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峯岸みなみと横山由依が語る新たなアイドル像「令和のアイドルは自分の背景までも武器にする」 <朝倉未来プロデュース「Dark Idol」>

  • 2024.6.20
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「Dark Idol」オーディションに携わった峯岸みなみと横山由依 撮影=阿部岳人
「Dark Idol」オーディションに携わった峯岸みなみと横山由依 撮影=阿部岳人

【写真】峯岸みなみ&横山由依撮りおろしショット

朝倉未来が発起人となるABEMAのアイドルプロジェクト新番組「Dark Idol」が6月20日(木)夜9時より放送開始される。本作は、過去に様々な挫折を経験した女性たちで結成されるアイドルグループ「Dark Idol」がデビューするまでの過程を追うオーディション番組。今回、そのメンバーを決めるオーディションで審査員を務めた横山由依と、「DarkIdol」の先行配信版で、朝倉未来とともに参加者のスカウトに携わり、オーディションでは応援団長として参加者の生の声をリポートした峯岸みなみにインタビュー。AKB48のメンバーとして活躍した彼女たちが見た、新しいアイドル像に迫る。

「アイドルの概念が変わっていく」

――今回は「女性のセカンドチャンスを応援できるプロジェクトを新たに立ちあげたい」という、朝倉未来さんの思いから誕生したアイドルプロジェクトですが、お二人から見た今回のオーディションの特徴を教えてください。

横山:やむを得ない事情でアイドルになることをあきらめた子など、複雑な背景を抱えた子が多く参加していて。もちろん今までのアイドルも色々抱えているものはあったと思うのですが、それをオープンにせずに活動する子が多い中で、今回は逆にそれを赤裸々にアピールポイントとして出す点が、従来のオーディションとは違うと感じました。自分を変えるために本気でチャレンジする女の子たちを見て、私もこの審査ですごく勇気をもらいました。

様々な人間ドラマがあるのが紹介VTRからもわかりましたし、それを見た後に本人たちのパフォーマンスを見ると、さらにその映像を撮った日からの努力を感じられたので、このオーディションにかける思いの強さが伝わりました。

アイドルになりたい子はたくさんいますが、様々な事情を抱えていてもアイドルを目指せる場を提供している朝倉未来さんもすごいと思いました。

――峯岸さんは「Dark Idol」というプロジェクトにどのようなイメージを持ちましたか?

峯岸:「アイドル」という概念がどんどん変わってきていると感じます。一昔前のアイドルは、いちごしか食べないとか、トイレにも行かないんじゃないかと思われている存在だったとよく聞きますが、AKB48は、直接会えるということもそうですが、がむしゃらに頑張ることが評価してもらえたり、親近感や共感がポイントになっていたんじゃないかと思います。その時点でだいぶ変わってきている実感はあったんですけど、Dark Idolはこうやって背景までも武器にするというのが今までにない新しい切り口だと思いました。

それもあって、ほかのオーディションと一番違うと思ったのは、参加者の年齢層が高いことです。10代じゃないと受けられないオーディションが多い中で、年齢・経験が不問ということは多くの方の希望になったと思いますし、色々な苦難を乗り越えてきたからこそ、Dark Idolにかける思いや情熱が強く、熱量が高いように感じました。

――オーディションはまず、参加者同士1vs1で歌とダンスのバトル形式で行われ、その中で峯岸さんは応援団長として、敗れてしまった人へのインタビューをされていました。今回、落ちてしまった彼女たちを見て、感じられたことは?

峯岸:もちろん悔しくて泣いている子が多かったです。でも、オーディションの形式が、オーディエンスの方がいる中でステージに立つというアイドルのライブに近い形式だったので、もちろん悔しいし、悲しいけど、とにかく楽しかったって言ってる子もとても多かった印象です。ステージに立つ喜びも同時に味わえるというのが、オーディションとしても新しいと思いました。

今回不合格でも、これをきっかけにまたステージに立つ方法を模索していくんだろうなって。デビューに対しての執着は、もっと強くなっているような感じを受けましたね。

――横山さんは、審査員として参加者のどういった部分を見るようにされていましたか?

横山:1対1で対決するバトル形式のオーディションでは、 基本的に対決する中でそれぞれ自分のパワーや持ち味を見せることができているかどうかを見ました。

その中で伸びしろがありそうな子を選んだ場合もありますし、逆に完成されてる子を選んだ場合もあるので、その対決相手によっても印象が変わりましたね。

でも心に届くというか、パフォーマンスでも言葉でも何か届ける力がある子には、やはり惹かれる傾向にあった気がします。

ビジョンの映像で見たときにすごく輝くとか、喋っている様子が魅力的な子もいれば、歌い始めたらすごくカッコよくなったり、ダンスに入る前の緊張の表情がよかったりとか、そういうところを見ました。

アイドルとしてお客さんの前でパフォーマンスするにあたって、歌やダンスのスキル以外にも、その場の空気をガラッと変えたり、お客さんを味方にできる素質は必要なんです。

「アイドルはストレス社会」

――先程お二人もおっしゃっていた通り、今回のオーディションから誕生する「Dark Idol」は、自身の抱える様々な事情を明かした女性たちで、従来のアイドル像とは異なると思います。では、彼女たちを応援するファンたちもまた従来のアイドルファンとは異なってくるのでしょうか。

峯岸:アイドルファンの方たちがオーディエンスとして参加されていて、その方たちに応援されている子もいたので、従来のアイドルファンにももちろん届くとは思います。

でも私は、色々なことがあったのに、こうやって自分の第2の人生をスタートさせようとしている、そのバックボーンに惹かれたので、年齢層高めで人生経験豊富な方が自分と重ね合わせたり、逆に娘みたいに思ったり、色々な層の方から支持されると思いますね。

横山:オーディションを受けている女の子たちに、過去に自分の辛い時にアイドルに助けられてきたという子が多かったように、同性の女の子に勇気を与えられるのではないかと思います。そして、またその子たちがアイドルを目指すようなバトンの受け渡しもありそうだと感じました。

――1月12日に配信された「先行配信版#1」のロケで、峯岸さんが「アイドルはストレス社会」とおっしゃっていました。具体的にアイドルが感じるストレスというのはどういうものなのでしょうか。

峯岸:どの世界にもあるとは思うのですが、AKB48は特に競争社会だったので、順位、選抜争い、ポジション争いなど、とにかく「自分はほかのメンバーと比べて足りていないんだ」と、常に自分と誰かを比較して、分かりやすくその現実を目の当たりにする機会が多かったんです。普通の社会でもそういった場面はあるとは思うんですけど、思春期だったこともあり、相当追い詰められました。

横山:でも今回参加された皆さんは挫折を経験している方も多いので、みんなで支え合ったり、許し合ったり、協力し合ったりというのが、大きなキーになりそうな気はします。人の痛みが特にわかると思うので、その人間模様が見えて面白そうなアイドルですよね。

――そういったストレスをお二人は現役時代にどのように克服されましたか?

峯岸:辛いと思う場面は多かったですが、ステージに立つことや、アイドルになったからこそ見ることができた景色があったり、AKB48のお仕事1つ1つが充実して経験になったりと、恵まれていたと思うんです。なので、モヤモヤすることがあっても、ストレスをステージで発散して、いつの間にか消えて…というのを繰り返していました。

横山:私もやはり家族とか、メンバーとか、周りのスタッフさんに支えてもらったと思います。メンバーが話を聞いてくれたり、一緒にご飯食べに行ってくれたりした時間に救われていましたね

――最後に、アイドルの先輩であるお二人から「Dark Idol」たちへアドバイスをお願いします。

峯岸:まだどういうアイドルで、どういう存在で、どういう影響を与えていくのか、本当に想像できないのですが、たくさんの人に勇気や希望や笑顔を与えるというのがアイドルの使命だと思います。

ただその与え方が、ちょっと特殊というか。色々な逆境を乗り越えて頑張っている自分たちの背中を見せて、これなら私も頑張れるかもと思う人がたくさん現れるような、そんなアイドルになるんじゃないかなと思います。

取り繕おう、綺麗なところを見せようっていう従来のアイドルとまた一味違った、ありのままをさらけ出す、どんな苦難もパワーに変える最強のアイドルになっていく姿を見るのがとても楽しみです。

横山:私もAKB48を12年間やってきて、色々なことがあって、嫌なこと、辛いこともあったけど、その分やっぱり楽しかったり嬉しかったり、1人では味わえない 気持ちをたくさんもらったり、経験もできたので、難しいと思うんですけど、1つ1つのことを楽しんでもらいたいですね。

そして、それが見てくださってる方に伝わって行くと思いますし、元々様々な事情を抱えている人たちなので、より共感だったり、頑張っている姿が力になると思うので、本当に自信を持って楽しくアイドル活動していただきたいなと思います。

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