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寝具だけじゃない!ダニが多く潜む意外な場所とは?専門家に聞く梅雨時期のダニ対策のポイント

  • 2024.6.24
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気温20℃以上、湿度60%以上でダニは大量繁殖!? kyokyo / PIXTA(ピクスタ)
気温20℃以上、湿度60%以上でダニは大量繁殖!? kyokyo / PIXTA(ピクスタ)

ジメジメとした梅雨の時期がやってきました。ダニは、気温20℃以上、湿度60%以上で活動が活発になるため、気温が上がって湿度の高い梅雨時期はダニにとっては好条件です。そこで、ダニ対策ブランド「さよならダニー」の製造メーカーである株式会社イースマイルは、「梅雨時期の正しいダニ対策」について発表。この時期のダニ対策における重要なポイントが明らかになりました。

教えてくれたのは▶島野 智之(しまのさとし)先生

島野智之さん
島野智之さん

法政大学国際文化学部/自然科学センター教授。横浜国立大学大学院工学研究科修了。博士(学術)。専門はダニ学・動物分類学。夢は昆虫学者だったが、ダニ学者の恩師と出会いダニの道へ。2017年日本土壌動物学会賞受賞、2018年日本原生生物学会賞受賞、2022年日本動物分類学会賞受賞。

■ダニ対策ポイント(1):家の中に潜む9割がチリダニ!チリダニを増やさないことが対策の第一歩

ダニが活動的になる気温20度以上、湿度60%以上のまさに梅雨時期に増やさない対策が必要であるとダニ類の分類学や生態学を専門とする島野智之先生はいいます。

「この時期は各部屋に湿度計をおいて、室内湿度を確認する生活を習慣づけるとよいでしょう。今はスマホと連動できる温度湿度計があるので、それぞれの部屋の湿度を24時間管理するとダニ対策として効果的です。また、雨の日室内に衣類を干すと湿度が約10%も上昇するというデータがありますので、部屋干しする際は乾燥機も併用し湿度を下げるようにすると良いでしょう」とのこと。

家の中に潜む9割はチリダニで人のフケやアカを餌としますが人を刺すことはありません。人を刺し、強いかゆみを起こすのはツメダニという種類ですが、ツメダニはチリダニを餌とし繁殖していくため、まずはチリダニを増やさない環境が大事だといいます。さらにチリダニは非常に繁殖力が高く、一生のうちに産む卵の数は約100個。ということは1カ月半で30匹が2万匹にまで増加する、という事態に!

ダニの種類 画像提供 / 根本崇正
ダニの種類 画像提供 / 根本崇正

■ダニ対策ポイント(2):湿度をコントロールすることが最も重要!

ダニが好まない家、つまり「湿度が60%以下、できれば55%以下にコントロールされ掃除が行き届いた家」を保つことが重要になってくるとのことで、今やるべき梅雨時期ならではこその正しいダニ対策について島野先生に教えていただきました。

●初期段階でチリダニ類を撃退する!

チリダニの餌はヒトのはがれた皮膚・ふけなどヒトの身体から落下するもの。そのため頻繁に掃除機をかけて生活空間を清潔に保つことが重要であり、さらに布団や枕は餌が豊富にあるためより注意が必要です。チリダニ類は人を刺しませんが、その生息密度を下げることは、ダニアレルギーや喘息を抑えるだけではなく、チリダニ類を食べて人を刺すこともあるツメダニ類の発生を抑えることにつながります。

●エアコンの除湿器を有効活用

常に部屋の中の湿度が60%以下、できれば55%以下になるように、エアコンの除湿器を有効活用しましょう。

●掃除は朝早くか、夜遅く帰ったときに!

チリダニ類は明るい日中、光や振動を避けて、絨毯や畳の奥に潜んでいますが、暗くなって2時間ほど経つと表面にも出てきます。日中は外出し、暗くなってから帰宅した場合には(数時間部屋の中が静粛の状態が続き、かつ暗くなった状態で)電気をつけず暗いまますぐに掃除をすると良いでしょう。

●小麦粉やお好み焼き粉の管理には注意

開封後の粉物は、湿度が高いところに常温で保管しておくとコナダニがいる場合も。特に梅雨はダニが好む温度・湿度となるので注意が必要です。重篤な場合、ダニによるアナフィラキシーショック症状を起こす可能性がありとても危険ですので、密封して冷蔵庫へしまい賞味期限内に消費しましょう。

●減らしたダニを増やさないことが重要!掃除機がけは少なくとも1週間に1回以上

ダニは50℃の熱で20~30分、60℃の熱でほぼ一瞬で死滅します。加熱は3カ月に1度で結構ですが、掃除機がけは少なくとも1週間に1度は行い、減らしたダニを再び増やさないことが大切です。毎日1回、1平方メートルあたり20秒くらいで3週間掃除を続けると、半分から4割ダニを減らすことができたというデータがあります(1畳は1.8平方メートルなので40秒くらい)

●市販のダニ捕りシートの活用

毎日の家事に加えダニ対策を行うのは大変だと思います。市販のダニ捕りシートを気になる場所に設置するのも有効です。

さよならダニー/さよならダニーDX
さよならダニー/さよならダニーDX

「さよならダニー3Dダニ捕りシート」は、「置いて集めて捨てるだけ」で家のダニ対策ができるダニ捕りシートです。コンパクトサイズのシートを置くだけで、家のダニを効率的に捕獲し、ダニの繁殖を抑制。ダニの発生が予想される、枕、ソファ、カーペットなどのダニ対策を簡単に確実にできます(※1)。今年2月には、シリーズ史上最高、1枚当たり57万匹(※2)のダニが捕獲できる「さよならダニーDX」が発売されました。

■ダニ対策ポイント(3):ダニは、「クローゼット」「ぬいぐるみ」にも潜んでいる!

家庭でダニ対策を行っているかを株式会社イースマイルが調査したところ、半数以上の方が「できていない」と回答。また、何かしらのダニ対策をしている方に対策場所を聞いたところ、「ベッド(寝具)」に続き、「カーペット」、「衣類」を意識して対策しているという結果となりました。

調査1
調査1
調査2
調査2

島野先生に家庭内にダニが多く潜む場所を伺ったところ、一般的に一番多いのは「布団や枕(寝具)」で、敷布団の表面1平方メートルあたりには平均1,000匹、枕はたった1gのホコリあたり1,500匹いるとのこと。次いで「床面」、「クローゼット」、「衣類や衣類の収納容器」、「ぬいぐるみ」の順に多く潜んでいるそう。

調査結果と比べると、「衣類」は対策をしているものの、「クローゼット」まで行き届いておらず「ぬいぐるみ」に関しても意識が低いということがわかりました。

また、カーテンの裾やソファーの間、衣類をしまうタンスや布団をしまう押入れなど、意外なところにもダニが潜んでいて、浴室とトイレ以外は基本的にはダニが潜んでいるといいます。

ダニは家のいたるところにいて条件が整うと大量繁殖しやすいんですね。気温が上がって湿度の高い梅雨時期はいっそう注意が必要です。正しい対策をしてダニが好まない家を保ちましょう。

※1)チリ性ダニ用。イエダニ、マダニ等通常屋外に生息するダニは対象としておりません

※2)シート1枚の捕獲能力

枕のダニ対策に関する調査概要

■調査名 :枕のダニ対策に関する調査

■調査方法 :インターネット調査

■調査地域 :全国

■調査対象 :普段枕を使用する 1,000 名 (20 代~60 代の男女均等割り付け)

■調査期間 :2024 年 3月8日

■調査主体 :株式会社イースマイル

※「ご家庭でダニ対策をしている場所を教えてください。(いくつでも)」は、「ご家庭でダニ対策を行なっていますか?」に対し、「できていない」と回答した方以外を対象 (n=499)

文=秋武宏美

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