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男性NGの産科・婦人科に男児を連れていくのはアリ?→「嫌だ」という声が上がるワケは…

  • 2024.6.22
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ことの発端はSNSのとある投稿。「男性は入らないでください」と書かれた婦人科に、男児を連れて行くことを問題視する内容でした。しかし、健診や診察に男の子を連れて行かざるを得ないママがいるのは事実。SNSでは、「子どもでも抵抗がある」「男性に男児は含まれないのでは?」など、さまざまな意見が飛び交っていました。

産科・婦人科への男児の同行が気になる人はどれくらいいる?

一部の産科や婦人科には「男性の来院お断り」というルールがあります。これには、男性が待合室の椅子を使用することで患者さんや妊婦さんが座れないなどのマナー問題や、婦人科というセンシティブな診察をする場所に男性がいることに抵抗を示す女性がいることなど、さまざまな背景があるようです。

では実際に「産科・婦人科への男児の同行が気になる」という人はどれくらいいるのでしょう。

ベビーカレンダーの投票箱機能を使ってアンケートをとったところ、89%の人は気にならないという回答でした。

しかし、やや気になる人ややめてほしいと思う人がいるのも事実。どのような点が気になり、嫌だと思うのでしょう。

男児の同行に賛否の声

SNSに投稿された否定的な声を見てみると、以下のような意見がありました。

・「男児は男性ではない」って認識は違うと思う。

・婦人科にはさまざまな事情があって、女児も来る。そこに同年代の男子がいるのは嫌なのでは?

・婦人科にはセンシティブな女の子の患者もいます。親はその意図を汲んだほうがいい。

・婦人科の診察カーテン下から男児に覗かれて嫌な思いをした。

・男児も男。どうしても男児を連れて婦人科に行きたいなら、男性OKの婦人科を選べばいいのでは。

・産科はさておき、婦人科には遠慮すべき。治療の内容が異なる。

たしかにプライベートゾーンの診察があったり、センシティブな治療をしたりする産科や婦人科において、例え子どもであっても男の子がいることに抵抗がある、という意見も一理あります。

しかし「病院が注意しないのであればOK。その判断がすべて」「子どもを預けられる人ばかりではない」「子どもを外で待たせておけるわけがない」と、男児の同行を問題視しない人、許容する人もいるようです。

実際のところ、産科や婦人科の受診が必要になった際、子どもを預けられる場所がないママはたくさんいるでしょう。また、男性の来院を禁止していない病院を選べるかと言うと、近くに病院がないなどの事情で、やむなく受診する人もいるはずです。

安心して子どもを生み育てられる社会を作るためには?

この問題で気がかりなのは、妊娠や出産に関する治療や診察をおこなう産科や婦人科にいくハードルが高くなってしまうこと。この風潮が強まり、第二子・第三子を産むことを躊躇してしまうと、ますます少子化は進んでしまいます。

病院が「男児禁止」と明言せず、男児連れのママを注意していないのであれば、容認する気持ちも必要ではないでしょうか。また、この問題の根底にある「男性に男児は含まれるのか?」という認識のズレを、病院側がきちんと明示し、線引きすることも重要です。

だからといって、男性NGの病院に堂々と男児を連れていくのもまた違う話。男児を連れていくママは、「子どもから目を離さない」「病院と言う場所についてしっかり話して聞かせておく」という意識は大切といえるでしょう。

また、診察や健診に行く女性の負担が大きい・子どもを預けていける環境がない、ということも問題です。パパが休みやすい、気軽に預けられる場所があるといった、世の中の風潮を作ることも急務だと言えます。

安心して子どもを産み育てられる社会を作るためにも、このような意識が広がることを願います。また、ひと目ではわからない互いの状況や気持ちを想像し、思いやりを持つことも大切なのではないでしょうか。


監修者・著者:助産師 松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

ベビーカレンダー編集部

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