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産業副産物をアップサイクルし“新しいウォッカ”を造るカナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉

  • 2024.6.23
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カナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉の外観

3つのポイント

1.廃棄物となるミルクパーミエイトを活用。
2.CO2排出量を既存の製法の半分に抑える。
3.ラクトースフリーのクリームリキュールも。

産業副産物をアップサイクルし“新しいウォッカ”を造る蒸留所

オタワ近郊アルモンテに位置するウォッカの蒸留所〈Dairy Distillery〉は、産業課題をユニークに昇華させる注目企業だ。ウォッカは通常ジャガイモや穀物から造られるが、彼らの製品《VODKOW VODKA》はミルク由来。通常廃棄される乳製品の産業副産物「ミルクパーミエイト」から蒸留している。

従来の製法ではジャガイモなどの糖化の過程でエネルギーと水を大量に消費する。一方ミルクパーミエイトは乳糖を含む液状で、糖化のステップが不要なためエネルギーも生産時間も削減できる。さらに軽量ボトルを採用することで、既存の蒸留法に比べCO2排出量を半分にとどめることに成功した。

ウォッカは各種2サイズを用意。750㎖34.95CAD、250㎖14CAD。
ウォッカは各種2サイズを用意。750㎖34.95CAD、250㎖14CAD。
ボトルは既存のリキュール用ガラスの半分の薄さ。750㎖用1本につき30gという驚きの軽さを誇る。
ボトルは既存のリキュール用ガラスの半分の薄さ。750㎖用1本につき30gという驚きの軽さを誇る。
銅製の蒸留器はドイツ最古の蒸留器メーカー〈Christian Carl〉製。
銅製の蒸留器はドイツ最古の蒸留器メーカー〈Christian Carl〉製。
取締役社長のAnthony Seed。国内大手〈Corby Spirit and Wine〉で10年間の勤務経験がある。
取締役社長のAnthony Seed。国内大手〈Corby Spirit and Wine〉で10年間の勤務経験がある。
カナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉
〈DAIRY DISTILLERY〉店内の様子。

カナダ産生クリームと彼らのウォッカをブレンドした《INFUSED CREAM LIQUOR》は、日本人に嬉しいラクトースフリー。地元企業との協力にも努めており、例えば〈EQUATOR COFFEE ROASTERS〉とコラボしたコーヒー味や、〈HUMMINGBIRD CHOCOLATE MAKER〉と作ったチョコレート味など。〈Fulton's Sugar Bush〉とタッグを組んだメープル味は今や人気フレーバー。コーヒーに入れたり、カクテルを作ったりするのに最適だ。

エコや地域活性化の気運が高まるカナダの風潮にマッチし、ニュース番組で取り上げられることも多々。産業廃棄物のような一見すると社会に不要なものにこそ、世の中を動かす種が眠っているということかもしれない。

カナダの蒸留所〈DAIRY DISTILLERY〉
工場はモダンな納屋をイメージ。

Information

〈DAIRY DISTILLERY〉

DAIRY DISTILLERY

デイリー・ディスティラリー/毎週土曜に工場ツアーを開催。1人11.5CADで試飲付き。バーでカクテルも提供する。

住所:34 Industrial Drive, Almonte
営:10時~16時(土11時~17時、日11時~)
Instagram:@vodkow

*1CAD(カナダ・ドル)=112.98円(2024年4月24日現在)。

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