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給料前借りとは違う「給与ファクタリング」、給料前は助かるが……悪質業者もいて金融庁が注意喚起

  • 2024.6.20

給料日前にお金に困ったときに、給与を受け取る権利を買い取ってもらい、現金を受け取れるサービスがあります。給与ファクタリングというサービスで、正規の業者もいますが、中には悪質な業者もおり、金融庁が注意喚起しているほどです。

■違法業者は手数料が高すぎ、貸金業登録をしていない

ファクタリングとは本来、事業者が売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらって現金化するサービスで、金融機関の融資とは違います。

給与ファクタリングは事業者向けのファクタリングを応用して、売掛金の代わりに個人の給料を受け取る権利を買い取ってもらう、「給料の前借り」に似た方法です。

実際には、給与ファクタリング業者から給料から手数料が差し引かれた金額を受け取り、給料が出たら給与ファクタリング業者に返すわけです。

給与ファクタリングは、事業者向けのファクタリングと違い、貸金業にあたるため、業者は貸金業登録をしていなければなりません。

そのため、給与ファクタリングの手数料は金利に換算して20%を超えることはできません。

しかし、中には貸金業登録をしていない「ヤミ金」のような違法業者も潜んでいます。違法業者は20%を超える法外な手数料を請求することも珍しくありません。

■違法業者の見分け方

給与ファクタリング業者が違法業者かどうかを見分けるには、貸金業登録をしているかを確かめましょう。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で調べられます。

また、借入金額に相当する給料の金額が10万円から100万円未満の場合、手数料の上限は18%です。たとえば、給料が30万円の場合、手数料が54,000円を超えていたら違法と考えられます。

■給与ファクタリングのトラブルが多発している

給与ファクタリングはコロナ禍で生活に困る人が増えた時期にトラブルが多発しました。金融庁は給与ファクタリングを巡るトラブルを問題視し、「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」といった注意喚起をしています。

不況などで生活が苦しい場合にすぐにお金を受け取れる給与ファクタリングは便利なため、うっかり違法業者を利用してしまうおそれもあるでしょう。

すぐにお金が必要なときには、カードローンのような他の方法もあります。まずは落ち着いて対策を考えるようにしましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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