1. トップ
  2. <響け!ユーフォニアム3>久美子と麗奈が “特別”を再確認、真由との関係はどうなっていく…?

<響け!ユーフォニアム3>久美子と麗奈が “特別”を再確認、真由との関係はどうなっていく…?

  • 2024.6.22
  • 72 views
アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回が放送 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回が放送 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

【写真】SNSでも話題となった、久美子と麗奈の「大好きのハグ」シーン

吹奏楽に青春を捧げ、全国大会での金賞を目指す高校生たちの姿を描いた「響け!ユーフォニアム」(毎週日曜昼5:00-5:25ほか、NHK Eテレ/NHKプラス・Lemino・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Huluほかで配信)、シリーズの「最終楽章」となるTVシリーズ第3期。新部長に就任した黄前久美子(CV:黒沢ともよ)は3年生に進級し、部員たちとともに高校最後の大会へと臨んでいく。第十一回は、全国大会へと駒を進めた久美子が自らの進路を見出す「みらいへオーケストラ」。(以下、ネタバレを含みます)

関西大会で金賞、全国大会進出へ

関西大会の結果、見事に全国大会へ進出した北宇治高校吹奏楽部。本番直前の久美子のスピーチが功を奏したと話す加藤葉月(CV:朝井彩加)と川島緑輝(CV:豊田萌絵)だったが、その一方で、ユーフォのソリを吹いた黒江真由(CV:戸松遥)の演奏が部員たちやネットで評判となっており、久美子もまた真由の演奏の素晴らしさを感じていた。パート練習で真由と顔を合わせた久美子は、「真由ちゃんのおかげで全国行けた」とお礼を言うものの、真由から「本当にそう思ってる?」と聞き返されてしまうのだった。

前回、本番直前の久美子のスピーチによって団結した吹奏楽部。自分の思いを正直に伝えたことで、久美子と部員たちのモヤモヤもいくらか晴れたかと思っていたが、真由の演奏は久美子にとっては複雑で、やはり部長としての気持ちとプレイヤーとしての想いで揺れているようだ。また序盤は、職員室での久美子と滝昇(CV:櫻井孝宏)の会話も見どころ。滝が大学生だったころ、生前の妻と「吹奏楽部」の話をしたことがあり、毎年メンバーが入れ替わる高校の吹奏楽部を「賽の河原に石を積んでいるようなもの」と表現。それに対して妻は「石じゃないよ、人だよ」と答えたというもの。滝の口からこの言葉を聞いた久美子は、ハッとした表情を浮かべて背筋を伸ばす。今回は、このほかにも久美子がハッとする瞬間が幾度も描かれており、そのどれもが印象的なシーンとなっている。それぞれ久美子の気持ちになって考えてみると、また面白い発見があるかもしれない。

久美子と麗奈の「大好きのハグ」が炸裂!

一足早く推薦での大学進学が決まった緑輝をお祝いして、イタリアンレストランでピザを食べる久美子たち。そこで、高坂麗奈(CV:安済知佳)がアメリカの音楽大学へ進学するという話が持ち上がる。その帰り道、麗奈は久美子に先日の言い合いについて、「言いすぎた」とハッキリと謝罪。それを受け入れた久美子は、両手を大きく広げて「大好きのハグ」を要求し、仲直りするのだった。

第九回にて過去イチの喧嘩をしてしまった久美子と麗奈だが、麗奈から謝罪することで落ち着いた二人。麗奈が素直に謝罪した瞬間、久美子はまたもや少しだけ驚いた表情を浮かべ、そのあとは身振り手振りを交えて、大げさにおどけてみせるなど、何かを感じ取った様子なのも興味深い。いずれにしろ、駅で平然とハグをするふたりの様子には、SNSでも「堂々とイチャイチャしやがってww」と大盛り上がりだった。

真由、ふたたびオーディション辞退の申し出

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

全国大会で演奏するメンバーを選抜するオーディションが迫るなか、久美子の練習場所に再び真由が現れる。今回もまたオーディションを辞退する申し出で、久美子はこれまでと同じく「公平にオーディションで競い合いたい」と伝えるも、真由はこれ以上なく真剣な面持ちで「それは本心じゃないよ」とつぶやき、去っていく。その後、会話の一部始終を聞いていた久石奏(CV:雨宮天)は、真由は「ソリを譲ってほしい」と久美子に言わせるために何度も言いに来ているのだと断言。それを聞いた久美子は、これまでの自分と真由の言動を回想し、自分なりの結論に思い至るのだった。

真由の数回にわたるオーディション辞退の申し出。久美子と真由の溝は回を重ねるごとに深まっているように見えるが、これまでは最終的には真由が折れる形で提案を引っ込めていた。しかし今回は、「公平に競い合いたい、上手い方がソリを吹く」は建前で、本心は「麗奈と一緒にソリを吹きたい」というのが久美子の本心だときっぱりと言い切り、話の決着はつかぬままとなった。さらに久美子も、これまでの真由と自分の中学時代の姿を重ね合わせ、驚いた表情とともにとある結論に達したようで、これまた興味深い。このふたりの対峙にはSNSでも「久石が言いたいことを全部言ってくれる」「真由自身も苦しいのだろうけど…」などの声があがっていた。

久美子、音大進学はしないことを決意

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

麗奈から卒業生の鎧塚みぞれ(CV:種崎敦美)が出演する音楽大学の演奏会に誘われた久美子は、姉の黄前麻美子(CV:沼倉愛美)にヘアメイクをしてもらい、おめかしをしてみぞれの大学の演奏会を鑑賞。大学一年生にしてソロを吹くみぞれの演奏に釘付けになった久美子は、演奏後、みぞれに自分が同じ音大に入ったらどう思うかと問いかける。みぞれは、音大にいる久美子が想像できないという理由から「何とも思わない」と返答。久美子はやや間を置いたのち、「ですよね」と納得するのだった。

このパートは見どころが盛りだくさん。すっかり仲良しとなった久美子と麻美子の姉妹の会話では、メイクを施してもらいながら今の自分の気持ちを話す久美子と、それを「うん」と頷きながら聞いている麻美子の雰囲気が抜群に良い。途中、無自覚に声が震え出す久美子の繊細な芝居も素晴らしいが、それに対して「大人になるってそういうことかもね」と麻美子が返し、次の瞬間、鏡に大人っぽく変身した久美子が映るという演出がまた素晴らしい。今回のエピソードでは、随所に久美子が「子供」から「大人」へと変化する瞬間が描かれているような気がして、そんな視点で観てみるのも面白いかもしれない。さらにはおめかしした久美子や麗奈、OGの面々など、レアなビジュアルが満載で、各キャラクターの新たな魅力が光ったシーンとなっている。ちなみに、みぞれが演奏会で吹いていたのは吹奏楽曲として人気の「ダッタン人の踊り」で、かつて中学時代のみぞれがコンクールを苦手と感じるきっかけになった因縁の曲でもある。この演出にはSNSでも「南中カルテットの時間だあ」といったコメントも寄せられていた。

演奏会の帰り道、久美子は麗奈に、音大には進学しないことを改めて伝える。すると麗奈は、「じゃあ久美子とはこれで終わりにする」と言い出すが、久美子は「麗奈らしい」と、思わず吹き出してしまう。音楽という繋がりがなくなったら疎遠になってしまうことを心配する麗奈に対し、久美子は麗奈の手を取って「私たちは変わらない」と宣言。こうしてふたりの“特別”を再確認した久美子たちは、いよいよ最後のオーディションに臨むのだった。

最後は久美子と麗奈のシーンで締めくくり。ここでの麗奈と久美子は大人びたメイクの効果もありいつにもまして可愛く、凛々しい。さらに通りすがる自動車のヘッドライトに照らされる光と影の演出もあいまって、大人で落ち着いた雰囲気が漂っている。さらに印象的なのは、ひとりで橋を歩く久美子の表情だ。ふたりの絆を確認した直後にも関わらず、その表情は固く引き締まっていた。このあたり、今回の久美子のテーマでもあろう「大人」を象徴しているカットと言えるかもしれない。さて次回第十二回は6月23日(日)放送予定。期待して待とう!

※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」

■文/岡本大介

アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
アニメ「響け!ユーフォニアム3」第十一回より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
元記事で読む
の記事をもっとみる