体型で「YAZAWA」タオルを肩からかけた柳楽優弥がステージに出陣する姿を、観たいものだ。

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