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防衛予算増額に伴うたばこ税の引き上げに「ハームリダクション」という考え方 健康リスクに応じた税差導入を

  • 2024.6.16
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政策アナリストの石川和男が6月16日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。たばこの健康被害に対する「ハームリダクション」という考え方の普及について、税制面から議論した。

※写真はイメージ

ハームリダクションとは、依存性の高い薬物やアルコール、たばこなど健康被害をもたらす行動習慣をすぐにやめることができないとき、リスクをできる限り少なくすることを目指して実践される公衆衛生上の方法・政策で、英語の「harm」=害、「reduction」=低減から成る言葉だ。番組では、この考え方がたばこの健康被害軽減に向けて日本で浸透するために、税制面からどのような手を打てるのかを議論した。

現在、日本では紙巻きたばこよりも、健康被害のリスクがより低い加熱式たばこの税率の方が低い。ただ、防衛予算増額に伴う財源確保策のひとつとして、加熱式たばこの税率を紙巻きたばこの税率まで引き上げる議論が進んでいる。

番組にゲスト出演した法政大学経済学部教授の小黒一正氏は「日本にはハームリダクションという考え方がないが、健康リスクが高い紙巻きたばこから、健康リスクが相当低い加熱式たばこへの移行を促すため、税率差を設けるのが正しいやり方だと思う」と主張。
そのうえで「日本ではハームリダクションという考え方がないので、同種同等のものには同量の負担を求めるとの考え方から、最終的には税差を埋めてしまう。そのため、防衛予算の財源確保も相まって、加熱式たばこの税率は紙巻きたばこの税率まで引き上げられ、税差がなくなったうえに、さらに増税される」と今後の見通しを述べた。

諸外国では、紙巻きたばこより加熱式たばこの税率を低く抑えることで、健康へのリスクがより低い加熱式たばこへの移行を促す政策が多いとして「日本の財政当局としては、紙巻きたばこの税率を一番高く、次に加熱式たばこ、その次に(日本ではまだ認められていない)電子たばことグラデーションをつける、税率に差をつけるには“根拠”が必要。そういう基本法や、政府としての考え方をまとめた文書の閣議決定などが必要。そうしないと『なぜ、そんな差をつけるのか』という質問がたくさんきて、答えられない」と訴えた。

最後に小黒氏は、喫煙者が健康リスクの高い紙巻きたばこから加熱式たばこ、ひいては今後日本でも認められればより健康リスクが低い電子たばこへと移行することで、たばこがもたらす疾患の医療費が減ると指摘。ハームリダクションの重要性を訴えた。

石川は「(税率の低いたばこに喫煙者が移行することで)たばこの税収は減るが、それだけ医療費も減るということに直結する。むしろその方が健康な人が増え、健康寿命も延びる。そういう点においては、すごくいいことだ」と述べた。

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