どこかレトロで個性的！オシャレ上級者だからこそできるギークシックファッション6選

今日も彼女はやってきた。ちょっぴり風変わりで、それでいて洒落た装いで。巷では、「ギークシック」と呼ぶらしいその姿にはオリジナリティ香るエッセンスがあちらこちらに散りばめられているんだ。

エレガントなニットツイードカーディガンに大きな帽子。つばの下からは、往年の女優みたいなビッグフレームのメガネがのぞいている。リングやブローチの重ね付けで愛嬌を添えているのも彼女らしいな。

「このTシャツ。A.I.の画像生成で生み出されたらしいよ、クールじゃない?」と、彼女はファニーなポーズを決める。お馴染みのクルーズ船の大作が、文明の利器で『MECHANIC』になっているなんて！スウェットのセットアップの下には、クールな遊び心が隠されていた。

ドキッとした！信号機みたいなプレイフルな色合わせに。ハッとした！トラックジャケットにデニムジャケットやシャツを仕込みつつ、ご近所サンダルを合わせるセンスに。おしゃれ感度の高い彼女に、ワタシはもう夢中なんだよ。

ランチタイムをとうに過ぎた頃、店内に響く「応答せよ！」の声。今日の彼女は、雑踏にも溶け込みそうなイナタイ装いだけど、かえってファッショナブルに見えるのは何故だろう。《レイバン》のティアドロップのせい？それとも、ナポリタン色のハットのせい？

レトロなファッション雑誌を食い入るように見つめる彼女。どうやら、装いのヒントを探しているらしい。紺ブレにレーススカートで知性と愛らしさを備えつつ、シャツやソックスで遊びを投入する独自のバランスは、愛読書から得たのだろうか。

カットオフしたジャケットとショートパンツのエッジィなタッグに、ジャラジャラとアクセサリーが揺れている。さながら、あの歌姫のようだ。彼女の守備範囲の広さに驚きながら、柔軟な発想とオタッキーなエッセンスが、ギークシックを支えているのだと実感する。

FUDGE vol.250 2024年5月号より