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イオン系列の赤字オーガニックスーパー【ビオセボン】、行ってわかった「庶民が利用できない」理由

  • 2024.6.22
イオン系列の赤字オーガニックスーパー【ビオセボン】、行ってわかった「庶民が利用できない」理由の画像1
ビオセボン(写真:サイゾーウーマン)

フランスのオーガニックスーパー「ビオセボン」。日本に2016年に上陸し、イオン系列が運営しています。上陸してから何年にもわたり赤字が続いている「ビオセボン」を、実際に訪れてみました。

目次

・【ビオセボン】とは?
・【ビオセボン】行ってみた
・【ビオセボン】庶民は到底買えない現実

【ビオセボン】とは?

イオン系列の子会社、「ビオセボン・ジャパン」が運営するフランス発のオーガニック・スーパーマーケット「ビオセボン」。日本に2016年12月に上陸、現在は東京・神奈川に24店舗を展開しています。

「ビオ」とは、フランス語でオーガニック(有機)のこと。「ボン」はフランス語で「おいしい」「良い」を意味し、屋号の「ビオセボン」には「オーガニックっていいね」という思いが込められているそう。

本国では20年に経営破綻し、総合スーパー最大手「カルフール」の傘下に入ったビオセボンですが、現地では人気のスーパーのようです。

一方、日本でのビオセボンはといえば、18年2月期から22年2月期まで少なくとも5期連続で赤字だったとか。赤字は年々拡大し、22年2月期には純損失15億5,635万2,000円。しかし、昨年23年2月期についに黒字転換しましたが、これについては、1年で回復できるような純利益ではないとして、なにかしらの特別計上があったのではないかとも指摘されています。

なお、24年2月期についてはいまだ明らかにされていないようですが、23年2月から24年2月にかけて3店舗(赤坂店、碑文谷店、日吉店)が閉店していることから、苦境にあることがうかがいしれます。

そんなビオセボンについて、実際に店舗を訪れてみました。

【ビオセボン】行ってみた

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JASマークの説明(写真:サイゾーウーマン)

今回は路面店ではなく、百貨店にテナント展開しているビオセボンに行ってきました。

店内に入ってすぐは、バナナやトマトやなすなどの果物や野菜。この点は普通のスーパーと変わらないね、と思ったものの値段を見て仰天!! 「オーガニックなす」(栃木県産の)が3本で494.64円。目を見張ってしまう高額さ!

ほかにも、「オーガニックトマト」(熊本産)が1個159.84円、「オーガニック国産バナナ」(沖縄産)625.84円(「お買い得品です!」のポップ付き)などなど。買えるものがひとつもない! と思っていたら、思わぬお宝を発見。どこも傷んでいないきれいななすが、「おつとめ品」として3本216円で出されていました。

探せば庶民も手が届くものがありそうです。

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なすのおつとめ品(写真:サイゾーウーマン)

青果コーナーは、値札の横にJASマークがしっかり表示されています。

「自然と友達」というポップでは、野菜に虫がついてることもあるとお知らせしていました。

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グレープフルーツのJASマーク(写真:サイゾーウーマン)
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虫がついていることも(写真:サイゾーウーマン)

全体的に高級ですが、「オーガニックえのき」は138.24円で、まだ手が届きやすいものも。「おつとめ品」コーナーもあるので、案外お手頃に買える可能性もありそうです。なお、イオン系とはいえトップバリュの商品は置かれていません。

知っている調味料はひとつもない衝撃

さすがフランスのスーパーとあって、調味料は知らないものがズラリ! オリーブオイルだけでも数多の種類が展開されていますが、一方でおなじみの味の素「エクストラバージン オリーブオイル」は置いていません。

金額はやはりお高く、わずか92gで950.40円する「オーガニックフレーバーオイル」はビオセボン直輸入だそうです。

日本のお好みソース、中濃ソース、ウスターソースなどもあるものの、ブルドッグソースやオタフクソースといった大手は皆無! 代わりに幅を利かせていたのは「光食品」「高橋ソース」というメーカーで、いずれも有機原料100%です。

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ズヴェルゲンヴィーゼ 有機ヴィーガンスプレッド チャイブ(写真:サイゾーウーマン)
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輸入はビオセボン(写真:サイゾーウーマン)

ネット上で「ビオセボンのおすすめ商品」としてよく紹介されていたのが、こちらの「有機ビーガンスプレッド」(321.84円)。バターに代わる植物性のスプレッドで、食感がバターのようだといわれています。物珍しいのでひとつかごにいれました。

ドリンクコーナーも、おしゃれなパッケージの見たことがない商品がずらずらと並んでいて、楽しい半面、どれを買ったいいのか決めかねて悩ましい……。結局、「ビオセボンのおすすめ商品」で挙げられている、「オーガニックオーツミルク」(170.64円)を手に取りました。

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オーガニックオーツミルク(写真:サイゾーウーマン)

ここまで、フランスナイズされたおしゃれなパッケージばかりを目にしてきたせいで、「どうせ見た目がダサいものは置かないんでしょ」と妙にひねくれた気持ちになってしまった筆者。

そんな折に目に飛び込んできたのが、昭和レトロな「有機みかんサイダー+レモン」(162円)! まるでホームシックに陥った異国で見つけた母国アイテムの如く、ホッと心が緩んでしまいました。

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オレンジのキャラが味わい深い(写真:サイゾーウーマン)

味も見た目を裏切らない、優しい微炭酸の素朴なサイダーでしたよ。

有機食品の納豆、卵、麦焼酎やオーガニックコットンの生理用ナプキン

ビオセボンはスーパーなので、お肉や納豆や卵も、もちろん高額ではありますが取り扱っています。

離乳食やレトルトカレーや缶詰め、有機栽培した大麦を使ったオーガニック麦焼酎までもあり、有機食品だけで食卓を揃えようと思えばできちゃうんだなあ、と驚かされました。

お菓子も総じてお高めですが、有機いちじくをベースにした「オーガニックパワーボール」(637円)はまだお手頃なほうだったので購入。輸入品の見た目ですが、愛媛県の会社でした。

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オーガニックパワーボール(写真:サイゾーウーマン)
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愛媛の会社(写真:サイゾーウーマン)

生活雑貨コーナーでは、オーガニック化粧品やオーガニックコットン生理用ナプキン、オーガニックの歯ブラシセットまで展開されていて、これまた衝撃でした。

【ビオセボン】庶民は到底買い物できない現実

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ビオセボンのロゴ(写真:サイゾーウーマン)

今まで見たことのない商品で構成されているビオセボンの店内は、学ぶことがとても多かったです。

特に、同じ日本で生活していても、ビオセボンを利用する人とスーパーマーケット「ベルク」を使っている筆者とでは、なすひとつでも、こんなに価格が違うんだなと気付かされた次第です。本当に目にする価格がすべて高いので、店内を一巡し終わる頃には「格差社会」という言葉も頭に浮かんできました。

もし今後、筆者が有機食材で食卓を揃えようと思っても、この金額じゃあ到底ムリだという現実も見え、日本はオーガニック後進国といわれるそうですが、この価格帯じゃあ庶民に広がるのはそりゃ不可能だと痛感します。

ただ、ビオセボンの商品説明カードはとても丁寧でわかりやすく、読んでいるだけでオーガニック関連の知識が入ってくるので、学びの場としてはとても優秀! 予算を決めてたまに買い物に行き、知識も身につけるような距離感が個人的にはベストだと思いました。

なお、最後にショックなことが……。ビオセボンの目と鼻の先にある「カルディ」を帰りにのぞいたところ、ビオセボンで購入した有機スプレッドが20円ほど安く売られていました。しかも、商品を厚紙でしっかり囲ったパッケージになっていて、見た目も立派……。トホホな気持ちになってしまいました!

サイゾーウーマン編集部
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