巨大要塞がラグジュアリーなリゾートに
州都ジャイプルから車で2時間半ほど、14世紀にラジャスタン州の王族によって造られた巨大な要塞が、22,000㎡もの広大なラグジュアリーリゾートへと生まれ変わった。内部に2つの宮殿、2つの寺院を持ち、圧倒的な存在感を放つこの歴史遺産は、日本では到底見ることはできないだろう。
そびえ立つ城壁に守られた要塞は、10年以上におよぶ学術的な保全作業によって700年前の荘厳な姿を取り戻し、新たに格調高いインテリアと最新鋭の設備を備えたモダンなラジャスタンスタイルの客室が造られた。居心地のいいスイートのテラスからは、東は広がる田園地帯を、西はのどかなバルワラの村の暮らしを見ることができる。
スパに定評のあるシックス センシズらしく、2,800㎡もの広大なスペースを占有し、本場インドのアーユルヴェーダ、熟練のセラピストによるトリートメント、本格的なマインドフルネスのプログラムなど、パーソナライズされたウェルネスプログラムを提供。
レストランは、持続可能な農法によるヘルシーな食体験を目指し、直営のオーガニック菜園と近隣の農場から届く新鮮な地元の食材をふんだんに使用したメニューを揃える。古代遺跡のような展望タワーやパビリオンの中に特別席を設けるなど、専属のバトラーに素敵なディナーをアレンジしてもらうのもいい。
シックス センシズ フォート バルワラ(Six Senses Fort Barwara)
Chauth Ka Barwara, Rajasthan 322702, India
www.sixsenses.com/en/resorts/fort-barwara
栄華を極めた王宮を、時空を超えて再現
インドが誇るIT産業の中心都市ベンガルールの国際空港から、車で1時間ほどの超絶ラグジュアリーなリゾート。ピンクの砂岩のファサードと銅製のドームを持つ巨大な宮殿ホテルは、タージ・マハルに次ぐインド第二の観光スポットで年間300万人以上が訪れるマイソール宮殿を、現代建築として再現したもの。数十種類のヤシが生い茂る広大な庭園を隠れみのに、街の喧噪とは無縁のバカンスが楽しめる。
南インドの寺院芸術、アールデコ調のデザイン、ラジャスタンの職人技が混在した建築様式は、多様な人種、宗教、文化が共生するインドという国を象徴するかのよう。豪華なクリスタルのシャンデリア、華やかなフレスコ画、銀の壺にいけられた800本以上のバラの花で満たされた館内は、息をのむほど壮麗で、栄華を極めた王宮の世界が、時空を超えて目の前に現れる。
夜はバンスリやタブラなどの民族楽器で演奏されるエキゾチックな音楽と、カルナータカ州に伝わる妖しく情熱的な舞踊劇ヤクシャガーナにいざなわれ、インド神話の世界に思いを巡らす。市内最高のインド料理レストランと評価される「ジャマバール」や、日曜のサンデーブランチが評判の「シトラス」、希少なシングルモルトを含む148種類のウイスキーを揃える「ライブラリーバー」など、食の充実はいうまでもない。
ザ リーラ パレス バンガロール(The Leela Palace Bengaluru)
23 HAL Airport Road, Bengaluru 560008, India
www.theleela.com/the-leela-palace-bengaluru
優美に輝くタージ・マハルの姿を独り占め
タージ・マハルの東門からわずか600mの場所に立ち、端正に整えられた庭園、絢爛豪華な噴水、列柱に支えられた壮麗なパビリオンを持つホテル。日の出と日没に最高に美しい姿を見せるタージ・マハルを、何にも遮られることなく、全客室から眺めることができる。
インドの最高級ホテルブランド、オベロイを代表するプロパティのひとつで、実は2001年に完成した近代的な建物だが、地元の職人たちの熟練の技が創り出した、ムガル帝国の美学を反映したインテリアは、それを感じさせない。24時間待機する専任バトラーはもちろん、スパの熟練セラピストや知識豊富なコンシェルジュなど、すべてのスタッフが卓越したホスピタリティを提供する。
ザ オベロイ アマルヴィラス(The Oberoi Amarvilas,Agra)
Taj East Gate Road, Agra 282001, India
www.oberoihotels.com/hotels-in-agra-amarvilas-resort
名門ホテルのDNAを受け継ぐ湖上の王宮
東洋のヴェネツィアとも称されるウダイプールは、湖の周囲に16世紀から20世紀初頭にかけて建てられた大小の王宮が立ち並ぶ美しい都市。その湖に浮かぶプライベートアイランドにラッフルズが建てた21世紀の宮殿ホテル。ヴェネツィア発のパッラーディオ建築にヒントを得た白亜の建物は、まさに王宮そのもの。
客室は英国のカントリーハウスを模範にした優雅な設えで、ラジャスタンの伝統文化を織り込んだエレガントなインテリアで満たされている。19世紀のマハラジャの黄金時代と同時期にシンガポールで創業したラッフルズのアイコン「ロングバー」も再現。かの有名なカクテルをインド風にアレンジしたウダイプールスリングは必飲だ。
ラッフルズ ウダイプール(Raffles Udaipur)
Raffles Udaipur Lakeshore Arrival, Udaipur 313024, India
www.raffles.com/ja/udaipur
Text: Yuka Kumano Editor: Sakura Karugane