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確実に6kg落とすための18の現実的アドバイス【肥満専門クリニックの医師が解説】

  • 2024.6.19
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体重を減らす目標を持つなら、多くの女性にとって6kgの減量を目指すことは合理的なスタート地点。でもこれは、短期間で達成できることでもなければ、達成すべきことでもない。継続して安全に6kg減量するためには、食事、運動、ライフスタイルを慎重かつ戦略的に変えていく必要がある。

体重を安全に6kg落とせる“速さ”は、現在の体重、身体活動量、食事、ライフスタイルに加え、6kgが全体体重の何%に相当するかによって人それぞれ異なる。「基本的には、6ヶ月で体重の5〜7%の減量を目指すことが適切です」と話すのは、クリーブランドクリニックの肥満およびメディカルウェイトロスセンターで院長を務める内分泌学者のマルシオ・グリーベラー医学博士。

6kg落とすのにどれくらいの時間がかかる?

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「継続して安全に6kg落とすのにかかる期間は、大体2〜4ヶ月です」と話すのは、ニューヨーク州栄養・食事アカデミーの広報担当者を務める管理栄養士のジョナサン・バルデス。「もちろん、今の体重、体組成、その他の要因によって個人差はありますが、週に約0.45〜0.9kgを目安に減量を目指すことが、多くの人にとって安全であり、実現可能な目標となります」

とはいえ、減量にかかる期間は断定しにくいもの。「体重を早く落としたい気持ちはわかりますが、体重は時間をかけて徐々に増えたことにも気付く必要があります」とグリーベラー医学博士。時間と共に体重が変化すると体のセットポイント(設定体重)が変わり、体はその新しい体重を維持しようとする。

「そのため、最終的な目標としては、その設定体重を落とした体重にリセットすること。また、この期間と変動は人により異なります。そもそも、運動や食べものに対する体の反応が一人ひとり違うため、すべての人に適用するような減量法はないのです」

専門家が「1ヶ月に6kg減量すること」を勧めない理由

どんな専門家に尋ねても答えは同じ。これほどの短期間でこれだけの体重を減らすのは、安全でも持続可能でもない。

グリーベラー医学博士いわく、体重を落とす期間より、持続可能な方法で着実にライフスタイルを改善することのほうがずっと大切。「単にカロリーを制限するだけの極端なダイエットでは、体は減った分の体重をすぐに取り戻そうとするでしょう」。そのため、1ヶ月に6kgの減量が可能ではある一方で、オススメはできない。

そこで今回は、確実に体重を6kg減らしたいあなたのために、ダイエットの専門家と、それを実際に達成した女性たちからの実践的な18のアドバイスを紹介していこう!

1. 事前に食事のプランを立てておく

シンプルだけれど、献立を考え、事前に食事を準備しておくことで、おなかが空いたときに不健康な軽食やおやつを食べてしまうのを防げる。

「事前に食事のプランを立てている人は、よりよい選択ができ、空腹に陥ることも少ないでしょう」とグリーベラー医学博士。「食事のプランもなく急いでいるときほど、空腹な状態が邪魔をして健康的な食事を選ぶことが難しくなるものです」

2. アルコール量を制限する

現在の米国人のための食生活指針では、アルコール摂取は1日1杯以下に抑えることが推奨されており、妊娠中の女性や特定の薬を服用中の人など、飲酒してはならない成人もいる。「1杯とは、アルコール含有量5%のビールでは約350ml、12%のワインでは約150ml、40%の蒸留酒では約44mlに相当します」とバルデス。

3. 自分の食事パターンをよく理解する

まずは、特定の時間や特定の状況で食べる理由を自問してみて。グリーベラー博士いわく、感情的に食べている人は意外にも多い。「このような“パターン”を見出せると、なにかを食べることよりも、いい解決策が見つかるかもしれません。冷蔵庫を開けるよりも、散歩に行くほうがずっと自分のためになる場合もあるでしょう」

スマホや音声メモアプリを使って食事の記録や日記をつけると、自分の食事パターンや食べる理由を把握できるようになる。おなかが空く時間帯や、「単に習慣だから食べていた」ことに気づけてくるはず。

4. やりたいことをリストアップして、活力とモチベーションを維持する

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ストレスが溜まったときに救いとなるような趣味や会いたい人、楽しみをリストアップしておくことで、集中力と一貫性を保てやすくなる。「ストレスで食べ過ぎるとネガティブな気持ちが余計強まり、脂肪分や糖分が高い食品やジャンクフードを食べたくなるサイクルに陥りやすくなります」とバルデス。

5. ストレス管理を優先する

簡単なことではないけれど、「多くの人は、ストレスを軽視しています」とグリーベラー博士。「ストレスはホルモンバランスを変化させ、減量が難しくなるうえ、感情的に食べてしまう原因でもあります」

友人と話したり、趣味を楽しんだり、自分の時間を大切にすることは、ストレス管理において必須なこと(だからこそリストを作っておくのがオススメ)

6. よりヘルシーで低カロリーな「好きな食べものの代替品」を見つける

バルデスによると、最近では自分が好きな食べもののヘルシーなレシピや商品を、オンラインやスーパで簡単に見つけることができる。「これにより、好きな食べものを楽しみながら健康(と健康的な体型)を目指すことができます。プロテインチーズケーキを我慢することはないのです」

エヴリン・Mは、単純炭水化物を複合炭水化物に置き換えたことで、ようやくおなかの脂肪が減り始めたと話している。「単純炭水化物の代わりに、複合炭水化物(白いパンの代わりにサツマイモなど)を食べることを学んだのは大きかったです」とエヴリン。また、ポップコーンやトルティーヤチップスなど、好きな食べものも数日に一度は食べているので、我慢している感覚はないと付け加えている。

「それから、私が大好きな砂糖たっぷりの甘いおやつをヘルシーに作るレシピも学びました」とエヴリン。「私はチョコレートが大好きなので、ヨーグルトとココナッツフワラーでブラウニーを作っています。これで体重が6kg減りましたし、気分がとてもいいです!」

7. 食事の量をコントロールするための工夫を日常に取り入れる

これまで数え切れないほどのダイエットを試みたけれど、まったく効果がなかったと語るケイティ・ハフマン。あるとき、食事の量をコントロールして、食べているものに注意を向けるようジムのフィットネスインストラクターにアドバイスを受けたそう。

「『21 Day Fix』というプログラムに参加して、野菜、赤身肉、果物の摂取量を増やし、炭水化物、脂質、加工食品を減らすように食事を改善しました。ですが、私がダイエットに成功できた鍵は、食材の一食分が実際にどれだけかを学ぶことでしたね」とハフマン。「私はもはや砂糖中毒だったので、甘いものをやめることが本当につらかったんです。ですが、完全に砂糖断ちをすることはせず、キャンディを少量(1/3カップほど)小皿に入れて、1日にそれだけは食べていいことにしました。そうすることで、好きな食べものを楽しみつつ、食べ過ぎることがなくなりました」とハフマン。

8. 睡眠を十分にとる

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グリーベラー医学博士いわく、減量においても8時間睡眠は不可欠。「睡眠不足はホルモンを変化させ、体重を減らすのが非常に難しくなる可能性があります」。また、適切な睡眠をとることで、糖分や脂肪分が多い食品を食べたくなる欲求が湧きにくくなる。

「睡眠時間を確保できるように1日のスケジュールを組み、寝る数時間前には電子機器の使用を避け、寝る8時間前にはカフェインの摂取を控えましょう」とバルデス。体を回復させるために睡眠は必要なので、トレーニングをした後はとくに重要だとか。そもそも寝不足では運動する気力が出なくなるため、ダイエットに悪影響であることは間違いない。

9. 可能であれば、栄養について学んでみる

「異なる食事法に対する体の反応は、人それぞれ違います。過去に試して効果がみられた食事法があれば、それを体重管理に取り入れていきましょう。なにを食べ、それが体重にどんな影響を与えるのかを理解するためには、栄養学を学んでみるといいですよ。栄養士に相談することは、栄養を学べるいい機会にもなります」とグリーベラー医学博士。

もちろん、誰もが栄養士の指導を受けながら減量に取り組めるわけではない。オンラインでは、信頼性の高い無料の栄養情報が、学術機関や医療機関から数多く提供されているので、どんなダイエット法を試すか決める前に、これらの情報に目を通してみよう。

10. マクロ栄養素を計算する

リア・フリンは「夫がタンパク質、炭水化物、脂質の摂取量を記録することで減量できたため、私もやってみることにしました」と語り、減量の進捗状況と体の栄養ニーズに合わせて、週ごとにマクロ栄養素の量を調整しているという。

「食べたものを記録するのは簡単ですが、マクロ栄養素の目標摂取量を毎日満たすのには少し苦労しましたね」とフリン。「炭水化物と脂質は十分に摂れていますが、タンパク質だけは難しいんです。これを10週間以上続けて、4.5kg落とせました」

11. 16時間断食を試す

体重を数kg減らしたかったけれど、ダイエットには乗り気じゃなかったと話すステファニア・シルー。彼女は頻繁に旅をしていたので、自分のライフスタイルに合ったダイエット法を見つける必要があった。

「去年、インターミッテント・ファスティング(断続的断食)について姉に教わり、実践しました。その日の最後の食事から次の日の最初の食事まで14〜16時間空けるだけというなかなかシンプルなものです」とシルー。「私はもとから朝ごはんを食べる派ではなかったので、難なく続けられました」

朝は水とコーヒーを飲み、昼食と夕食は普段通りに食べる。「日々の気分の素晴らしさには驚かされています。この食事スタイルにはすぐに慣れました。昼食まで空腹を感じることもなかったですね」とシルー。 「また、インターミッテント・ファスティングのおかげで、空腹のときだけ食べるようになりました。『退屈だから』『習慣だから』という理由で食べることをやめたので、全体的に食べる量も減りましたね」

1ヶ月も経たないうちに、体に変化が見られ始めたそう。

12. 新しいレシピを試す

「新しいレシピや食材を試すことで、食事のマンネリを防げるだけでなく、料理の腕を上げることができます」とバルデス。「また、自分で調理をすれば、カロリーの量やタンパク質、脂質、野菜、果物の種類、健康的な炭水化物の選択肢を自分で決められるので、外食やテイクアウトに比べるとより健康的であることは確実です」

13. 有酸素運動をする

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「早歩きや掃除機がけ、テニスダブルスなど、適度な運動を週に少なくとも150分は行うようにしましょう。もしくは、ハイキングやジョギング、テニスのシングルスなど、激しい運動を週に75分目指してみましょう」とバルデス。この指針は、米国心臓協会も同様に推奨している。これに加え、週に2日の筋力トレーニングを行うことも勧められている。忘れないでおこう。

14. トレーニングを軽視しないこと

グリーベラー医学博士いわく、有酸素運動(走る、歩く、自転車漕ぎなど)とレジスタンストレーニングは、どちらか一方だけに集中するよりも、組み合わせて行うほうが望ましい。

「有酸素運動をするとカロリーを燃焼します」とグリーベラー医学博士。「一方でレジスタンストレーニングをすると筋肉が付きます。筋肉が付くと、増えた分の筋肉を養うのに体がもっとエネルギーを必要とするため、総体的にカロリーの燃焼量が増えるのです。ウィンウィンですよね」

NASM認定パーソナルトレーナーのダビッド・テパッタポーンは、有酸素運動なしでは物足りない人には、筋力トレーニングの開始時か終了時に15〜30分ほど有酸素運動を加えるように勧めている。

「コンパウンドムーブメントを取り入れた全身トレーニングが理想的です」とテパッタポーン。彼のオススメは、『スクワットとオーバーヘッドプレス』『デッドリフトとオルタネイティング・ロウ』『グルートブリッジとダンベルプレス』の組み合わせ!

15. 糖分が多い飲みものは飲まない

砂糖が添加されたジュースやソーダは避け、低カロリーの飲みものや水に置き換えること。「砂糖が多く含まれた飲みものは体重増加と関連しており、満腹感や栄養を得られるものでもありません」とバルデス。

これに強く同感するカトリーナ・プライアーは、ランニングとクロスフィットが大好きで、いつも体を動かしていたにもかかわらず、年々体重が増えていたと語る。「あるとき、私が通っていたジムがWhole30チャレンジを開催したんです。これが、私の不健康な食習慣を断ち切り、余分な体重を減らせるチャンスだと考えました」とプライアー。

「最初は悲惨でした。ソーダが飲みたくてたまらなかったので」とプライアー。「仕事で疲れ切った夜は、さすがにソーダを飲んでいいだろうと自分を正当化しようともしましたが、自動販売機のボタンを押す直前で、自分自身に腹が立ち、ソーダがなくても私はもう1日乗り切れると決心しました」

最終的には、砂糖の多い炭酸飲料を飲まない食習慣がプライアーの日常となり、その努力は功を成した。炭酸飲料をやめると、ポテトチップスやアイスクリームのようなジャンクフードも自然と排除でき、水を多く飲むようになったそう。「単純に聞こえるかもしれませんが、本当に効果があります」

16. パートナーを見つける

家族であれ友人であれ、同じ目標を持つパートナーを見つけて、一緒に協力して取り組むことが重要だとバルデスは言う。「目標達成に向かって、お互いを責任持って支え合うことは非常に力強いものです。一緒に運動したり、レシピやアイデアを共有し合えたりもできますしね」

17. 食事や運動を変えてもまったく成果が出ない場合は、医師に相談を

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数年前に突然9kgも体重が増え、気分まで最悪だったと語るクリスタ・ハモンド。「なにをやっても体重を落とすことができず、半年苦しんだ後、ついに健康診断を受けることにしました」

実は、甲状腺に問題を抱えるハモンドの母親に、甲状腺の検査を勧められたそう。その結果、ハモンドは甲状腺が炎症して、十分にホルモンを産生できなくなる橋本病と診断された。

「1年半の治療と忍耐、そして自分の体を大切にする努力が必要でした」と語るハモンド。そして、6kgの体重を減らすことができたそう。「1ヶ月に0.5g未満しか落ちていませんが、1年半の努力の価値はありました。以前に比べて断然気分よく毎日を過ごせるようになったからです」

18. 食事制限をしない

1日のカロリーを減らしすぎるのは問題。

「カロリーとエネルギーが十分になければ、体は適切に機能できなくなります。集中力や認知機能、消化器系の問題から、代謝に長期的な影響を与えることもあります」と話すのは、栄養士のアマンダ・ベイカー・レメイン。

食べる量を極端に減らしていては、食べものとの良好な関係が築けず、摂食障害につながる可能性があることは言うまでもない。「体重を減らすのに最善な方法は、極端な食事制限を避け、代わりに栄養価の高い食品で満たされた、あなた自身が楽しめるような制約のない食事パターンを見つけることです」とアマンダ。

一般的に、体が適切に機能するには、女性は最低でも1日1,200kcalを摂取する必要があるとされているけれど、実際に必要なカロリーの量は年齢、身体活動量、睡眠の質などの要因によって異なる。体重を減らすために、安全かつ健全な「カロリー不足」の作り方について理解を深めたい場合には、医師や栄養士に相談するといい。 この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。Text: WH EDITORS Translation : Yukie Kawabata

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