SNS・リモートワークが主流化【孤独】との向き合い方
コロナ禍を気に人と会う機会が減り「孤独」に悩まされるようになった人が少なくありません。最近では、リモートワークが増えるなど、人との交流が少なくなっている人も多いのではないでしょうか。といっても、「孤独」の正体を掴めていないまま漠然とした不安を抱えているケースも多いです。本記事では「孤独」の正体と向き合い方について、産業カウンセラーの筆者が解説します。
孤独って悪いこと?
孤独は悪いことではありません。これは、頭ではそう理解している人も多いでしょう。ただし、分かっていても「孤独は嫌だな」と心の何処かで感じている人もまた多いでしょう。友達がいない、恋人がいないなど、孤独であることが自分の魅力のなさや存在意義のなさの表れだと思ってしまうと、孤独イコール悪いことと解釈してしまっても不思議ではありません。突然えも言われぬ孤独感に襲われ飲み込まれた経験を持つ人にとっては、その恐怖感から「孤独は良くない」と思われていることでしょう。
孤独という言葉は悪いイメージを持たれがちですが、「一人でいること」と言い換えるのであればそれは悪いことではありません。しかし、孤独に対してネガティブな感情を抱いてしまうようであれば話は変わってきます。ネガティブな感情を抱くこと自体は問題ありませんが、その感情をいつまでも感じ続けることは心にも身体にも悪い影響を与えます。
孤独を感じてしまったとき、その感情から抜け出す術を知っておくことで自身を守ることができます。大切なことは、「孤独を感じたときに自分を責めないこと」です。
なぜ人は孤独を感じるのか?
人が孤独を感じるシーンはさまざまです。
周りから疎外感を感じるとき 自分を分かってくれる人がいないと感じるとき 自分の無力さを実感するとき 自分が誰の役にも立っていないのではと感じるとき
なぜこういった孤独感を感じるかというと、人間には誰かと一緒にいたいという気持ちや所属欲、誰かの役に立ちたいといった感情があるからです。誰かと一緒にいたいと思うからこそ、例えばSNSで自分以外の知人たちが仲良く遊んでいたりするのを見ることが孤独という感情につながります。誰かの役に立ちたいと思うからこそ、誰の役にも立てていないのではという自己否定が孤独感につながります。
孤独を感じるシーンでは、自身の誤った思い込みがその原因となっていることも多いです。周りはあなたと一緒に過ごしたいと思っているのに、誤って「誰も一緒にいてくれない」と思ってしまったり、周りはあなたのことを分かろうとしているにも関わらず、自身が「分かってくれない」と思い込んでしまったりといったことがあります。周りとの丁寧なコミュニケーションをはかることで、感じている孤独感とサヨナラできることがあるかもしれません。
孤独は撃退できる?上手なSNSの使い方
SNSを上手に活用するポイントは、SNSをリアルなつながりの知人の近況を知る場としてではなく、新しい交流関係を作る場と捉えることです。InstagramやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNSで充実した日々を送る友人の投稿を見て孤独感を感じる人も多いでしょう。しかしSNSの使い方を変えることで、孤独感とサヨナラし仲間とのつながりを感じることができるようになります。
あえて友人の投稿を見ることをやめて、知らない人の投稿を見てみましょう。どうしても友人の投稿が目に入ってしまうようなら、アカウントを新しく作るのもひとつの手です。知らない人の投稿を見ていて心揺さぶられる物があれば、マナーに気をつけてコメントをしたりリポストしたりと何かしらのリアクションをしてもよいです。自分の趣味に関する投稿や素敵な写真の添付された投稿など、リアルではなかなかできないような交流を持つことができるでしょう。
孤独が辛いと感じたら…
衝動的な孤独感に襲われて辛くなったら、まずは考えることをやめましょう。寝られるようなら寝てしまう、あるいは身体を動かしたり、好きな映画に没頭したりするのもおすすめです。ゲームに熱中するのもひとつの手ですが、1〜2時間で区切れるようなものが望ましいです。
SNSを見ていて孤独感を感じてしまったなら、後で戻ってもいいのでいったんそのSNSから離れましょう。SNSは依存性が高く、見始めるといつまでも見続けてしまう人が多くいます。意識的にSNSから離れる、スマホを閉じるといった行動が必要です。
日常的に孤独感を感じる人には、ペットを飼ったり植物を育てたりがおすすめです。ペットは無条件にあなたのことを受け入れてくれるため、「わかりあえない」といった孤独感を感じずに接することができます。またペットや植物は日常的にお世話が発生するため、自身が誰かの役に立っている、ひとりではないといった感情につながります。同じ種類のペットを飼っている人や、植物を育てることが好きな人とSNS上でつながることができれば、そこから新たな交流も期待できます。日常の中でできることから工夫をしてみるといいでしょう。
(まっきー)