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「サンダル×靴下」コーデの火付け役! 誰もが知るTeva“スポーツサンダル” の意外な原点とは?《Teva40周年》

  • 2024.6.16
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スポーツサンダルでお馴染みの「Teva(テバ)」は、今年で40周年。今ではアウトドアでも街でも定番となった“スポーツサンダル”だが、その火付け役であるテバはどのように誕生し、進化を遂げてきたのだろう。エポックメイキングな製品を振り返りながら、ブランドの軌跡をひも解いていこう。


「水辺で脱げないサンダルを」現代のサンダルのスタンダードをつくった40年前の“ひらめき”

テバのブランドヒストリーを教えてくれたデッカーズジャパンの池田マリアさん(左)と野田幸宏さん(右)。

「1984年、世界最大級の峡谷であるアメリカのグランドキャニオン。ひとりのリバーガイドの青年が、水辺でビーチサンダルが脱げてしまうことを不満に思っていました。そこで、ふと、腕時計の面ファスナーストラップをサンダルに括り付けてみた――。これがテバの歴史の始まりでした」(デッカーズジャパン 野田幸宏さん)

その青年とは、テバ創業者のマーク・サッチャー。アドベンチャーの中での思い付きから世界で初めてのストラップ付きサンダルを考案し、ブランドを立ち上げたのだ。

その3年後、テバ初の特許となる「ユニバーサル ストラップ システム」が誕生する。最小限のストラップの使用でありながら、足の甲、足首、かかとの3点でしっかりと足を固定する、今では代名詞ともいえるオリジナルデザインだ。

誰もが知るサンダルの歴史はここから始まった!

テバといえばこのサンダル! 足の甲、足首、かかとを固定する画期的なデザインで大ヒットした。

日本でテバの販売を手がけるデッカーズジャパンの野田幸宏さんは「テバがブレイクするきっかけになったシステムです」と切り出し、こう続ける。

「ユニバーサル ストラップ システムは非常にシンプルがゆえにテバを象徴するものになっています。似たようなデザインのサンダルも『テバっぽい』と言ってもらうことも多い。オリジンとなるこのデザインがブランドの一番の強みですね」

スポーツサンダルの定番デザインは、テバの3本のストラップにルーツがある。

テバのDNAを搭載した最初のモデルが「オリジナル ユニバーサル」。それから派生して次々に新しい製品が生み出されていった。そして1990年代に入ると、テバは、世界でブームを巻き起こした。

「テバに短いソックスを合わせて…」Y2Kファッションでも定番のあのコーディネートも

テバのサンダルにソックスを合わせるコーディネート。

機能面だけなく、デザイン面も支持され、ファッションアイテムとして街での人気も高まっていく。

数ある製品の中でもテバを代表するコレクションが「ハリケーン」。ユニバーサル ストラップ システムに加え、高いグリップ性で滑りにくいアウトソール、衝撃を緩和し長時間歩いても疲れにくいミッドソールを搭載した人気モデルだ。

「ハリケーン」シリーズ。

「ハリケーンは、厚底だったり、ストラップの形が変わったり、スライドタイプだったり、いろんなデザインの製品が生まれていますが、ソールの作りは一貫しています。すべてのモデルで履き心地とグリップ力を兼ね備えながら、さまざまな用途に応じて少しずつ特徴を変えているという感じですね。テバの歴史は、ハリケーンの進化とともにあるといっても過言ではありません」

このとおり、水中でも脱げない履き心地が多くの人に支持された。

現在も人気の「スポーツサンダル×ソックス」のコーディネートも、テバの流行とともに広まっていったそう。

「僕は90~00年ごろに古着屋で働いていたんですが、ロサンゼルスのローズボール・フリーマーケットに買い付けに行ったときに初めてテバを知りました。当時、ロサンゼルスの若者の間でテバのサンダルに霜降り柄の厚手の靴下を合わせるのがすごく流行っていたんです」

その後、日本で本格的にテバの人気に火がついたのは、2010年代。2012年にデッカーズジャパンが国内販売をスタートすると、アウトドア店やスポーツ店のみならず、セレクトショップがフィーチャー。数々のブランドとの別注モデルも展開し、認知度をますます高めていった。

「日本では、黒のハリケーンに短めの白ソックス、ショートパンツを合わせるスタイルが流行しました。若い世代が様々なコーディネートでテバを楽しんでくれて、それが幅広い世代に普及していったように思います。『スポサン』という言葉もこの頃からよく聞くようになりました」

冬にも活躍する、テバのもうひとつのヒット作

「エンバー」の後継モデルである(手前)リエンバー テレイン 14,300円、(奥)リエンバー テレイン ミッド 17,600円/Teva

さて、もうひとつテバのベストセラーとして特筆したいのが、モックシューズの「エンバー」シリーズだ。かかと部分を踏んで履くこともできる2WAYのデザインはこれまた先駆的だった。

「キャンプのときには、脱ぎ履きがしやすくてテント内外で使いやすいシューズ。しっかりと歩けるし、リラックスにも使えて好評をいただきました。販売当初は疑心暗鬼だったのですが、店頭からあっという間になくなっていったのを覚えています。その後は、テバの秋冬の代表選手となっています」

現在では、デザインやクッション性をアップデートした「リエンバー」がシリーズを継承している。

雪山用シューズやトレッキングシューズも! テバの意外なシリーズ

ブランド初期から作っているトレッキングシューズ(野田さん私物)。

ところでサンダルのイメージが強いテバだが、アウトドアシューズブランドであり、実は多彩なフットウェアを開発していることをご存じだろうか。

「もちろんサンダルが原点ではありますが、アウトドアで、特に水辺での活動をサポートできるシューズを昔から作っています」

野田さんが過去に販売されたエポックメイキングなシューズをピックアップしてくれた。

「近年アウトドアのなかでも登山が人気ですが、テバではブランドの創成期からトレッキングシューズをずっと作っているんですよ。2010年代前半に販売していたウィンターブーツは、二重構造になっていてインナーブーツを履いたままテントだったり屋内で暖かく過ごせるようになっていて、寒い地域を中心に日本にもファンの方がけっこういました。

二重構造を採用したウィンターブーツ。インナーブーツ(中央)が取り外し可能で脱ぎ履きと保温性に優れている(野田さん私物)。

あとはカヌーやカヤックなどのアクティビティに適したウォーターシューズ。ラフティングの日本代表チーム『テイケイ』をサポートさせてもらっていて、昨年はイタリアで開催された『WRFラフティング世界選⼿権』で総合優勝して世界一になったんですよ。マウンテンバイクとかBMX向けのバイクシューズも作っていました。冒険心に基づいていろんなシューズを手がけていることを知っていただきたいですね」

ウォーターシューズはアスリートからも支持される(野田さん私物)。
マウンテンバイクやBMX向けのバイクシューズ(野田さん私物)。

40周年を記念したリバイバルアイテムが続々登場!

1984年の誕生から今年で40周年。

水辺での外遊びを中心に、アクティブなアウトドアの楽しみ方を提案しつづけてきたテバ。テバでは40周年を記念し、1980〜90年代の懐かしのモデルやデザインを復刻した「リバイブ コレクション」を発売する。

テバの原点「オリジナル ユニバーサル」が復刻! (左)80s オリジナル サンダル リバイブ 8,580円、(右)90s オリジナル アルプ リバイブ 9,130円/Teva

1980年代の初代モデル「オリジナル サンダル」と、ユニバーサルストラップシステムを初めて採用した「オリジナル ユニバーサル」のカラーアップデート版のほか、定番の「ハリケーン XLT2」に1990年代のストラップをベースとしたアレンジを加えたモデルなどを展開。

再生素材などを利用し、環境に対する取り組みも。

リバイブ コレクションも含めて、テバでは再生素材を活用。主要モデルのストラップは、100%再生プラスチックを用いている。デッカーズジャパンの池田マリアさんがブランドの環境に対する姿勢について語る。

「テバというブランドそのものが自然の中から生まれたルーツがあり、私たちは自然を楽しむためのフットウェアを作っています。だから『自然を守るために』と特別に掲げていることはなく、当たり前のこととして環境に対する取り組みをしていきたいと考えています」

半世紀の歴史に向け、次なる歩みとは?

「自然のなか、さらには“地球のなか”で楽しく遊ぶという提案をしていきたいと思っています。アウトドアを遠い存在に感じる方もいると思いますが、『ちょっと冒険したいな』とか『違う景色を見てみたいな』という気持ちをひと押しできるようなシューズづくりをこれからもしていきたいと思います」

Teva

https://jp.teva.com/

文=一ノ瀬 伸
撮影=杉山秀樹

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