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緑の絶景に癒されたい!雨こそ映える、美しい苔スポット【15選】

  • 2024.6.20

雨が降ると何だか憂鬱、お出かけ気分もテンションが下がりますよね。

普段は避けたい雨ですが、雨のときこそ色鮮やかに美しく、癒されるスポットとしておすすめしたいのが「苔スポット」。

仕事のストレス、人間関係、勉強疲れなど、そんなマイナス気分を癒してくれる、選りすぐりの"緑の苔スポット"を15か所ご紹介します。

北海道|苔の回廊

北海道の支笏湖南部、樽前山(たるまえざん)山麓に横たわるのが「苔の回廊」です。

かつての苔の名所「苔の洞門」(現在は閉鎖)に代わって発見されたのが「苔の回廊」で、全長約200m、高さ最大10mの苔に覆われた涸沢の渓谷です。

左右から迫る崖には80種類以上ともいわれる苔がびっしり!まさに緑のベールに包まれた癒しの空間です。

大小の倒木が横たわりますが、道そのものは平坦で歩きやすいため初心者向き。とはいえ熊出没地域のため、行動は十分に注意しましょう。

秋田県|獅子が鼻湿原

秋田県と山形県にまたがる鳥海山。その北麓に広がるのが、ブナとミズナラの森に囲まれた「獅子ヶ鼻湿原(ししがはなしつげん)」です。

この湿原の特筆すべき点は、異形奇形の巨大ブナが数多く生息し、かつ世界でも貴重な「鳥海マリモ」が群生していること。鳥海山の伏流水が美しい清流と自然を育み、深い苔と緑に覆われたこの地は絶好の森林浴スポットとなっています。

1周約5kmの自然探勝コースはアップダウンも少なく初心者向き。ただし、こちらも熊出没地域なので十分ご注意を。

群馬県|チャツボミゴケ公園

群馬県の奥草津、中之条町の山間部にたたずむのが「チャツボミゴケ公園」です。

チャツボミゴケは、ビロードのような美しい見た目に反してPH2.8もの強酸性の鉱泉に好んで生息する、きわめて生命力の強い苔の1種。この群生地は東アジア最大級とされ、その希少性からラムサール条約に登録、国の天然記念物にも指定されています。

注目すべきは、園最奥部の「穴地獄」と呼ばれる窪地一帯。とくに、初夏に咲き誇るレンゲツツジと深い緑のチャツボミゴケとのコントラストは唯一無二の絶景です。

栃木県|尚仁沢湧水

栃木県塩谷町と矢板市にまたがる高原山(たかはらやま)山麓の標高590mに位置する「尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)」。

広葉樹の原生林に囲まれ、湧き出る清水は1日約6万5,000トン。1年を通じて11℃を保ち、「名水百選」にも選ばれています。そんな尚仁沢湧水の水源域は圧倒的な苔むす森とひんやりミストで一気にクールダウンしてくれます。

登山口から水源までは軽く30分、アップダウンも多いですが、そんな疲れを忘れさせてくれるほど美しい渓谷に出会えますよ。

岐阜県|乗鞍山麓 五色ヶ原の森

岐阜県「飛騨の奥座敷」とも称される、標高約1,300mから1,900m付近に広がる森林帯が「乗鞍山麓 五色ヶ原の森」です。

手つかずの原生林を有し、極力人の手が加えられていない森はまさに秘境そのもの。乗鞍岳の伏流水が育んだ苔むす森にユニークな生態系、大小の滝や湖沼で極上の森林浴が楽しめます。

ただし、五色ヶ原の森は環境保全の目的で厳格な入山規制を敷き、ガイド同伴、有料化を行っています。コースは事前予約制で1日コースと半日コースの計6コース。それぞれに特徴があるため、自分に合ったコースを選びましょう。

福井県|平泉寺白山神社

福井県勝山市にある「平泉寺白山神社」は、国内でも有数の苔寺として知られています。

かつて白山信仰の越前側の一大拠点として栄華を極めた平泉寺白山神社。今ではその歴史は土に埋もれ、境内一帯が美しい苔の絨毯と杉木立に囲まれて、往時が偲ばれるほどひっそりと静寂に包まれています。

往時と変わらぬ神秘的な御手洗池や大杉の御神木もさることながら、国内最大級の石敷道や坊院跡などの中世の遺跡も必見です。

長野県|白駒の池

2,000m級の山々が連なる信州北八ヶ岳。その麓の高原地帯にたたずみ、標高2,000m以上の湖としては日本最大の天然湖といわれるのが「白駒の池」です。

池を囲む原生林は見渡す限りの苔の絨毯に覆われ、文字通り「苔むす森」。苔の種類は485におよび、数百年の時を刻んだ森をすべて飲み込んで、息を呑む神秘の光景が広がっています。

駐車場から徒歩15分とアクセスも良く、遊歩道も整備され、気軽にハイキングを楽しめるのも魅力のひとつ。初夏には高山植物、秋には紅葉と四季折々の表情が味わいながら森林浴が楽しめます。

奈良県|大台ケ原 西大台

三重県と奈良県にまたがる吉野熊野国立公園の大台ケ原。大台ケ原は、三重県最高峰の日出ヶ岳(ひでがだけ)と大絶叫の絶壁・大蛇嵓(だいじゃぐら)を中心とした東大台と、ブナやモミなどの原生的な森林が広がる西大台の東西エリアに分かれています。

そのうち西大台は、紀伊半島で守るべき貴重な森林生態系として環境省が定める「利用調整地区」に指定。

入山には事前予約と入山料、事前レクチャーの受講が必須となっています。やや手間はかかりますが、その分人も少なく、自分のペースで森とふれあえて、すばらしい苔の群生地にも出会えますよ。

滋賀県|イブネ

滋賀県東近江市に横たわる鈴鹿山脈。鈴鹿を代表する10座のうち、「鈴鹿の奥座敷」として知られるのが標高1,160mの「イブネ」です。

地上からは想像もつかないほど圧倒的な苔モフ絨毯が山頂一帯を覆い、別名「鈴鹿の雲ノ平」とも呼ばれる夢のような空間が広がります。さらに、イブネの山頂は平地で展望が開け、御在所岳や鎌ヶ岳など鈴鹿を代表する名峰たちも一望できます。

往復約17㎞の山行は骨が折れますが、難易度的には初心者~中級レベル。道すがら史跡もあったりイヌシデの巨木などもあって、見どころ満載です。

兵庫県|しわがらの滝

兵庫県と鳥取県との県境、小又川渓谷にある、滝愛好家の間でじわじわ人気の滝が「しわがらの滝」です。

一見外から滝は見えず、渓流突き当りの洞窟内に身を隠しています。洞窟に足を踏み入れた瞬間、轟く滝の音とともに落差10mほどの滝が姿を現します。崖一面を覆う苔とシダ植物、天井穴から差し込む陽光、暗い洞窟に響き渡る滝の音と天然ミスト……五感で味わう最高の癒しが体験できます。

コースは徒歩30分程度と難易度は初心者レベルですが、山道の下り坂が続き、渓谷の渡渉と洞窟内は足元が濡れやすいため長靴かトレッキングシューズを推奨します。

鳥取県|木谷沢渓流

広大なブナ林に囲まれた高原地帯の鳥取県奥大山(おくだいせん)。奥大山を象徴する「ブナ」と「湧き水」が育んだ美しい自然が「木谷沢渓流」です。

奥大山の湧き水は、あの「サントリーの天然水」に起用されるほど折り紙付きの森の天然水。わたしたちにとってもっとも身近なミネラルウォーターのひとつです。

苔むす森に響き渡る川のせせらぎと小鳥のさえずり、やわらかな木漏れ日とヒンヤリした空気、心地よい木の香りに包まれ、五感で味わう森林浴が楽しめます。

徳島県|山犬嶽

徳島県上勝町にある「樫原の棚田」の背後にそびえるのが、標高997.6mの「山犬嶽(やまいぬだけ)」です。

山頂には雲早神社、中腹には東光寺、そしてミニ四国八十八カ所霊場が祀られ、山全体が聖域とされています。落葉原生林の山にはさまざまな巨石が横たわり、また大地はおびただしい水苔で覆われています。苔むした祠や石仏があちこちに点在し、清浄な空気と静けさで身が清められていくようです。

ひたすら上り坂が続く登山道のため少々きついですが、その労に替えても訪れる価値があります。

愛媛県|笹倉湿原

西日本最高峰・石槌山(1,982m)を中心とした四国西部に横たわる石鎚山系。その南東部の、愛媛県と高知県の県境にそびえる筒上山に存在するのが「笹倉(さぞう)湿原」です。

草木生い茂る山の中を歩いていると、突然そこだけスポットライトが当てられたような光り輝く苔の湿原があらわれます。ウマスギゴケによる苔モフ絨毯は「神の庭」と形容され、別格の神々しさ。

しかし、近年周りにはびこる笹薮に影響され、湿原が縮小傾向にあるとささやかれています。気になる方は、訪問をお早めに。

熊本県|菊池渓谷

Photo by Mayumi

阿蘇外輪山の北西山麓、標高500~800mの間に位置する「菊池渓谷」。

「日本森林浴の森百選」「日本名水百選」「日本の滝百選」「水源の森百選」「くまもと緑の百景」「熊本の自然百選」「新くまもと百景」と数々の百選に選ばれるほど、熊本を代表する景勝地です。

冷たい清流と森の木陰で冷やされた渓谷は、1年を通じて平均気温11~15℃と電気不要のエコで頼れる天然クーラー。猛暑の夏にはぴったりの涼感スポットです。

四季折々の表情と森の生態系、空気、風、音、においにふれて、菊池渓谷もまた五感で癒されるスポットです。

鹿児島県|白谷雲水峡

苔の絶景ではもはや定番ともいえる世界遺産・屋久島。

中でももっとも人気のスポットが、言わずと知れた、『もののけ姫』のモデルといわれる「白谷雲水峡」。大地を覆い尽くす圧倒的な苔、白谷川の清流に樹齢1,000年を超える「屋久杉」の巨木たち。耳をすませば「こだま」の声が聞こえそうな、そんな気持ちにさせてくれるほど清らかで尊い空間です。

アクセスの良さから白谷雲水峡が人気ですが、苔むす森は意外と島のあちこちに点在し、同じ手軽さでいえばヤクスギランドなどもおすすめです。

癒しと涼感が味わえる、雨の日こそ苔スポットへ

苔を愛でる、苔を見ると癒される、苔むす森が素晴らしい、そう感じる心は、日本人特有の美意識とされています。

ただの苔になぜそこまで愛着が持てるのか。それは日本の風土と深くかかわりながら、「儚いもの」「古びていくもの」「あるがままのもの」に美を見出し、風情や情緒、侘び寂びを感じる感受性が培われていったからだと考えています。儚いようでいてたくましい、みずみずしく清く生きる苔の姿に無意識に何かを感じているのかもしれません。

もちろん苔スポットは空気が清浄でマイナスイオンも豊か、緑の色は目に優しく、安らぎとリラックス効果抜群など、物理的・心理的効果もはたらいているでしょう。

何はともあれ、苔がもっとも生き生きと輝くのは雨のシーズン。日本人にとって心安らぐ苔を愛でに、今度苔スポットを訪れてみませんか?

All Photos by Mayumi

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