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【上野】デ・キリコ展 10年振りの大回顧展@東京都美術館2024年8月29日(木)まで

  • 2024.6.19

10年振りの回顧展

上野の東京都美術館では「デ・キリコ展」が2024年8月29日(木)まで開催されています。デ・キリコの作品を世界各国から集め展示されるという、10年振りの大規模な回顧展です。

出典:リビング東京Web

デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展

ジョルジョ・デ・キリコらによって20世紀初頭に提唱された、イタリア絵画の芸術動向および絵画様式※「形而上絵画」。彼の初期から自画像や肖像画から名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで約100点の作品が展示されています。

※歪んだ遠近法、脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気、非日常を表現した絵画。

出典:リビング東京Web

会場展示風景《予言者》1914-15年、油彩・カンヴァス

ニューヨーク近代美術館(James Thrall Soby Bequest)

© Digital image, The Museum of Modern Art, New York / Scala, Firenze

© Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

※特別に許可を得て撮影しています。

ジョルジョ・デ・キリコ Giorgio de Chirico 1888-1978

イタリアの画家、彫刻家。形而上絵画派を興し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えました。

出典:リビング東京Web

会場風景 Fondazione Giorgio e Isa de Chirico Photo Archive

デ・キリコの作品は、画面の左と右とで異なる遠近法構造を持っている特徴があります。 現実の空間構造をあえて無視して描かれた背景は、デ・キリコの独特の世界観の画風です。

作品のなかに人間はほとんど描かれず、代わりに彫刻やマネキンが描かれている点もデ・キリコの作風の特徴ともいえます。

出典:リビング東京Web

《形而上的なミューズたち》

1918年、油彩・カンヴァス

カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(フランチェスコ・フェデリコ・チェッルーティ美術財団より長期貸与)

© Castello di Rivoli Museo d'Arte Contemporanea, Rivoli-Turin, long-term loan from Fondazione Cerruti

© Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

出典:リビング東京Web

会場風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

1910年代に「形而上絵画」を描いて、パリで人気を博し、美術史に名を残した画家です。

「形而上絵画」と名付けられた作品群は、詩人で美術評論家のギヨーム・アポリネールの目に留まり、彼を介してシュルレアリストをはじめとした前衛画家たちに影響を与えたと云われています。

出典:リビング東京Web

会場風景 Fondazione Giorgio e Isa de Chirico Photo Archive

伝統的な絵画への回帰:「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ

彼は1920年代くらいから古典絵画に傾倒して、まったく違う絵画スタイルへと移行します。1920年頃から、テッィツィアーノやラファエロ、デューラーと云ったルネサンス期の作品に次いで1940年代にルーベンスやバロック期の作品に傾倒し、西洋絵画の伝統へと回帰していきます。

出典:リビング東京Web

《風景の中で水浴する女たちと赤い布》1945年、油彩・カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

© Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

 1920年後半から過去に描いた「形而上絵画」の再制作や、「新形而上絵画」と呼ばれる新たな作品も生み出していきます。

出典:リビング東京Web

会場風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルは、複製や反復という概念を創作に取り入れたデ・キリコをポップアートの先駆けと見なして高く評価しました。

デ・キリコは90歳で亡くなるまで精力的に創作を続け、絵画や彫刻、挿絵、舞台美術など幅広く、数多くの作品を残しています。

出典:リビング東京Web

会場風景 © Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

デ・キリコの活動は絵画のみに留まらず多岐にわたります。本展では彼の手掛けた彫刻や挿絵、さらには舞台衣装のデザインなども展示し、その幅広い創作活動が紹介されています。

出典:リビング東京Web

会場風景 《考古学者》 1971年 ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

© Fondazione Giorgio e Isa de Chirico, Roma

© Giorgio de Chirico, by SIAE 2024

ジョルジョ・デ・キリコ邸宅美術館

ローマのスペイン広場にあるジョルジョ・デ・キリコ邸宅美術館は、画家が晩年を過ごした住居兼アトリエです。美術館の画像が展示されています。

出典:リビング東京Web

会場内にはフォトスポットもありますので、ジョルジョ・デ・キリコ邸美術館を訪れた気分で撮影を楽しんでみては如何でしょうか。

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップ イタリアン食材も豊富!

デ・キリコ展ではイタリアのアーティストの展覧会という事でオリーブオイル、トマトソソース、バルサミコ酢と云ったイタリアの食材も販売されています。

出典:リビング東京Web

デ・キリコのオリジナル作品のクリアファイルもお洒落ですね。

出典:リビング東京Web

デ・キリコ展は彼の作品の初期の「形而上絵画」から西洋絵画の伝統回帰時期の作品、晩年の「新形而上絵画」までの作品が世界各地から集められた貴重な展覧会です。彼の代表的な作品の「形而上画」の前半と、後半の作品の作風も比較しながら鑑賞する事もでき、興味深く貴重な展覧会です。

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