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【二十四節気】6月21日「夏至」ってどんな日?世界中で夏至祭りが行われる理由とは?

  • 2024.6.21

「夏至」はどのような日?

「夏至」はどのような日?
「夏至」はどのような日?

「二十四節気(にじゅうしせっき)」は昔から使われている季節を表す言葉で、1年を24等分したものです。「夏至(げし)」は二十四節気の一つで、立春から数えて10番目、季節は夏になります。

夏至は、太陽の通り道である黄道(おうどう)上で最も北にある点、「夏至点」に太陽の中心が到達したときのこと。そのため夏至の日付は固定されておらず、毎年「国立天文台」によって計算され、2月1日に発表されています。2024年の夏至は6月21日日本標準時間の5時50分になり、次の節気となる「小暑(しょうしょ)」が訪れるまでの6月21日〜7月5日が夏至の期間です。

この期間は1年で最も太陽の位置が高くなり、昼の時間がいちばん長い日となります。ただ、これは北半球だけの話。私たちが住む日本とは季節が真逆の南半球では、夏至は冬至(とうじ)に該当し、1年で最も昼の時間が短い日となります。これは地球の自転軸(地軸)が公転面に垂直な直線に対して約23.4度傾いているため、北半球と南半球では太陽の光を受ける量が逆になるためです。

夏至に食べるといい食べ物って?

夏至に食べるといい食べ物って?
夏至に食べるといい食べ物って?

夏至の真逆となる「冬至(とうじ)」には、かぼちゃや小豆粥など、食べると厄祓いできるとされるものがたくさんありますが、夏至には全国的に食べられている行事食がありません。それは陰陽五行説では夏至の日に太陽のエネルギーが最も高まると考えられているため、栄養豊富な食べ物をいただくことで厄祓いをする必要がないからなのかもしれません。それでも地域によっては夏至の日に食べるといいとされる食べ物があるので、紹介していきます。

関東地方では、収穫したばかりの小麦ともち米を半量ずつ使った「小麦餅」を作っていただきます。この時期に小麦の収穫と田植えが終わることが多く、神様へ感謝の気持ちを伝えるとともに、豊作を祈ってお供えしたことが起源と言われています。奈良県でも、同じように小麦ともち米を使ったお餅「半夏生(はんげしょう)」を作る風習があります。

大阪を中心に関西地方では夏至の頃にタコを食べる習慣があります。この頃は田植えが終わるため、タコの吸盤のように稲がしっかり根付き、豊作になってほしいという願いが込められているようです。また、栄養豊富なタコを食べることで、田植えで疲れた体を癒やす意味も込められています。

香川県では夏至の期間にある「半夏生」と呼ばれる期間に、農家が農作業を手伝ってくれた人に対し、その年に収穫された小麦で打ったうどんを振る舞う風習があります。半夏生の期間の始まりが7月2日になることが多いため、「本場さぬきうどん協同組合」では7月2日を「うどんの日」と定め、小麦が収穫できたことへの感謝とさぬきうどんの発展を祈願して献麺式を行っています。

夏至の日に世界中で行われている行事とは?

夏至の日に世界中で行われている行事とは?
夏至の日に世界中で行われている行事とは?

太古の昔から人々は太陽を信仰の対象として崇めていました。なぜなら、太陽がなければ作物は育たず、生きてはいけないからです。太陽の動きを観察していた人々は早い時点で夏至の存在に気づいていたようです。それを裏付けるのが、古代に造られた建造物。紀元前3000〜1500造営されたと考えられるストーンヘンジは夏至の日の太陽の登る位置を正確に把握して造られていると言われていますし、古代エジプトのピラミッドやスフィンクスも、太陽が正面に沈むように設計されています。

日本で最も有名な夏至の行事といえば、三重県伊勢市の「二見興玉神社」で行われる「夏至祭(げしさい)」です。二見興玉神社の夫婦岩付近は古くから神聖な場所とされ、伊勢神宮を参拝する人たちが浜辺で汐水を浴び、心身を清める場所とされていました。夏至祭では夫婦岩から登る朝日を浴びながら禊が行われます。

暗い冬が長く続く北欧スウェーデンでは、太陽のエネルギーが強くなる夏至の日は特別な日です。毎年6月19日〜25日の間で夏至に最も近い土曜と前日の2日間が祝日となり、国をあげて大きなお祭りが行われます。この祭りは、キリスト教に由来した洗礼者ヨハネを祝う行事と、それ以前からある夏至のお祭りが一緒になったと考えられています。当日は、男女問わず草花で作った花冠をかぶります。また、「ミッドソンマルストング」と呼ばれる葉っぱや白樺で作ったシンボルを立て、その周りを伝統的な歌をうたいながら踊ってパーティーをします。

同じように洗礼者ヨハネのお祭りと夏至が結びついた行事はヨーロッパの至るところで見られます。ドイツの一部の地域で夏至の日の付近に行われる祭では、伝統衣装を着た人々が踊った後に焚き火に火を灯す行事が行われます。この火には、厄除けなどの意味があるとともに、夏至を境に太陽のエネルギーが弱くなることを防ぐためだと考えられています。

リトアニアでは夏至の日の夜には不思議なことが起こると信じられており、それにちなんだ習慣が今も続いています。この晩に摘まれたハーブは薬効が高いと信じられ、女性たちは夜に森までハーブ摘みに出かけるそう。花冠で占いをしたり、特別な力を持つとされる夜露を飲ませて乳の出が良くなるように祈ったり、焚き火で空高くまで光を灯して秋の豊作を祈願します。

古代の昔より、何か特別なパワーがあると信じられてきた夏至の日。特別なことはせずとも、太陽が私たちを照らしてくれていることを感謝してもいいのかもしれません。

(水浦裕美)

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