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義両親との上手な付き合い方のコツとは? 名作映画5選に学ぶ、他人事じゃない義父母との“難あり”な関係

  • 2024.6.19

『ミート・ザ・ペアレンツ』(2000年)

『ミート・ザ・ペアレンツ』は(2000年)、U-NEXTにて配信中。 Photo_ ©Universal/Courtesy Everett Collection
MEET THE PARENTS, Robert De Niro, Ben Stiller, 2000『ミート・ザ・ペアレンツ』は(2000年)、U-NEXTにて配信中。 Photo: ©Universal/Courtesy Everett Collection

ことごとくタイミングをミスるダメ男は、元諜報員の義父の壁を攻略できるのか?

ベン・スティラーとロバート・デ・ニーロの演技対決が楽しめるコメディは、今から20年も前の作品とは到底思えない義親子関係を描いたコメディの金字塔。スティラー演じる看護師のグレッグ・フォッカーは、交際相手のパム(テリー・ポロ)にプロポーズをしようと考えているが、その前に彼女の実家で義理の両親とともに週末を過ごすことに。ところが、義父はグレッグに会った瞬間から彼への嫌悪感を露わにする……。

ロバート・デ・ニーロ演じる元諜報員の義父は、グレッグが婿にふさわしくないことを証明するために、私立探偵を雇ったり嘘発見器にかけたりと、彼を陥れるための手段を選ばない。一方のグレッグは、義父に好かれるための行動がすべてが悪い方向へと転び、最悪な事態に。今後家族として長い付き合いをすることになるのだったら、すぐにバレる嘘をついたり、自分を大きく見せるのはご法度。ありのままの自分でいることの大切さを教えてくれる。ちなみに今作に出演時のロバート・デ・ニーロは、まだ56歳だったというのも驚きだ。

『クレイジー・リッチ!』(2018年)

『クレイジー・リッチ!』(2018年)は、Netflixにて配信中。 Photo_ © Warner Bros. Pictures/courtesy Everett Collection
CRAZY RICH ASIANS『クレイジー・リッチ!』(2018年)は、Netflixにて配信中。 Photo: © Warner Bros. Pictures/courtesy Everett Collection

家族の距離が近いアジア人だからこそ分かる、世代間の思想の違い

アジア人だけのキャストながら全米で大ヒットを記録し、ハリウッドのゲームチェンジャーとなった1作が『クレイジー・リッチ!』。NYで大学教授をしている中国系アメリカ人のレイチェル(コンスタンス・ウー)が、恋人のニック(ヘンリー・ゴールディング)に誘われて彼の故郷シンガポールを訪れたところ、なんと彼の一家は超大金持ちだったことが判明。御曹司であるニックの家族や友人たちからは、財産目当ての女というレッテルを貼られてしまう。もちろん、ニックの母親のエレノア(ミシェル・ヨー)は、アメリカ育ちの中国人は息子の嫁にふさわしくないと、レイチェルに残酷な仕打ちをする。

華僑のクレイジーすぎる金銭感覚は別として、家族との距離が近いアジア人にとって本作は、相手の親族との関係など共感しやすい作品だ。家族のために自分の人生を犠牲にしてきたミシェル・ヨー演じるエレノアが、気品を纏いながら夢を追いかける息子の恋人をいびるシーンの貫禄たるや。相手を尊重しながらもしっかりと自分の思いを伝えるレイチェルの強さも見習いたい。

『ウエディング宣言』(2005年)

『ウエディング宣言』(2005年)は、U-NEXTにて配信中。 Photo_ ©New Line Cinema/Courtesy Everett Collection
MONSTER-IN-LAW『ウエディング宣言』(2005年)は、U-NEXTにて配信中。 Photo: ©New Line Cinema/Courtesy Everett Collection

ジェニファー・ロペス VS ジェーン・フォンダの義親子バトル。亀裂は映画の中だけではなかった⁉

理想の男性と巡り合ったジェニファー・ロペス演じるチャーリーと、ジェーン・フォンダ演じる息子を溺愛する母親が繰り広げる壮絶なバトルが炸裂する痛快コメディ。ロペスもフォンダもどちらもタフなので終わりなきバトルのように見えるが、一応誰もが予想するラストに着地するのでご安心を。ドタバタではあるが、結局のところお互いに相手のことを思いやる心が大事だというのが今作の一番のメッセージとなっている。

余談ではあるが、今作にはフォンダとロペスがお互いの頬をひっぱたきあうシーンがある。その撮影時にロペスの張り手によって、フォンダはまぶたのあたりを切ってしまったという。ロペスもYouTubeチャンネルで今作を振り返り、「私の爪があたってジェーンの瞼が切れてしまんたです。私は震え上がって、『本当にごめんなさい』と謝罪をしたら、ジェーンは『全然大丈夫』という感じだったのですが」と話しているのだが、2023年に「The Drew Barrymore Show」に出演したフォンダは、「ジェニファーは未だにあのときのことを謝罪していない」と真顔で話し、物議を醸した。真意の程は分からないが、二人のバトルは実は未だ終結していないのかも⁉

『ゲット・アウト』(2017年)

『ゲット・アウト』(2017年)は、U-NEXTにて配信中。 Photo_ ©Universal/Courtesy Everett Collection
GET OUT, from left, Catherine Keener, Bradley Whitford, Allison Williams, Betty Gabriel, Daniel『ゲット・アウト』(2017年)は、U-NEXTにて配信中。 Photo: ©Universal/Courtesy Everett Collection

親友の警告は聞くべき? 実家訪問で何かがおかしいと思ったときはもう遅い

今や押しも押されもせぬ映画作家として知られる、コメディアン出身のジョーダン・ピール。一貫してアメリカ社会における黒人への人種差別をテーマに、ホラーというジャンルに笑いのエッセンスを注いだ作品を撮っている彼の長編監督デビュー作が『ゲット・アウト』だ。自ら脚本を手がけた本作は、ある週末に白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招待された、写真家の黒人青年クリス(ダニエル・カル―ヤ)を待ち受ける恐怖の物語。

黒人の親友には忠告されるも、彼女の愛に応えるために不安を覚えながらローズの実家へ出かけるクリスだが、使用人が全員黒人であることに違和感を覚え、ローズの母親には催眠術をかけられてしまう。その上、翌日開催された知人を集めた白人のみのパーティでは奇妙な体験をすることに──。この一家が秘密結社だったことを知ったときは、ときすでに遅し。親友の「白人の彼女の実家には行くな」という言葉が空しく心に響くのだった。はたしてクリスはどうなるのか? 秀逸なプロットと先の読めない展開に興奮し、義理家族について下調べが必要であることを教えてくれる、素晴らしくも恐ろしい1作。

『ユー・ピープル~僕らはこんなに違うけど』(2023年)

『ユー・ピープル~僕らはこんなに違うけど』(2023年)は、Netflixにて配信中。 Photo_ ©Netflix/Courtesy Everett Collection
YOU PEOPLE『ユー・ピープル~僕らはこんなに違うけど』(2023年)は、Netflixにて配信中。 Photo: ©Netflix/Courtesy Everett Collection

愛は文化の壁を超越することができるのか?

偶然の出会いから恋に落ちた白人でユダヤ教徒のエズラ(ジョナ・ヒル)と、黒人でイスラム教徒のアミラ(ローレン・ロンドン)。もちろん恋は二人でするものなので人種や宗教の違いなど問題はないが、いざ結婚となると話しは別。考え方も習慣もまるで違う相手家族と、心から分かり合うというのは至難の業。

ジョナ・ヒル自らが脚本を手がけ主演をする本作は、義父役にエディー・マーフィを迎え、アメリカ国内での黒人と白人の考えや社会的立場の違いなどをコミカルに描きだす。恋人たちの間に立ちはだかるあまりにも大きすぎる人種とカルチャーギャップは、どのような結末を迎えるのか?

Text: Rieko Shibazaki

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