1. トップ
  2. ファッション
  3. 運命の1着はトモ コイズミ×エミリオ・プッチ。ニューヨークの花嫁が纏った「人を笑顔にするウエディングドレス」

運命の1着はトモ コイズミ×エミリオ・プッチ。ニューヨークの花嫁が纏った「人を笑顔にするウエディングドレス」

  • 2024.6.17

ドリー・メクラーがその電話を受けたのは、婚約する1年半前のこと。「あなたにぴったりなウエディングドレスを見つけた」と話す両親は、ウッドベリー・コモン・プレミアム・アウトレットにあるプッチPUCCI)のショップから電話をかけていたという。そして2年後、彼女は彼らがこのとき店舗で見たドレスで、実際に晴れの日を迎えたのだ。

「結婚式はすべて彼と2人で計画しました。どんなに小さなことでも2人で決めて、いつどこで婚約するのかさえも一緒に計画したんです。エンゲージリングも2人で選びました」とメクラーは夫のジョーダン・コーエンとの関係性と当時のプランニングの様子について『VOGUE』に語る。

結婚式の日取りが2024年5月に決まると、メクラーと母親はウエディングドレス探しの旅に出た。ニューヨーククラシックなブライダル・ショップを片っ端から訪れたものの、手ぶらでブテイックを出る、その繰り返し。そこで母娘は、ウッドベリー・コモンに電話をかけ、その24時間後には、メクラーは両親が1年半前に見つけたのとまったく同じプッチのドレスを試着していた。「着てみたら、腕も通らなかったし、スカートも全然閉まらなかったんですけれど、みんなこれが運命の1着だとわかったんです」と振り返る。「とにかく、気持ちが華やぐピースなんです。だからケープごと買うと即決しました!」

ランウェイをインスピレーションに作り上げた、自分だけのブライダルルック

白いフリルに覆われたドレスは、トモ コイズミTOMO KOIZUMI)×エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2021年春夏カプセルコレクションからの1着。背中にジッパーのあるトップ、フルレングスのスカート、ケープの3つのピースで構成されている。ドレスが決まると、今度は結婚式で実際に着用できるルックに仕立て直さなければならなかった。「手を出したくない」ことを理由に何人かの仕立て屋に断られた末、やっと出会ったのがセレブたちも贔屓のドレスメーカー、タティアナだ。一から作り直す、ジャンプスーツにする、ボレロジャケットにする。メクラーが持ってきた1枚を一種のチャレンジとして受けて立ったタティアナとの間にあらゆるアイデアが飛び交ったが、ドレスの写真を見返す度に、易々と手を加えることはできないと思ったという。「このままでいい。でも、より一層豪華にするためにトレーンを付けようということになりました。そこで登場したのがケープです」

タティアナは、メクラーが腕をリラックスして下ろせるようメッシュのサイドパネルを加え、ふんわりとしたロングトレーンを作るために、スカートにケープを縫い付けた。ピンクとイエローの柔らかなエミリオ・プッチ生地でできた裏地は、その繊細さゆえ一旦外し、ドレスを仕立て直し終えてから再び取り付けた。

ドレスもさることながら、2人が式場として選んだエマニュエル寺院も、長いレッドカーペットが敷かれていて絢爛さに欠けていなかった。そのため、メクラーはブライダルルックを完成させるアクセサリー選びに頭を悩ませた。インスピレーションを求めた彼女が目を向けたのが、トモ コイズミのランウェイ。「どのガウンにも、いつも対照的な色のカフスみたいなものを合わせていることに気づいたんです」と過去のショーをチェックしたメクラーは言う。「私のドレスには、ブラックがとてもよく映えるのではと話していました」。そうしてアクセサリーはブラックのフリルカフスに落ち着き、ヘアは低い位置でまとめたシンプルなお団子、メイクはブーケとレッドカーペットとマッチした赤リップがポイントのミニマルルックに仕上げた。

プッチの要素はゲストたちへのサプライズに

当日使用したウエディングアイテムはすべて、グラフィックデザイナーであるメクラーの父が制作。セレモニーのプログラムで、彼はドレスについてしっかり触れていた。「誰もトモ コイズミを聞いたことがなかったので、どんなシェイプのドレスか想像できなかったみたいです。でも、プッチは知っていたので、とてもカラフルな1枚なのだろうとは思っていたみたいで」と説明するメクラー。「母は、裏がプッチだっていうことをみんなに知ってもらいたくて。ユダヤ教の結婚式では、最後に新婦が新郎を周回するんです。そのとき、メイド・オブ・オナーをやってくれた従姉妹がトレーンを持つのを手伝ってくれて、裾をちょっとまくって、裏地をちらっとみんなに見せたんです。いいサプライズになりました」

セレモニー後、2人はウエディングフォト撮影のために、式会場の向かいにあるセントラル・パークへと向かった。「セントラル・パークには毎日行っているんですけれど、この派手で華やかな衣装を着て行くのは本当に楽しかったです。(通りすがりの人も)みんな携帯を出して、私たちの写真を撮っていました。泣いている小さな男の子がいたんですけれど、このドレスを見た瞬間、泣き止んだんです。人を笑顔にすること。それが一番ですよね!」

Text: Florence O'Connor Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

Image may contain_ Lighting, Lamp, Adult, Person, Clothing, Dress, Fashion, Formal Wear, Gown, Table Lamp, Cross, and Symbol
市役所にて。
元記事で読む
の記事をもっとみる