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「Solaるーむ」を知っていますか? 教室に入れない子どもたちに居心地の良い場所・空間を

  • 2024.6.24
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教室に入りづらさを感じている子どもを守り、個性に合った成長ができるよう支援していく、さいたま市の校内教育支援センター「Sola(そら)るーむ」

みなさんにとって、学校はどんなところでしたか? 友だち、先生、授業、給食、行事…さまざまな経験を重ねてきたと思います。子どもたちにとって、1日のほとんどを過ごす学校は、居心地の良い場所・空間でなくてはなりません。

 “学校へ行ったけれど、教室に入れない”

さいたま市では、教室に入りづらさを感じている子どもを守り、1人ひとりの個性に合った成長ができるよう支援していく、校内教育支援センター「Solaるーむ」を全ての市立小・中等教育学校(前期課程)<全163校>に導入しました。

出典:リビング埼玉Web

フランス語のSoleil(太陽)と日本語の空(そら)を合わせた造語。1人ひとりが自分のペースですくすくと育ってほしいという願いが込められています

これまで経験したことのないコロナ禍を経て、子どもたちを取り巻く環境は激変しました。不登校になってしまった児童・生徒もいます。また、登校はできるけれど、さまざまな理由から教室に入れない児童・生徒もいます。こうした子どもたちにとって、通常の登校、生活へは非常に高いハードルがあります。これまで、各学校によって子どもたちへの対応はさまざまでした。

校内の空き教室や相談室等を利用して、学校生活をサポート

そこで市では、教室に入れない児童・生徒が安心して落ち着ける場所として、各学校が行ってきたこれまでの取り組みを整理し、「Solaるーむ」として居場所を保障するための指針を示しました。

出典:リビング埼玉Web

学校によっては、子どもたちがこの“場所・空間”に名前を付けることも

学習は自習が中心となりますが、教室で行われている授業にオンラインで参加したり、状態によっては休み時間にほかの友だちと過ごしたりする子もいます。スモールステップですが、学校で“人との関わり”という挑戦を続けています。

市教育委員会によりますと、こうした子どもたちは頑張りすぎて、いわば“心のエネルギーが少なくなっている状態”だといいます。慌てて無理に頑張らせようとするのではなく、少しずつエネルギーがたまっていくのを、周囲が忍耐強くサポートしていかなくてはいけないということです。

「場所」と「人員確保」について

出典:リビング埼玉Web

相談室を「Solaるーむ」として利用している小学校の例。エアコンがないので、夏場の対応を検討しています

「場所」と「人員確保」について、各学校が実態に応じて対応しています。「場所」については、学校の規模や児童・生徒数の増減などから、確保できる場所が限られてしまいます。また、デリケートな子どもたちのプライバシーを保護する点でも、場所選びに相当な配慮が必要となってきます。

出典:リビング埼玉Web

多様な学びの場所を確保すること、時代とともに教育現場も変化しています

「人員確保」についてある学校では、複数の教員が役割を分担して、サポートに入るケースがあるそうです。PTAのOBやボランティアが協力するケースもあるということですが、依頼に際しては、守秘義務や人権的配慮など、守るべき留意点について事前にしっかりと説明しています。さらに、学校ごとにサポート体制が異なるので、情報を共有し、良い点は取り入れて改善していくことが必要です。

保護者にとっては、学習の遅れなどの心配があるかもしれません。ですが、まずは子どもたちが校内で安心していられる場所・空間を提供してあげることに尽きます。 市教育委員会では、まず子どもが通う学校へ相談してみること、また市内6カ所ある教育相談室を利用してほしいと呼びかけています。

誰もが太陽のもとで、のびのびと輝けるように…。家庭、学校、地域の大人たちが、いつの時代になっても“宝”である子どもたちをサポートしていきたいですね。

 ■さいたま市教育委員会

https://www.city.saitama.lg.jp/003/002/008/index.html

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