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カスタム・シューズとともに叶えた、スペイン古農家でのウエディング

  • 2024.6.20

ドレスを見つける前にブライダルシューズをデザインした、ジェマ・チルヴァースさんのウエディング・ストーリーをお届けします。

25ans Wedding

14歳で出会った夫

私が現在の夫、ジェイクと出会ったのはお互いに14歳の時でした。私たちはちがう学校に通っていましたが、ロンドンではよく友達グループのメンバーが重なったので、いい友達になり、4年後には同じ大学に行くことになりました。当時、私がつきあっていたボーイフレンドと別れたことがあったのですが、女友達がみんなその週末は実家に帰っていたため、ジェイクの肩に顔をうずめて泣かせてもらいました。その後、私たちの間の何かが変わり、以来ずっと、短い破局を除いて―7年間も関係がはっきりしなかったため―一緒にいます。

プロポーズはまったくサプライズではありませんでした。彼がうっかりプロポーズの計画をもらし続けたからです! 彼のカメラロールに私の手の拡大写真を発見したり、私の姉宛の「エンゲージリング」というタイトルのメールが彼のスクリーンに出てきたり。私の父なんて、ジェイクと話していたら、急に結婚の申し込みをされた、と興奮していました。スペインではプロポーズはサプライズではないので、彼は気づかなかったのです。あまりに計画が見え見えだったので、笑うしかありませんでした。

もちろん、ジェイクにたいしては、何も知らないふりをしていました…いつの晩にプロポーズするつもりか、私が読み解いてしまったことについても。12年も一緒にいたので、彼のことはわかり過ぎるほどわかるのです。

プロポーズ当日

私たちは、スペインのコスタ・ブラバのベグールという村にある私の両親の別荘でバカンスを過ごしていました。父がバルセロナ出身で、この村は両親が最初に出会った場所なのです。私たちがある晩、いつもどおり村のお城に上ると、ある砲塔の前で彼がひざまずいたのでした。それはものすごく特別な瞬間でした。彼は私のために指輪をデザインしてくれたのですが、エメラルドを二つのダイヤモンドの間にセッティングした、幅広のゴールドのリングです。

結婚式

私たちの両親が隣村に住んでいるコッツウォルズで法的な結婚式を挙げた後、ベグールに戻り、マス・センドラという古いファームハウスで2023年9月に結婚式を挙げました。

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ドレスの前にまずシューズ!

私には、自分が着たいウエディング・ドレスのイメージがまったくありませんでした。ピンタレストであらかじめ画像を集めておいてプランを立てるとか、そういうタイプの人間じゃないのです。ただ私は、2002年にローンチした母の名前を冠したシューズブランド、ペネロペ・チルヴァースで母が働くのを見ながら育ち、3年前にコンテンツ・クリエーション・マネージャーとして働き始めました。ですから、もちろん自分のウエディング・シューズは自分でデザインしたいと思いました。

私はプラットフォームヒールのサンダルのシルエットが大好きでしたし、70年代ファッション、特にヴィンテージのフローラルプリントに夢中でした。そこで、母と姉のアフリカと協力しながら、白地に鮮やかなイエロー、ピーチカラー、グリーンのフローラルプリントを作りました。私たちは力を合わせて仕事をするのが大好きでしたが、デザインでこれほど密接に仕事をしたのは初めてでした。一緒に座って知恵を出し合うのは素晴らしいことで、すごく特別な感じがしました。

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それから私は自分のドレスを見つけました。サテンの、ストラップがついた、ドロップウェストのドレスです。The Own Studioのもので、背中の開いたデザインにお直ししました。

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ブライズメイドもおそろいに

靴は花嫁の伝統的なチョイスとは言えないかもしれませんが、結婚式全体のテーマに沿ったものになりました。ブライズメイドもペネロペ・チルヴァースを履くことになるのは明らかでしたが、私とおそろいにするのはどうだろう? と思いつきました。私たちはあのフローラルプリントを、ベストセラーのハイ・バレンシア・エスパドリーユ・ウェッジサンダルに使い、ブライズメイドのドレスにはプリントの中の色を選ぶことにしました。この靴は13人のブライズメイドと私をつなぐ共通点となり、ウエディング・パーティに参加したすべての人々にその意味をはっきりと表すことになりました。

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ゲストにもプレゼント

でも、それだけではありません。私たちは230人のゲスト全員に、ペネロペ・チルヴァースのフラット・エスパドリーユをプレゼントしたのです。女性たちには同じフローラルプリントのものを、男性にはプレーンなカーキのものを、会場から数マイルの場所を拠点とする靴職人さんたちに直接手渡してもらいました。結婚式のある週末の間、ゲストの皆さんが朝のコーヒーを飲みに行ったり、二日酔いを覚ましたりするのにサッと履ける靴を提供したかったのです。靴の底にはエンボス加工で「ジェマとジェイク」の文字を入れてもらい、ゲストにとって完璧な結婚式の記念品になるようにしました。

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唯一の課題はうまく管理、配分できるか。ゲストの出欠や食事のリクエストをまちがえないだけでも大変ですが、そこに靴のサイズをまちがえないことも加わったのです! ペネロペ・チルヴァースではサステイナビリティをブランドの中心課題にしていますから、残った素材は小さなフラワーボーイやフラワーガールたちのブルマーにしたり、私の甥の乳母車のライニングにまで使いました。

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特別な思い出となったデスティネーション・ウエディング

友達や家族に囲まれて、本当に人生最高の週末になりました。もしできるなら、結婚式の前の晩に、何かおもてなしの場を設けることを強くおすすめします。私たちは最初の晩にウェルカムドリンクから始めました。ゲストにきちんと挨拶する機会になりますし、翌日全員回らなくてはというプレッシャーからも解放されます。私たちは村の中心部から離れたバーに行き、それから、お気に入りのレストランで夕食をとりました。ジェイクと私は早めに引き上げて、翌日に備えることにしました。

結婚式は親友に司宰してもらい、セレモニーの後は、カナッペと地元の材料で製造されたワインなどを出しました。カナッペが結構な量になってしまったので、メインディッシュだけのワンコースディナーにすることに。おかげで食事が早く済んだので、すぐパーティに移行できました。

私はシルバーチェーンがついたバックレスワンピースに着替えましたが、もちろん、あのサンダルは履いたまま。その後、朝の3時半まで踊りましたが、まめなどはできませんでした。

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日曜日はプールパーティを開きました。疲れを癒やしながらお祝いを続けるには最適でした。結局、ゲストのほぼ全員がプールに入ることになりました!

ウエディング・シューズを限定コレクションとして発売

結婚式に来てくれた人たちがみんな靴を気に入ってくれたので、母と姉と私はこれを限定版のデザイナーコレクションとして発売したら面白いのではないか、と考えました。これまですごく高いヒールは扱ってこなかったので、この機会に試してみたらいいのではないかと。それに、私たちの結婚式を撮影したウエディング・フォトグラファーのエリザベット・マテウによるゴージャスなイメージ写真もたっぷりありました。

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最近、この靴を結婚式用に買ったという、結婚式を控えた女性からメッセージをもらいました。誰かが私の靴を履いて同じように特別な日を迎えるかと思うとワクワクします。底にクッションが入っているので、慣らし履きをする必要がなく、ウエディング・シューズとしてはパーフェクトなのです。私はあれから、友達の誕生日パーティにも履いて行きました。この夏は他にもたくさんイベントがあるので、あの靴を履いて行くのが楽しみでしかたがありません。

※この記事は2024年6月20日時点のものです。

Translation: mayuko akimoto Photos:Elisabet Mateu From:COSMOPOLITAN

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