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北米サマーシーズンに“救世主”が現る!ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』がアニメ映画歴代2位のオープニング興収で初登場

  • 2024.6.22
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すっかり元気を失っていた北米のサマーシーズンに、ようやく救世主が現れた。先週末の北米興収ランキングは、ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)が抜群のスタートダッシュを決めてNo.ワンを獲得。この一本の特大ヒットだけで「いつものサマーシーズンらしくなってきた」とはまだ言えないかもしれないが、少なくともいまの北米映画興行においては、かなり大きな出来事であると断言できよう。

【写真を見る】2作連続のオスカー長編アニメ賞入りも確実!?観客からの評価は前作以上

“頭のなか”を舞台にした『インサイド・ヘッド』の9年ぶりの続編がついに公開! [c]Everett Collection/AFLO
“頭のなか”を舞台にした『インサイド・ヘッド』の9年ぶりの続編がついに公開! [c]Everett Collection/AFLO

ディズニー系のアニメ作品としては『アナと雪の女王2』(19)と並ぶ歴代2位タイ(1位は『トイ・ストーリー4』)の4440館という大規模で封切られた『インサイド・ヘッド2』の初日から3日間の興行収入は1億5420万ドル。これは歴代25位のオープニング成績であり、アニメーション映画としては『インクレディブル・ファミリー』(18)の1億8268万ドルに次ぐ歴代2位となる。

2015年に公開され、北米最終興収3億5646万ドルの大ヒットを記録した前作のオープニング興収が9044万ドルだったので、対比170%という驚異的な伸び率。ここのところ閑散期が続いていたこともあって、事前の予測では9000万ドル前後のオープニングになるとみられていたが、木曜日のプレビュー上映のあたりから上方修正に上方修正を重ね、結果的に『バービー』(23)以来まる一年ぶりとなる1億ドル超のオープニングを飾ることに。まさにディズニー/ピクサーの底力だ。

新たな感情たちが登場し、ヨロコビたちに思わぬ事態が… [c]Everett Collection/AFLO
新たな感情たちが登場し、ヨロコビたちに思わぬ事態が… [c]Everett Collection/AFLO

前作は海外興収が5億ドルを突破しており、全世界での累計興収は8億5761万ドル。今作は公開から5日目の段階で早々に北米累計興収2億ドルを突破しており、これは前作よりも1週間ほど速いペース。海外興収もすでに2億ドルに楽々と到達しており、現時点で2024年公開作の全世界興収ランキングで4位にランクイン。前作が成し得なかった“10億ドル突破”はほぼ確実との声もあがってきている。

期待されてきた大作が伸び悩むケースが相次いでいる2024年の映画興行。このサマーシーズンはメガヒット確実の『怪盗グルーのミニオン超変身』(7月19日日本公開)の独壇場になるとの見立てもあったが、これで一気に“一騎打ち”ムードが高まりをみせることだろう。同作の公開までにどれだけ興収を積み上げることができるかが、『インサイド・ヘッド2』に課せられた大きなミッションであろう。

【写真を見る】2作連続のオスカー長編アニメ賞入りも確実!?観客からの評価は前作以上 [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】2作連続のオスカー長編アニメ賞入りも確実!?観客からの評価は前作以上 [c]Everett Collection/AFLO

ちなみに作品評価を批評集積サイト「ロッテン・トマト」でチェックしてみると、前作が批評家からの好意的評価98%、観客からの好意的評価89%だったのに対し、今作は前者が92%と後者が96%。批評家からの評判は前作に届かなかったが、それでも非常に高い。少なくともこのサマーシーズンの救世主となったことで、来年のアカデミー賞の長編アニメーション賞入りは当確状態とみてもよさそうだ。

賞レースではイルミネーション作品はあまり相性がよろしくなく、そちらで強敵となるのは同じディズニーの『モアナと伝説の海2』(12月6日日本公開)か、Netflixとアードマンがタッグを組んだ『Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl』か。日本勢からはアヌシーで大絶賛を浴びた『化け猫あんずちゃん』(7月19日日本公開)が有力視されていたり、『リンダはチキンがたべたい!』(24)などのアートアニメもかなり層が厚くなりそうで、例年以上の大激戦が予測されている。

興行面でも批評面でも、しばらくは『インサイド・ヘッド2』で話題が尽きることはなさそうだ。

文/久保田 和馬

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