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喉の詰まり、締めつけ感が治らない…突然起こる「喉の違和感」の正体は一体何!?【耳鼻咽喉科医監修】

  • 2024.6.19
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突然喉が締めつけられる、詰まったりするような違和感が起こり、ずっと治らない。風邪でもなく、病院で検査をしても異常は見つからない……わからないことだらけのこの症状は「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」もしくは「ヒステリー球」と呼ばれます。一体、何が原因で起こるのでしょうか? 耳鼻咽喉科医の高島雅之先生に教えてもらいました。

「咽喉頭異常感症」とは?

病変が見つからない喉周りの異常の総称

喉が締めつけられる、詰まる、圧迫感を感じるなど喉に異常を感じるのに、病院で検査をしても病気や障害が見つからないことがあります。これといった原因が特定できない喉の異常や違和感を総称して「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」と呼びます。

なお呼び方は診療科によって異なり、主に精神科では「ヒステリー球」、東洋医学では「梅格気(ばいかくき)」といいます。

締めつけ感、詰まり、呼吸困難など症状はさまざま

喉が締めつけられる・何かが張りついている感じがする・喉の奥が詰まるなど、咽喉頭異常感症の症状はさまざまです。喉が狭くなった感じがして呼吸が苦しくなる、食べ物が飲み込みにくくなる、痰の絡みが取れない、咳込むといったこともあります。

不快な症状を気にすれば気にするほど、悪化することも多いです。

ウイルスによる喉の風邪とは別物

風邪をひいて喉が炎症を起こしている場合は、処方された薬を服用することで喉の違和感も治まっていきます。ところが咽喉頭異常感症は風邪ではないので、例えば去痰薬などを処方されても、症状は変わりません。

目安として、1カ月以上喉の違和感が続く場合は、咽喉頭異常感症が疑われます。

「咽喉頭異常感症」の種類は?

原因がはっきりしない「真性咽喉頭異常感症」

咽喉頭異常感症は検査をしても喉の違和感など異常感の原因が特定できないものを「真性咽喉頭異常感症」といい、検査の結果何かしら異常感の原因が特定できるものを「二次性咽喉頭異常感症」と大別することができます。

他の病気などによる「二次性咽喉頭異常感症」

「二次性咽喉頭異常感症」は身体的な病気によって引き起こされるケースが大半です。これまでの診察では「二次性咽喉頭異常感症」の半数近くが胃酸逆流で1割程度の人が喉頭アレルギーでした。副鼻腔炎、扁桃炎、喉頭がん、咽頭がん、胃酸逆流、喉頭アレルギー、鉄欠乏性貧血、慢性上咽頭炎なども原因として考えられます。

またストレスや精神的な疾患も原因になります。

その理由は心理的な負担を抱えると緊張状態が続いたりして、自律神経のバランスが崩れやすくなるため。自律神経が乱れると、咽喉頭の筋肉が収縮して喉が締めつけられる、つかえるといった症状が表れます。

そのほか更年期になると自律神経が乱れやすくなるため、突然の喉の違和感を訴える人が増えます。

空気の乾燥や唾液量の減少など原因の場合も

秋冬は空気の乾燥により喉に違和感を覚える人もいます。水分補給や室内を加湿することでラクになる場合は、湿度が原因だと思われます。

高齢者で多いのは、唾液量が減ったことで咳込んだり食べ物が飲み込みにくくなったりするケースです。ガムをかんだり、「上の奥歯あたりに指を当てて回す」「顎の下を押す」「顎の下から耳の下にかけて顎の骨を押す」といった唾液腺をマッサージしたりすることで改善が期待できます。

なりやすい年代は働き盛りの30~50代

患者の男女比は1:1.2で、性別の差は大きくはありません。年代では仕事や介護、育児などで忙しい、働き盛りの30~50代の患者が多数。

責任感が強かったり神経質な性格でストレスを抱えやすいタイプは咽喉頭異常感症になりやすい傾向があります。

「咽喉頭異常感症」を治すには?

喉ではなく根本原因にアプローチ

ストレスや心身の病気が引き金となり、喉にさまざまな症状が出る咽喉頭異常感症。喉の病気ではないので、背景にある根本原因を除くことが治になります。

例えばストレスが原因だった場合、心理的な負担がクリアになることで治ることも。喉の違和感ががんの前触れだと心配した患者さんが、検査の結果、心理的な要因だったとわかって一気に悩みが解決。ストレスがなくなったことで、間もなく咽喉頭異常感症が完治した例もあります。

自然治癒することも少なくありませんが、症状が悪化する場合は何らかの病気が疑われま。つらいときは我慢せず、耳鼻咽喉科を受診してください。

まとめ

30~50代は心と体の曲がり角。ストレスやホルモンバランスの乱れは自律神経に影響を及ぼし、自律神経の不調は喉に異常をもたらします。異変を感じたら早めに受診し、しっかり休むことを心がけましょう。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

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取材・文/中澤夕美恵


監修者:医師 高島雅之先生

日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2006年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。『宇都宮睡眠呼吸センター』を併設し睡眠医療にも携わる。

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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