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襟足&うなじに「ニキビ」どうして?原因を皮膚科医に聞いてみた

  • 2024.6.24
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襟足やうなじにニキビができる原因とは?(画像はイメージ)
襟足やうなじにニキビができる原因とは?(画像はイメージ)

ニキビは顔にできることが多いですが、人によっては、後頭部の髪の生え際の「襟足」のほか、首の後ろの「うなじ」にできることがあり、なかなか治らない場合もあるようです。SNS上では「襟足にニキビができて痛い」「うなじにニキビができた…どうして?」という内容の声が上がっています。

そもそも、頭皮や首にニキビができるのはなぜなのでしょうか。特に襟足やうなじにニキビができやすい場合、どのような対策が必要なのでしょうか。つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック(茨城県土浦市)副院長で皮膚科医の鶴町宗大さんに聞きました。

首の後ろは汚れがたまりやすい部位

Q.そもそも、頭皮や首にニキビができるのはなぜなのでしょうか。

鶴町さん「一般的に、ニキビは顔にできるものだと思われていますが、ホルモンバランスや生活習慣、ストレスなどの影響により、皮膚のターンオーバーが乱れることで、頭や首、胴体、四肢など、顔以外の部位にも生じることが多くあります。

そもそもニキビができる主な原因は、毛穴の詰まりのほか、皮膚の常在菌である『アクネ菌』の増殖です。毛穴が詰まって炎症を起こすことで、赤みが生じるようになります。

頭皮は毛穴が多く存在し、皮脂の分泌量が多いため、毛穴がとても詰まりやすくなっています。また、頭皮は汗で蒸れやすいので、アクネ菌が増殖しやすい環境にあります。

そして、シャンプーを十分に洗い流さなかったことにより、毛穴にシャンプーやトリートメントが残ったり、入浴後に頭髪を十分に乾かさずにぬれたまま放置したりしてしまうことなども、アクネ菌の増殖を助長してしまいます。

首の前面は、紫外線などの影響により皮膚の角層が厚くなりやすい部位です。その結果、毛穴が詰まりやすくなります。また、皮脂の分泌量が少ない点や紫外線の影響を受けやすい点から、乾燥しやすい部位でもあります。乾燥状態では皮膚のターンオーバーが乱れやすく、ニキビも生じやすくなります」

Q.人によっては、襟足やうなじにニキビができやすい人がいます。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

鶴町さん「襟足やうなじなどの首の後面は、頭皮と同様、毛穴が多く存在し、皮脂の分泌量が多い状態です。そのため、毛穴が詰まりやすくなっています。

また、首の後面は髪で覆われていたり、髪と接していたりするため、洗髪時にシャンプーやトリートメントなどが残りやすく、汚れがたまりやすい部位です。これらが原因で、アクネ菌の増殖につながります。

短髪の人は紫外線が当たりやすく、角層が厚くなりやすいという点のほか、長髪の人は汗で蒸れやすいという点なども、襟足やうなじにニキビが生じやすくなる原因となります。紫外線が強い夏は特に注意が必要かもしれません」

Q.襟足やうなじなどにニキビができた場合の対処法について、教えてください。繰り返しニキビができる場合、皮膚科の受診を検討した方がよいのでしょうか。

鶴町さん「頭皮や首の前面・後面にニキビが生じてしまった場合は、早めに皮膚科を受診するのをお勧めします。皮膚科を受診してニキビの外用剤や内服薬などを処方してもらうことで、改善が見込まれるからです。

ニキビ全般における対策としては、『規則的な睡眠を確保する』『バランスの良い食生活を心掛ける』『ストレスをため過ぎない』など、日々の生活が重要になります。

頭皮のニキビの対策としては、適切に頭皮を清潔に保つことが必要です。そのために、洗い残しがないように、丁寧な洗髪とドライヤーで十分に髪を乾かすことを意識するのが大切です。

そして、日焼け対策として、ヘルメットや帽子を着用するのは有効ですが、蒸れている状態が長時間続くと、アクネ菌の増殖につながるため、適度に換気を行うことが大切です。

首のニキビの対策としては、頭皮と同様、清潔を保つことが必要です。そのために、丁寧な洗浄としっかりとした洗い流しを心掛けることが大切です。また、夏など汗が多く出るシーズンは衣類が湿ってしまうことが多いため、通気性の良い製品を選択すると良いでしょう」

Q.ちなみに、ニキビと粉瘤(ふんりゅう)は、何が違うのでしょうか。

鶴町さん「粉瘤とは、体のさまざまな部位において、皮膚の下に袋状の嚢腫(のうしゅ)が形成され、その内部に皮膚のケラチンであるあかがたまっている、良性の皮膚腫瘍のことを指します。この嚢腫は長年の経過とともに拡大していき、直径5センチを超えるようになる場合があるほか、細菌感染により炎症が生じることで感染性粉瘤と呼ばれる状態になることもあります。

この状態では、痛みを伴うとともに内部には膿(うみ)が認められます。そのため、感染性粉瘤の治療としては、切開などで内部の膿を排出させて、抗生剤の外用・内服を行い、炎症を抑える必要があります。

ニキビは先述のように毛穴の炎症であり、数ミリ以内の大きさにとどまります。時にはニキビの内部に膿を認める場合もありますが、粉瘤とは異なるものです。その見分け方はいくつかあります。

1つ目は、大きさです。粉瘤は先述のように直径5センチを超えるようになる場合もあり、ニキビよりも大きい場合が多いです。

2つ目は、内容物の臭いです。ニキビはそこまで特徴的な臭いはしませんが、粉瘤は袋状の内部にあかがたまっているため、特有の臭いを放ちます。また、粉瘤を圧迫してみると、内部からあかが排出されることがあり、この特有の臭いを実感しやすいです」

オトナンサー編集部

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