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2010年代で最も素晴らしい映画は?10年に一本レベルの超名作(2)とびっきり面白い…最強タッグの最高傑作

  • 2024.6.20
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レオナルド・ディカプリオ【Getty Images】

2010年代に発表された数々の名作の中でも、賞レースを席巻し、観客から受け入れられ、批評家を唸らせ、かつ、今に至るまで作り手の創作意欲を刺激し続けている映画をセレクト。約130年に及ぶ映画の歴史においても、傑作と呼ばれる作品は数少ない。ここでは、そんな稀少な作品群の魅力を解説する。第2回。(文・編集部)

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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:テレンス・ウィンター
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、ジョン・バーンサル、カイル・チャンドラー、マーゴット・ロビー、ジョン・ファヴロー、マシュー・マコノヒー

【作品内容】

ジョーダン・ベルフォートは、投資家相手にペニー株(5ドル未満の小さな会社の株式)を売り捌く株式仲介会社ストラットン・オークモントを創業し、カリスマ的営業力を発揮。26歳という若さで荒稼ぎ。彼はその荒々しくも天才的なビジネス手法によって「ウォール街の狼」と呼ばれ金融業界の異端児となった。

彼の有名な演説の中には「電話は切るな、相手が買うかその相手が死ぬまで」という過激なセリフがある。とても正常な人間の発言とは言えない。ベルフォートは後に証券詐欺など複数の罪に問われ服役することとなるのだが…。

【注目ポイント】

本作は、証券詐欺とマネーロンダリングも辞さず、年間5000万ドル(約73億円以上)を超える大金を稼ぎ、超豪華ヨットを海に沈め、自宅の庭にヘリを墜落させるなど、ド派手な生き様で知られる元・株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの栄枯盛衰を描いた作品。

ベルフォートの金稼ぎへと向ける熱量は底知れない。そんな異常な熱を帯びた登場人物たちはドラッグを乱用し酒、女に溺れ、高級車を破壊、オフィスでの乱痴気騒ぎなど、やりたい放題。

映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はモラルを著しく逸脱したキャラクターが欲望の赴くままに行動するサマが、マーティン・スコセッシならではのスタイリッシュなカット割り、高揚感のあるサウンドトラックによって描かれる。

また、レオナルド・ディカプリオの2枚目俳優としてのプライドをかなぐり捨てたような振り切った芝居も見もの。なんせ、3時間近い上映時間中、ほとんどのシーンで眉間に皺を寄せて怒り散らかしているのだ。

スコセッシ×ディカプリオのタッグはこれまで数多くの名作を生み出してきたが、中でも本作は、とびっきり危険で、とびっきり面白い。オリバー・ストーン監督の『ウォール街』(1987)と並ぶ、金融業界を描いた傑作であり、本作の成功は、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)など経済モノの作品を多く生み出すきっかけとなった。

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