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笑福亭鶴瓶が“悪瓶”に? 鶴瓶演じる推理作家が悪い顔で狂言誘拐を偽装した第4話<古畑任三郎>

  • 2024.6.24
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普段、ニコニコしたイメージで好感度の高い人ほど、凶悪な役や猟奇的な役を演じたときのギャップで視聴者を震え上がらせることができる。三谷幸喜脚本の人気シリーズ「古畑任三郎」は、田村正和演じる主人公・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを卓越した推理力で解いていくミステリードラマの金字塔。FOD・TVerでは「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中で、第1シリーズの「警部補・古畑任三郎」第1~3話は7月6日(土)まで無料公開されている。落語家の笑福亭鶴瓶が、自信家で薄気味悪い殺人犯役を演じた第4話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)

【写真】「古畑任三郎 第3シリーズ」(左から)石井正則、田村正和、西村まさ彦

功名なトリックで警察をだまそうとする人気推理作家VS古畑

第4話「殺しのファックス」は、妻を殺して狂言誘拐劇を仕組んだ推理作家・幡随院(笑福亭鶴瓶)が、ファックスを利用したトリックに挑む。殺した妻を山中に埋めた幡随院は、山小屋に置いたファックスに数枚の脅迫文をタイマーでセットし、何食わぬ顔でいつも仕事場にしている都心のホテルに戻った。

幡随院の部屋で待機する蟹丸警部(峰岸徹)ら誘拐犯専門の刑事たち。その中にまじって、部下の今泉(西村まさ彦)を連れた古畑(田村正和)もいた。部屋のファックスに次々と送り込まれてくる、身代金三千万円を要求するなどの脅迫文。振り回される捜査陣。

だが古畑は冷静に事件の推移を見つめ、幡随院を観察していた。そして、ファックスに秘められたトリックに気付き、幡随院への疑惑を深めていく。

笑福亭鶴瓶の“悪瓶”な顔が古畑によって崩されていく

「古畑任三郎」シリーズは、“こんな人が犯人役を!?”という、役者以外の豪華なゲストの出演が果たされるドラマで、そこもまた魅力のひとつである。第2シーズンで弁護士役だった明石家さんま、1999年のお正月にスペシャル放送された“SMAP”回、2006年にファイナルで放送された野球選手の“イチロー”回は有名だが、この“笑福亭鶴瓶”回もそのひとつだ。

「ゼー、ハー…」と息を切らしながら薄暗い部屋で妻を絞殺し、夜に大きなスコップを使って遺体を地中へ埋める幡随院の姿は悪魔のようである。職業柄、巧みなトリックを生み出すミステリー作家だけに、幡随院の手の込んだ偽装は数分単位でミスを犯しては成立せず、幡随院本人もヒヤヒヤものだっただろう。

しかし、殺人現場で実戦を積んできた古畑と、作品の中で犯罪を生み出す作家では勝負が明らかだった。大きなパフェと辛い明太子スパなど甘いものとしょっぱいものを交互に食べながら捜査中にも余裕を見せる古畑は、初めから誘拐そのものが幡随院の仕込んだ狂言であることを見抜いており、逆に幡随院を「さすが、落ち着いてらっしゃる」などあおる始末。「先生の御本、出たら必ず読んでいます」と言いながら文中の“鯨鳥警部”をずっと「鮫島警部」と読み間違えていたなど、古畑のチクチクした攻撃が続いた。

笑福亭鶴瓶のことを後輩芸人であるナインティナインが自身のラジオで“悪瓶”と名付け、いじっていた時期がある。いつもの笑顔の裏で目が笑っていないとか、好感度抜群のタレントであるにも関わらず生放送中に大きなミスをやらかしがちであることを、愛を込めて野次ったものだ。まさに古畑第4話は、役者・鶴瓶の“悪瓶”な姿が存分に楽しめる今作である。

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